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ハートランド 702UL+FS-ST23

ハートランド702UL+FS-ST23をインプレ。たどり着いた究極の1本

ひょっとしたら、もうこれ以上の竿に出会うことはないかもしれない。

ここまで思える竿は、20年以上の釣り人生で初めて。

最高だけど、最高なんて言葉じゃ物足りない。

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目次

ついに辿り着いた。究極の1本に。

どうも、編集長しみけんです。

あれは2023年のフィッシングショー大阪での出来事。ダイワブースで1本のロッドを手にした時、「これは……!!」と衝撃が走りました。

仕事柄、今までジャンルを問わず大量の釣り具に触れて来ましたが、その感動たるや間違いなく過去イチ

かくして、7年ぶりにライトゲームロッドを新調することになりました。

しみけん

それから丸2年ほど使い込みましたので、その魅力をお伝えします!

ハートランド702UL+FS-ST23

そのロッドというのが、ハートランド 702UL+FS-ST23。

じつはこのロッド、ライトゲームロッドではなくバスロッドなんです

「なにをバスロッドを流用してイキってんねん!」「ハートランドを使いたいだけやろ!」

なんてツッコミも聞こえてきそうですが、イキリたい気持ちも、ハートランドへの熱い気持ちもございません。(ハートランドはこの竿が初めてです)

しみけん

ただただ、ライトゲームにおける実釣性能に惹かれただけなんです。

    ダイワ ハートランド 702UL+FS-ST23

    全長(ft)7
    継数(本)2
    ジョイント仕様センターカット
    仕舞寸法(cm)110
    標準自重(g)80
    先径/元径(mm)0.7/7.4
    適合ルアー重量(g)0.6~5
    適合ライン ナイロン(lb.)1.5~4
    適合ライン PE(号)0.15~0.6
    カーボン含有率(%)98

    ハートランドのスペック

    まずはこの竿がどんな竿なのか、スペックをベースに紹介していきます。

    ブランクは先径0.7mm/元径7.4mmとあって、非常に細身です。

    ちなみに、月下美人EX AGS 74ULは先径0.7mm/元径8.3mm。(長さも違うので一概に径だけで語れませんが)

    「これがハートランド」という前情報がなければ、おそらく手に取った人の99%はライトゲームロッドだと思うでしょう。

    ブランクにはHVF NANOPLUS、X45フルシールドといったテクノロジーが導入されています。

    穂先はカーボンソリッド。ダイワが誇るメガトップというやつです。

    先径0.7mmのソリッドは、ライトゲームロッドの中でもかなり細めな部類。いわゆる“軽量ジグ単用”と呼ばれるロッドがだいたい0.7mm、超細いやつで0.6mmです。

    ソリッドティップの長さは約37.5cmと長めで、5番ガイドの位置で継がれています。

    センターカット2ピースなので持ち運びや収納も楽チン。V-JOINT仕様の並継ぎです。

    「並継ぎって安い竿のやつやん」「高い竿は印籠継ぎでしょ」

    って声もあるかもしれませんが、“高精度”という前提なら、並継ぎは非常に優秀だとご存じでしょうか?

    ただし、これが技術的に難しいそうで、おもに導入されているのは高価な投げ竿やへら竿ぐらいです。

    マスキングテープまでが込み部分(上:ハートランド 下:6ft9inの印籠継ぎ)

    そして、初めて継いだ時に驚くのが“込みの深さ”。測ってみると、なんと約6cmもありました!

    印籠継ぎのライトゲームロッドだと4〜5cmぐらいが多いので、より広い面積で#1と#2が接しっているわけですね。

    それによって1ピースに近いナチュラルなカーブを実現しているのでしょう。

    ガイドはチタンフレームのSiC。トップ+12個のガイドで構成されています。

    #1側がKTガイド9個、#2側がKLガイド3個と、#2にガイドが3個も付いているのはかなり珍しいですね。(オールシングルフットです)

    バスロッドとあってか元(12番)ガイドはやや大きいものの、11番ガイドで一気に絞られ、穂先周辺(1〜6番ガイド)はライトゲームロッドの相場よりワンサイズ小さいガイドが並べられています。

    リールシートはエアセンサーシートで、ダウンロックです。

    もちろんシマノのリールも装着可能

    しみけん

    「筆者がバスロッドを流用している」というよりも、「ライトゲームロッドがバスロッドとして売られている」という方が正しいような……。

    まぁカテゴリーなんてどーでもいいんですよ。釣り竿は釣り竿です(笑)

    何故、最高のライトゲームロッドなのか?

