ブルーギルって美味しいのか?

人が普段食べないような魚を、おいしく調理するのが大好きなTSURI HACKライターの小林です。
そして今回料理に挑戦するのは、こちらの魚。ブルーギルです。バス釣りをしていると、外道として釣れることがよくありますね。
▼ブルーギルの詳しい生態についてはこちら
食べるイメージとは程遠い魚ですが、どんな魚でも味付け次第では化けたりするもの。おなじく外来魚の代表格ブラックバスを食べたときは、その味に感動しました(笑)
ブルーギルの釣り方

まずは材料の調達へ。近所のリザーバーにブルーギルを釣りに行きます。
常に水が動いている場所や、生活排水の影響のない水質の綺麗な場所で育っているブルーギルが、臭みもなく美味しく食べられるように思います。
またブルーギルが食べているエサも、身の美味しさに影響を及ぼすと思うので、そこまで考慮しておくと良いかもしれません。
(今回訪れたリザーバーでは、プランクトン、エビ、小魚、他の魚の卵などが主なエサだと思われます)
仕掛けは「ウキ」と「小さな針」

仕掛けはとてもシンプル。ウキと小さな針を用意しておけばOK。

エサの代わりに、今回はガルプ(ワーム)の切れ端を使います。
よっちゃんイカや発泡スチロールなど、ブルーギルは目立つものを口に入れる習性があるので、この大きさの物ならなんでも良いように思います。
臭いがキツいものは、より集魚力と食い込みに優れるので、結果よく釣れるのです。

UL(ウルトラライト)クラスのペニョンペニョンのロッドだと、引きも十分に楽しめるのでオススメ。
因みに今回使ったロッドは「鱒レンジャー」。ブルーギルは扁平なのでよく引いて面白いんですよね〜。
▼鱒レンジャーはアジングでも活躍。ライター小林のお気に入りです。

上のセッティングで、ブルーギルのいる場所に仕掛けを投じれば、高確率で釣れます。非常に素直な魚なので、癒やしの釣りとしてもオススメできます。
ブルーギルの下処理

さて、釣れたら今度は下処理です。ブルーギルはブラックバスと同じ外来種。
キチンとルールを守り、釣った現地で〆てから持ち帰るようにします。

臭みを抜くという意味でも、血抜きはしておいた方が良いでしょう。
エラのあたりからナイフを入れると、動脈を切って血を抜くことがてきます。
鱗や内臓などはスムーズに処理

家に持ち帰ったら、早急に鱗や内臓などの処理をします。時間が経つと、内臓などの臭みが身に移る可能性もあるので。

小型の魚なので、包丁よりもキッチンバサミなどを使って処理するのが安全。ここまで処理しておけば、ブルーギルも立派な食材ですね。
ブルーギルのおすすめ料理①:塩焼き

さて、下準備を終えたところで、早速ブルーギルを料理していきたいと思います。
まずは魚本来の身の味をじっくりと味わうために、塩焼きをいただきましょう。
腹開きしたブルーギルに軽く塩を振って……

グリルで焼くだけ。「皮や内臓付近の脂に臭みがあるのか?」そのあたりもキチンと確かめてみたいので、限りなくそのままの姿で。

しっかりと焦げ目がついたら完成。うん、見た目は悪くないですね。こうして見るとピラニアっぽいような気が?笑

少しは臭みがあるのかなと思ってましたが、食べてみてビックリ。美味しい。
海の魚よりも、多少塩をキツめに振っておいたのも功を奏したと思われます。塩がほど良く水分を飛ばしてくれ、身の旨味をしっかりと感じれられます。
ブラックバスも塩焼きで食べたことはありますが、ブルーギルの方が美味しいですね。皮にも内臓付近にも目立つ臭みはありません。
塩焼きの作り方
- 1.下処理したブルーギルを腹開きにする。
- 2.塩を多めに振って、グリルでこんがりと焼いたら完成。
ブルーギルのおすすめ料理②:素揚げ

塩焼きがあまりにも美味しかったのでビックリ。
しかし、正直身が少ないのと、骨が多いという残念ポイントも否めません。そこで、次はそのまま油で素揚げにします。

しっかりと揚げて、骨まで食べ尽くしてみようという目論見。

完成。黄金色の完全なる素揚げです。アジアの屋台で出会えそうな、エスニックな風貌。

味付けはなし。塩も振らずに食べてみました。これがまた香ばしくて、おいしいのなんのって。
ブルーギルは身自体に旨味があるようで、塩を振らなくても十分なほど味がします。
しっかり油で揚げたつもりでしたが、予想以上に骨が太く、バリバリと骨ごとは食べられませんでした。改善の余地あり?
素揚げの作り方
- 1.下処理したブルーギルを180℃以上の油でカラッと揚げます。
- 2.
お皿に盛り付けて完成。そのままバリバリといっちゃいましょう。
ブルーギルのおすすめ料理③:唐揚げ

