【東京湾】陸っぱりの“ボトムチニング”が面白い
東京湾奥でのチニングのベーシックといえば、バイブレーションプラグを使った釣り方ですが……。
じつはワームを使った「ボトムチニング」でも、コツさえ掴めば「驚くほど多くの場所で楽しめ、とにかく釣れる」のです!
今回はそんな東京湾での“ボトムチニング”攻略のポイントをご紹介していきます。
チニングで狙う魚は2種類
チニングで狙う魚は、クロダイとキビレの2種類となります。
見た目はそっくりですが性格はまったく異なる魚。まずはそれぞれの性質をご紹介します。
クロダイ
クロダイはチニングをやるようなポイントですと、比較的浅いところにいる事が多く泳いでいる姿を目撃することも多々あります。
ただ浅いところにいるためか、非常に警戒心が強くルアーで食わせるとなるとなかなか難しいです。
その難しさも含め、魚との駆け引きが非常に面白いのが、クロダイになります。
キビレ
キビレは、クロダイに比べると少し沖にいることが多い魚です。
少し沖の一段深いところで、エサを求めて回遊している事が多いです。そのため回遊に当たれば、連発することも珍しくありません。
ルアーへの反応も非常に良いのでチニングでは、どちらかという“キビレ”をメインとして狙って行く釣りになります。
ワームの“ズル引きスタイル”がおすすめ!
クロダイ、キビレをルアーで狙う場合大きく3種類あります。
「トップウォーター」「バイブレーション」「ワームのズル引き」の3種類です。
季節や地域によって、この3種のいずれかで狙っていくのが王道の釣り方ですが、ここでは1番わかりやすく入門しやすいワームのズル引きに絞ってご紹介したいと思います。
まずは“フリーリグ”を使ってみましょう!
ワームでのチニングといえば、専用のラバージクやジグヘッドなど様々なリグがあります。
その中でも1番のおすすめはフリーリグです
理由は「アクション」と「フッキング率」
フリーリグというのはボトム付近でワームをフワフワと動かしやすく、ナチュラルに誘う事が可能です。
さらには他の魚と違い、クロダイ、キビレは小さめの口で噛み付くようにバイトします。
シンカーが誘導式であるフリーリグは、高いフッキング率を誇ります。そのため、チニングのワームズル引きは、フリーリグではじめてみるのがオススメですよ。
こんな場所が近くにあればチニングが成立するかも
東京湾エリアは、クロダイ、キビレの魚影は非常に濃い地域です。
少し過剰な表現ですが、“ちょっとした条件が揃っていれば”まったくいない場所を探す方が、困難と言っていいほど“どこにでもいる”と思います!
そのため、正直どこでも釣れる可能性があるので、通い慣れた馴染みのポイントで以下のようなポイントを探してみてください。
キーワードは河川絡みのシャローエリア
河川というのは、大河川から街中のドブ川のような小河川までどこでも大丈夫です。
そのような河川の河口付近にある、水深が2mほどまでの「シャローエリア」というのが、チニングが成立しやすいポイントと言えます。
流れがあること
チニングのメインターゲットになるキビレは「回遊性が強く」「流れの効くシャローエリア」を好みます。
ポイント選びの際は、「シャローエリア」+「流れの有無」を意識してみてください。
そしてそのような河川絡みのシャローエリアには、クロダイも多く生息しています。そのためどちらも狙う事ができるというわけですね。
手持ちのタックルで始めましょう!