    ライトゲームに特化したロッドが数多ある中、なぜこのハートランドを使うのか?

    その理由はシンプル。この702UL+FS-ST23が筆者にとって理想的なライトゲームロッドだったから

    正直、ライトゲームロッドとしてなら99点を付けたいほど気に入っています。

    しみけん

    ここからはその理由をご紹介しましょう!

    なお、バス釣りには使っていないので悪しからず。

    調子が理想的

    このハートランドが好きな理由を一言で表すなら、「調子」です。

    竿の作り方や構造には詳しくありませんが、このロッドの作りは、肉厚なローテーパーのチューブラーブランクに細いカーボンソリッドを継いだ構造だと思います。

    なので、ルアーを操作するような低負荷状態では、穂先のソリッドだけが曲がる先調子の竿です。

    しかし、大きな負荷が掛かった時には曲がりしろが大きく、肉厚を感じる粘りを見せてくれます。

    しみけん

    「魚が掛かるまでは先調子、掛かってからは胴調子」という理想的な調子です。

    操作感が明確

    極細のカーボンソリッドティップによって、軽量リグの操作感が非常に明確です。

    軽い仕掛けでも穂先に荷重が乗ってくれ、常に穂先が僅かに曲がった状態をキープしてくれるため、リーリングを止めた状態でもルアーの存在を見失いません。

    1gを切るジグヘッドであっても、指の第一関節で摘んでいるような操作感があります。

    また、小口径多点配置のガイドも効いているはず。

    ガイドの中で糸が遊ばず、ブランクに張り付いたような状態をキープするため、穂先の荷重をしっかり手元まで伝えてくれます。また、それゆえに風が吹いても操作感が消えません。

