ダツをゲット

初夏になり、小型の青物釣りが楽しい季節になってきました。
そんなある日、いつも通りサーフに行ってみると、この季節には珍しい大型の魚を釣っている人を発見!
「おっ? サワラが釣れている!」と思い、近くに寄って話しかけてみると、なんとサワラではなくダツではないか。
そそくさとリリースしようとする釣り人さん。
ということで、知らない釣り人さんからダツをいただいてきました。いやー、話しかけてみるもんですね。
サワラが釣れればリリースする人は滅多にいないと思いますが、ダツは一般的に美味しくないと言われている魚。
TSURI HACK調べの、『不味い魚ランキング』にも7位に堂々ランクイン。持ち帰る人は滅多にいないはずです。
骨がエメラルドグリーンの魚

因みに数年前に一度食べておりまして、その時は50cmないほどの小さなダツでした。
そのときは干物で食べてみたしたが、味はいたって普通。可もなく不可もなくな味で、完食したことを覚えています。

味は決して悪くはありませんが、捌いてみてビックリしたのが骨の色。
魚の骨としては珍しいエメラルドグリーン。これがなんとも食欲を減退させるような色なのです。
ひょっとしたら“骨が緑”という背景もあり、「ダツは美味しくないという情報が一人歩き。一般的に食べられることが無くなってしまったのではないでしょうか。
ダツを3つの調理方法でいただく

ということで、早速ダツを料理していきたいと思います。
頭を切ってしまえば見た目は普通の魚。大きなサヨリのよう。なんなら、秋の味覚の代表格『サンマ』に見えなくもありません。

開いて見た所……あれ?
エメラルドグリーンではありませんねぇ。普通の色です。もしかして大きくなると色は抜けてしまうのでしょうか?
① ダツのお刺身

味を確認するために、まずはなんと言っても刺身でしょう。ダツのポテンシャルを確かめたいと思います。
ダツを捌いてみて思ったのは、非常に骨が多い。お腹部分の長さ故に腹骨が多いこともそうなのですが、中骨もとにかく多い!

盛り付けてみるとこんな感じ。なかなか美味しそうじゃないですか?

醤油とわさびをつけて、いただきます♪
うん。尻尾に近い部分なだけあってやや筋が多く、味は非常に淡白。
ですが悪くありません。むしろ刺身好きなら絶対オススメです。上品な白身とも感じられるほどです。
② ダツの蒲焼き丼

もっとダツのポテンシャルを引き出したい。経験上、脂が足りない魚は足してやると化けます。
片栗粉をまぶしたダツを、油で軽く揚げて油分を足してやります。

そこに醤油、砂糖、みりんで即席タレを作ります。とろみが出るまでフライパンで熱したら完成です。

のりをしいて薬味をちらして、蒲焼き丼にしてみました。

おぉ!!!! これはっ! 想像以上に美味いぞ!
身がフワッとしており、とてもリリースが常識となっている魚とは思えない美味さです。
③ ダツの天ぷら

さて、油との相性が良いとわかったので、3品目はダツの天ぷら。
天ぷらにすると、魚の持っているポテンシャルをダイレクトに感じることができます。(特に臭みのある魚は、天ぷらにするとそれが顕著に現れる)

天ぷらというより、フィッシュアンドチップスのような仕上がりになってしまいました。ご愛嬌……。

シンプルに塩でいただきます。やっぱり、これもめちゃくちゃ美味い。
ダツの身の美味さはどうやら間違いなく本物のようです。白身ならではの上品な美味さもありますね。
例えるならデカいサヨリを食べている感じです。だからこそ、とてもお得感があります(笑)
なぜダツはリリースされる?自分なりの見解
骨が多く捌きにくいため、食べる人が少ない?

骨の色以外に好まれない理由を考えてみるならば、その骨の量。
腹が長いから腹骨はもちろん、中骨も非常に多く、捌き方も少し工夫が必要で苦労しました。

ただハモやウツボのような骨切りは必要ではなく、骨の入り方は一般的な魚と同じ構造。
腹骨と中骨を取り除いてやれば、一般的な魚と同じです。よっぽどマゴチの方が捌きにくい印象があります。
内蔵脂肪はたっぷり。でも脂は乗っていません

内蔵脂肪は驚くほどたっぷり。脂のノリが期待できるかもとも思いましたが、脂はほとんど乗っていませんでした。
時期的なモノなのか分かりません。今後釣れたら食べて確認してみようと思います。
ダツ、リリースするのは勿体ない!

良いタイミングでダツをいただくことができたので食べてみました。
正直、記事にする前は「ダツねぇ。食べられないことはないけど」といったまとめになるかと思っていました。あまりの美味しさにビックリしています。
今までダツが釣れたことは滅多にありませんが、今度ダツが釣れる時を楽しみにしたいと思います。
ライタープロフィール
小林大介
愛知県出身徳島県在住。映像クリエイター、フォトグラファーとして地方の限界集落で活動中。山の猟師でもあり、デジタルとアナログの両極端な生活を楽しんでいます。
海に川、ルアー、エサ釣りと限らず、楽しく美味しい釣りはなんでもトライするのが信条です。