お次は唐揚げ。ブルーギルは食べる所が少ないため、姿のまま油で揚げてしまうのが正解かなと。
「素揚げ」との違いは片栗粉。衣をつけることでどのように変化するのか楽しみ。

180℃以上の油でしっかり。カリッと揚げて完成です。唐揚げは、塩を軽くふっていただきます。

お♪ やっぱりブルーギルは身に旨味を感じることができます。
素揚げよりも火が通ったのか、はたまた片栗粉の恩恵か、今度は骨ごとバリバリといただけました。
唐揚げの作り方
- 1.下処理したブルーギルに片栗粉をまぶす。
- 2.180℃以上の油でしっかりと揚げます。
- 3.塩を振って完成。骨までおいしいので、そのまま食べましょう。
ブルーギルのおすすめ料理④:チリソースがけ

先ほど唐揚げにしたブルーギルを、チリソースと和えてみます。
家にたまたまあった材料を使い、思いつきで作ってみることにしました。
みじん切りした玉ねぎを炒め、市販のチリソースを入れて、炒めるだけ。とっても簡単です。

できました。チリソース特有の辛い香りが食欲をそそります。
こうして見ると、アジアというより南米系料理でしょうか。より一層、ピラニア感が強くなりました。

ん〜!!! コレ、めちゃめちゃ美味いっす。
ソースを作ってひと手間加えることで、更に美味しさが増しました。淡白な身質であるからか、本当にいろいろな料理に合います。
チリソースがけの作り方
- 1.ブルーギルの唐揚げを作ります。
- 2.玉ねぎのみじん切りを炒める。唐揚げを入れたら、市販のチリソースを加え炒めます。
- 3.程よく和えたら完成。
ブルーギルのおすすめ料理⑤:ブルサンド(サンドイッチ)

最後はレジャーにもぴったり。ブルーギルのサンドイッチをこしらえます。
三枚に下ろすとほとんど身がなくなってしまいますが、デカいブルーギルが釣れた際には頑張っておろしてみましょう。

フライ用にするとこんな感じです。
20cm近いブルーギルから取れる身はこれだけ。頭や骨がとにかく太いため仕方がありませんね。

ブルーギルのフライは「フィッシュアンドチップス」風に。小林家の自家菜園レタスに、マヨネーズ、ピクルスをのせたら完成です。

これもいいですね〜。トーストにもよく合うこと。もっとも“外来魚らしい”食べ方ではないでしょうか?
食べられる部分は圧倒的に少なくなってしまいますが、こうして三枚におろして食べると、身の味をダイレクトに感じることができる。
ほかの調理法とは、また違った印象を受けます。ブルーギルはとってもいい食材なんですね。
サンドイッチの作り方
- 1.ブルーギルを三枚におろして、骨のない身を用意します。
- 2.水で溶いた小麦粉をまぶして180℃の油で揚げます。
- 3.トーストにレタスと一緒に挟む。お好みでマヨネーズ、胡椒、ピクルスを加えて完成。
レパートリーは限られるがブルーギルは美味しい魚

ということで今回はブルーギルを釣って食べてみました。
想像していたよりも臭みがなく、さっぱりとして美味しかったのが率直な印象。ブラックバスよりも、断然美味しいなと感じました。
食べる部分が少ない分、料理には多少の手間と工夫をかけてあげる必要があります。しかし、それでも十分に食べてみる価値はありますよ。
何よりこのブルーギル、釣っていて楽しい。バス釣りに出かけても、なかなかアタリがなくて集中力が続かない……そんな時の気休めにちょっとギル釣りを楽しむなんていうのもアリじゃないでしょうか?
ライタープロフィール
小林大介
愛知県出身徳島県在住。映像クリエイター、フォトグラファーとして地方の限界集落で活動中。山の猟師でもあり、デジタルとアナログの両極端な生活を楽しんでいます。
海、川、ルアー、エサ釣りと限らず、楽しく美味しい釣りはなんでもトライするのが信条です。