向き不向きはあるものの、ほとんどのルアータックルを流用して釣りを楽しむことができます。
後述しますが、今回ご紹介するフリーリグというのは、オモリを自由自在に変えていけるので、タックルに関してはかなり幅広く対応できるでしょう。
ロッド
ロッドに関しては、「メバルロッド」「バスロッド」「エギングロッド」「シーバスロッド」など、ほとんどのルアーロッドを流用できます。
もちろん、チニング専用のロッドが最もこの釣りに向いているのは間違いないのですが、初めはお持ちのタックルを流用していただいても大丈夫です。
メバルロッドの場合は7〜8ft、チューブラーティップなどで少し張りのあるロッドが向いています。
バスロッドの場合はUL〜Lクラスであれば問題なく流用できます。
エギング、シーバスロッドは8〜9ft程の短めモデル。かつ、ルアーウェイトも30gほどまでの柔らかめであれば、流用する事ができますよ。
リール
使用するリールは、ロッドに合わせて2000〜C3000番クラスで組み合わせます。
リールに関しては、ラインスラッグの回収が早く魚とのやり取り時にも早く巻けるハイギアタイプがオススメです。
ライン
メインラインは、ボトムでの感度重視でPEラインの0.4〜0.8号を使用します。
組み合わせるリーダーは、根ズレに強いフロロカーボンの8〜12lbを結束していただければ、ベストなセッティングとなります。
ベイトタックルが扱いやすい
ボトムを感知して、ワームを的確に操作してくるズル引きチニング。
操作感がよりダイレクトになり、手返しや操作性に優れたベイトタックルが非常にオススメです。
ベイトタックルから選択するのであれば、軽量ルアー、細ラインが扱いやすいベイトフィネスタックルを選びましょう。
ラインやロッドのセッティングはスピニングと同様の選び方で構いません。
ルアー選びが重要なポイント
フリーリグを構成するパーツは大きく分けると、シンカー、フック、ワームの3つパーツとなります。
この3つをバランス良く組み合わせることで、クロダイをしっかりとキャッチできます。
ルアー選びには細かなポイントがあるので、1つずつ解説しますね。
シンカー選び
シンカーの形状
フリーリグで使用するシンカーは、専用のラインアイが上についているシンカーになります。
形状は、棒型と丸型の2種類。筆者は、双方をシチュエーションによって使い分けています。
それぞれの具体的な方法としては、カキ瀬やゴロタ石などの障害物の多いポイントでは引っ掛かりにくい棒型シンカー。砂地で引っ掛かるところがないポイントでは引き抵抗がしっかりとある丸型シンカーといったイメージです。
釣りをするポイントのボトムマテリアルで、両者を使い分けていくのがオススメです。
シンカーの重さ
シンカーの重さに関しては、ロッドの硬さに合わせてボトムから浮いてこないギリギリの重さを使用します。
具体的にはメバル、バスロッドなど柔らかめのロッドを使用する場合は軽めの3〜7gほど、エギング、シーバスロッドなどの硬めのロッドを使用する場合は重めの7〜14gほどの範囲。
ポイントの水深や流れの早さを考慮して、ボトムから浮いてこないギリギリの重さをチョイスしてください。
フック選び
サイズと刺さりやすさ
フックはボトムの障害物に引っ掛からないよう、オフセットフックを使用します。
後術しますが、使用するワームのサイズが3inch前後となります。そのため使用するオフセットフックのサイズは「 #2〜#1」がちょうどいいサイズ。ワームに合わせて使い分けましょう。
クロダイはブラックバスやロックフィッシュなどの吸い込みバイトではなく、噛み付くだけのバイトです。
そのため筆者は刺さりやすさを非常に重視しています。一瞬のコンタクトでも、しっかりと刺さりやすい「フッ素コート系のフック」を選んでみてください。
フックの太さ
さらにフックの太さは、上記のシンカーと同じようにロッドの柔らかさに合わせてチョイスしてみてください。
メバル、バスロッドなど柔らかめのロッドを使用する場合は、細軸のライトリグ用オフセットフック。
エギング、シーバスロッドなどの硬めのロッドを使用する場合は、太軸のベイトタックル対応など表記がされているオフセットフック。
ロッドの硬さに合わせて、フックの太さをチョイスしてください。
ワーム選び
フリーリグで使用するワームは3インチ前後のクロー、ホッグ系のワームとなります。
ワーム選びのコツとしては2つほど重要なポイントがあります。
柔らかさと繊細なボディーパーツ
1つ目は素材が柔らかく、繊細に動くパーツで構成されていること。
クロダイが少し噛んだだけでも、フックポイントが飛び出る“柔らかいボディ”。
ズル引きアクションでも、止まることなく動き続けるような“薄くて柔らかいツメやヒゲ”。
フックポイントにパーツが集中している
2つ目はツメやヒゲなどのアクションパーツが、ワームの顔付近(フックポイント付近)に密集していること。
クロダイは丸呑みバイトではなく、噛み付きバイトだというのは何度もお話ししましたね。
クロダイたちがワームのどの部分を狙って噛み付いてくるかというと、ほとんどがツメやヒゲなどのアクションパーツの部分を狙って噛み付いてきます。
そのため、ツメやヒゲなどのアクションパーツがフックポイントに集中していると、フッキング率が高くなります。
濃いめと薄めの2つを揃えましょう
ワームのカラーに関しては、基本的にはグリパンやスカッパノンなど、シルエットが出やすい濃いめの色をメインに使います。
水色が澄んでいる時などにシナモンやシュリンプ系などといった、透過性のある薄めの色が効く時もあります。
釣り方はボトムをズル引くだけでOK!