    しみけん

    ライトゲームでもっとも大切なのが、仕掛けが常にアンダーコントロールであることだと考えています。

    仕掛けを操ることが最優先。その他の事柄は、その後です。

    PEラインとの相性が良い

    荷重変化に敏感であるということは、PEラインとの相性が良いということです。

    そもそもPEラインには浮力があり、海中での軌道も一直線になりづらいため、軽量リグの操作感が薄くなるという弱点があります。

    わかりやすく例えると、1gのジグヘッドを操作していても、PEラインは0.7gぐらいの操作感しか伝わりません。

    こんなPEの難点を補ってくれるのが、このロッドの荷重を捉える能力

    つまり、PEラインのネガティブを消し、ポジティブだけを引き出した釣りができるわけです。

    しみけん

    ちなみに、ラインはPE一択です。

    PEの浮力を使ってゆっくり落としたり、根掛かりをかわしたりしたいので、高比重PEはほぼ使いません。

    明確な操作感≒高い感度

    感度については、仕掛けの操作感とニアリーイコールの関係にあると筆者は考えています。

    というのも、仕掛けの操作感が明確であれば、そこに現れる変化は「すべて外的要因」だと判断できるわけです。

    このロッドは軽い仕掛けでも穂先に荷重が乗るので、プラステンションのアタリも、マイナステンションのアタリも、どちらも綺麗に表現してくれます

    荷重に対する感度と反響感度(手元に響く感度)はトレードオフともいわれたりしますが、反響感度も十分。

    しみけん

    魚のアタリが伝わるのはもちろん、フォール中のジグヘッドもしくはラインのタッチで、底や障害物の質ぐらいはしっかりわかりますよ。

    ちなみに、アジングにもメバリングにも使っています

    軽い仕掛けをコントロールできればアジもメバルも釣れるので、別に不思議なことじゃありませんよね。

    正直、掛かってくる魚がアジかメバルか、だけの違いです。大切なのは、仕掛けを操作できること

    アジであろうがメバルであろうが、仕掛けをコントロールできていれば喰わせられますしアタリも取れます。

    しみけん

    どっちかしかできない竿もありますが、これは両方できる竿です。

    曲がって粘る

    仕掛けを操作するときは第一関節で摘むぐらいの先調子感ですが、魚がヒットすると肉厚なブランクが粘りながら深く曲がりこみます。

    曲がる竿のメリットは、竿がショックアブソーバーの役割を果たすから、細い糸でもドラグを締められること

    首を振られても竿が追従するので針が外れにくく、50cmぐらいのチヌもサッサと取り込めました。

    しみけん

    硬い竿で大きい魚を釣るとなると、ドラグでショックを逃すか、糸を太くしないといけません。

    で、糸を太くすると軽量リグの操作性が著しく悪くなるんですよね。

    もうひとつ、曲がる竿で大きな魚を釣るコツは、リールをしっかり巻いて深く曲がった状態をキープすること

    曲がりしろを残してやり取りしていると、魚に助走させる間を与えてしまいます。

    竿をリールシートの上まで曲げて、ドラグを締めて、リールをしっかり巻けば、尺メバル程度なら難なくワカメ林の中から引きずり出せますよ。(糸が細くても)

    しみけん

    「曲がるロッドは大きい魚を獲れない」っていう人もいますが、そんなことはありません。

    獲れない原因は、ドラグが緩いか、曲げ込みが甘いか、だいたいどちらかです。

    長い有効レングス

    「短いロッドは操作性が良い」というのは、半分正解で半分間違いだと思います。

    例えば、足場が高い釣り場を想像してください。こんな場所で短い竿を使うと、めちゃくちゃ操作しづらいですよ。

    次は風が強い時。長い竿なら海面近くまで竿先を落とし、風の影響を最小限にできますが、短い竿は糸が風を受け放題。仕掛けの操作が困難になります。

    そのため、幅広い状況をカバーするには「7ftは必要」というのが筆者の見解です。

    この竿の長さは7ftですが、グリップが非常に短かく作られていることも大きな特徴。

    そのため、有効レングスは7ft3inクラスのロッドに匹敵する長さです。

    高めの堤防やテトラ帯、ちょっとした磯場、石積みなど、その有効レングスの長さを活かして1本でカバーできます。

    しみけん

    もちろん短い竿にも良さがあります。

    しかし、短いと“できない”ことが増え、汎用性という観点ではイマイチです。

    あるはずの致命的な弱点が……

    ご察しの通り、筆者は長くてしなやかな竿が好みです。

    それゆえに、この手の竿は今までたくさん触れてきたので、もちろん弱点も知っています。

    ずばり、軟調長尺のネックは、竿がバタつくことです。

    キャスト後のブレの収束が遅くて飛ばなかったり、竿でアクションさせた時にダルさを感じるものも多かったのですが、「トレードオフだから仕方ない」と割り切って(諦めて)いました。

    ですが、この映像を見てください!