投げて落として、ズル引くだけ!
まず、クロダイのいそうなところにキャストします。しっかりとボトムを取って、そのままボトムをズル引きしてくるだけです。
また、私が普段やっているズル引きのアクションは、ポイントのボトムマテリアルに合わせて大きく2種類になります。
ただ巻きのズル引きアクション
ポイントが砂地で引っ掛かるものがない場合はボトムから浮いてこない速度でのただ巻きです。
このただ巻きの時、ロッドアクションは一切入れずに一定の速度で巻き続けるだけになります。
シェイクを混ぜたズル引きアクション
もう一つが、ポイントのボトムに岩などの引っ掛かるものがあるシチュエーション。
ただ巻きだと根がかりしそうな場所では、ずっと一定のリズムで小刻みなシェイクをしながらのズル引きするのがポイントです。
このシェイクアクション時のリールは一定速度でひたすらラインスラッグを回収し続けるようにします。
不規則なアクションには要注意
クロダイたちは途中で不規則なアクションが入ると、見切ってしまう傾向があるように思えます。
ボトムで常に一定のアクションというのを意識して動かしてみてください。
フッキングのコツ
アタリは明確にガツガツと噛み付いているのが伝わってきます。
しかし使用しているフックがオフセットフックなので早合わせは禁物!
しっかりと持って行くまで待ってからアワセ切れを起こさないように、スイープ気味にしっかりと合わせを入れましょう。
一度掛かってしまえば、ドラグを使って鋭く突っ込むクロダイの引きを楽しみながら、ゆっくりランディングすれば大丈夫です。
はじめは高活性なハイシーズンに狙おう!
釣りやすいのは、春の乗っ込みシーズン。
東京湾のチニングのシーズンはざっくりですが3月〜11月となります。 その中でも乗っ込みと言われる4月〜6月くらいが最も釣りやすいシーズンと言えます。
暖かくなりまだあまりルアーにスレていないクロダイ、キビレたちがシャローエリアに差してくる春シーズンが最も始めやすいタイミングですね。
「明確なオフシーズンはない」これが面白さの一つ
しかしながら、クロダイ、キビレは真冬を除けば基本的にいつでも沿岸部に居ます!
いつでも挑戦してみる価値はあると思いますよ。
釣れるタイミングや時合い
チニングでも他の釣りと同様に、マズメ時や潮変わりのタイミングなど何かしらの変化がある時の方が釣れやすいです。
そのため、マズメを狙ってポイントにエントリーする事をオススメします。
ただし場所によっては昼ごろに潮位があうと……時合い突入!なんてこともあるかもしれませんよ。
じつは“サイトチニング”も面白い!
チニングをやっているとキビレはなかなか目視できないと思いますが、クロダイに関してはかなりの頻度で目撃するでしょう。
もちろんクロダイに関しても『見える魚は釣れない』の法則にキッチリ当てはまり、なかなかルアーを食わせるのは難しいですが……。
できないことはありません!
サイトフィッシングでクロダイを釣る時のオススメのアプローチ方法を1つだけご紹介します。
待ち伏せメソッド
ブラックバスのサイトフィッシングではお馴染みのやり方。
ウロウロしているクロダイを確認したら、そのクロダイがこの後通るであろう場所に、あらかじめルアーをセット。
クロダイの視界に入った瞬間にルアーを見つけさせて、食わせるというやり方です。
岩が点在している場所
いきなり頭上から降ってくるルアーには、警戒する事が多い“見えクロダイ”ですが、いきなり目の前にルアーが現れる現象にはしっかりと反応してくれる事が多いです。
岩がゴロゴロと転がっているリップラップエリアでは、とくにオススメのやり方。岩の隙間にルアーを隠しておけるので自然にルアーを見つけさせることができます。
岩の隙間にいたカニなどが、クロダイにビックリして逃げるようすをイメージして……。クロダイが近くに来たら、岩の隙間から「ピョコン」っと飛び出させてあげてください。
いきなりスイッチが入って追いかけてくる事が多く、そのままリアクション気味にバイトしてきます。
見えクロダイがいたら是非とも実践してみてください。
東京湾奥エリアで“ボトムチニング”始めませんか?
今回は東京湾エリアでのワームズル引きチニングについてご紹介しました。
身近なフィールドにもたくさんいて、様々なタックルで楽しめるのがワームズル引きの「ボトムチニング」です。
ここ数年で流行り出したチニングですが、まだまだハードルが高いなと思っている方も多いはず。
本記事を参考に、ぜひ楽しんでみてください。