    キャスト後のリバウンドを収めるのが早いんです

    軟調長尺なうえにガイドも多いので、普通はもっとポヨンポヨンするはずですが、この収まりの早さには驚かされました。

    おかげで、キャスト後にブランクとラインの干渉が少なく、軽いルアーでもラインの抜けが抜群。

    ジグヘッドやプラグに竿でアクションを加えた時にも、ダルさを感じさせず、シャープさと粘りを両立させているのが素晴らしいですね。

    しみけん

    素材が良いのか、設計が良いのか知りませんが、よくできています。

    総合点が高く、万能

    この竿の良さを簡単に表すなら、総合点の高さでしょう。

    軽いルアーの操作性に長けた竿はたくさんあります。感度が良い竿も山ほどあるでしょう。粘り強い竿も、長い竿も……同じく。

    しかし、これらがひとまとまりになっていて、しかもそれぞれが非常に高いレベルとなると、まぁなかなかないでしょう。

    軽い仕掛けをコントロールできて、大きい魚も獲りやすく、釣り場も選ばない。

    さらに、シグヘッドもプラグも、巻く釣りも落とす釣りも流す釣りも、非常に高いレベルでこなせます。

    しみけん

    〜3gのジグヘッド、メバリング系プラグ全般はこの1本でOK。

    控えめに言って、最高です。

    余談

    最高とは言ったものの、使っているといろいろ思うことも出てきます。

    最後に、その思いをダラダラと書き、釣竿のさらなる進化を祈ることにしましょう。

    ハイエンドシリーズになったら……

    ハートランドというシリーズは現在、スタンダードモデルとハイエンドモデル(AGS)の2グレードに分かれており、702UL+FS-ST23はスタンダードモデルの中の1本です。

    性能には大満足ですが、ハイエンドモデルが存在する以上、「もし702UL+FS-ST23がハイエンドモデルで展開されたらどんな竿になるのか?」なんて考えます。

    しかし、より高級な素材や製法を使ったら、より良い(好きな)竿になる……とは限らないのが竿のおもしろいところ

    仮にハイエンドから同番手が出たとしても、使ってみたら「スタンダードの方がえぇやん」となる可能性は十二分にあります。

      ダイワ ハートランド 6112ULRFS-SV AGS24

      全長(ft)6'11"
      継数(本)2
      ジョイント仕様センターカット
      仕舞寸法(cm)109
      標準自重(g)58
      先径/元径(mm)1.0/7.8
      適合ルアー重量(g)0.45~3.5
      適合ライン ナイロン(lb.)1.5~3
      適合ライン PE(号)0.15~0.4
      カーボン含有率(%)98

      ちなみに、ハイエンドシリーズにはスペック的に近い6112ULRFS-SV AGS24というモデルが展開されています。

      これも触ってみましたが、“海のライトゲームで使う”という前提なら、筆者は圧倒的に702UL+FS-ST23の方が好みでした。

      しみけん

      釣竿は良いか悪いかじゃない。自分に合うか合わないかだ!

      後ろを伸ばした83がほしい  

      「有効レングスが長い」と言いましたが、もっと長いレングスが欲しい状況があります。

      それは、干潮もしくは強風時のテトラ帯や石積み

      潮が干いていると、海面に近いところが濡れた状態になるため、自ずと釣り座が海面から離れます。

      また、強風時は風波が足場を洗うため、同じく釣り座が海面から遠くなります。

      つまり、満潮時や無風時のように海面へと近づけないため、その距離を竿の長さで補いたいわけです。

      ただし、釣座が下がるからといって、使う仕掛けが変わるわけではありません。なので竿の先側は同じじゃないと困るわけです。

      という理由で、この竿のバット側を伸ばして8ft3inぐらいにしたものが欲しいな〜と思っております。

      しみけん

      長くて柔らかい竿って、ほんとに市販品ではありません。

      大半の竿は硬さと長さが比例していて、長い竿はフロート用とかだけなんですよね。

      下手な人(自分も含めて)にこそ薦めたい。

      一般的な視点から見ると、変わった竿(そもそもライトゲームロッドじゃないし)に思えるかもしれませんが、その実は釣りが簡単になる、楽にしてくれる釣竿です。

      個人的には、こんな竿でライトゲームを始めるのが、一番つまずきにくいかなと思います。

      高価ではありますが、初心者の人、下手な人にこそオススメしたい1本です。

      撮影:TSURI HACK編集部

        ダイワ ハートランド 702UL+FS-ST23

        全長(ft)7
        継数(本)2
        ジョイント仕様センターカット
        仕舞寸法(cm)110
        標準自重(g)80
        先径/元径(mm)0.7/7.4
        適合ルアー重量(g)0.6~5
        適合ライン ナイロン(lb.)1.5~4
        適合ライン PE(号)0.15~0.6
        カーボン含有率(%)98

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