チヌトップとは
チニングというとボトムを釣ることが一般的ですが、季節を選べばトップウォータープラグでも釣ることができます。
醍醐味はやはり、水面を割ってルアーを襲う瞬間です。
トップウォータープラグですから、ルアーを操作するだけでも楽しく、バイトの瞬間は大興奮!
釣ったときの喜びもひとしおだと思います。そんなエキサイティングなチヌトップの「基本」を解説します!
チヌトップのシーズン
地域によって時期がズレるかもしれませんが、私のホームエリアである関西圏では、5月後半・6月頃からシーズンインになります。
最盛期は7月・8月で、秋の深まりが感じられるようになると徐々に釣るのが難しくなってくるといったかんじです。
場所によっては、夏の暑い時期に足を水につけて手軽に楽しめるのも魅力です。
チヌトップができるフィールド
トップウォータープラグでチヌ・キビレを釣るためにもっとも重要なことが、フィールドの選択です。トップウォータープラグで食わせやすいエリアを探さないといけません。
それがどんなエリアかというと、ズバリ、シャローエリアです!
例えば、遠浅の海岸沿いや浅い河川などがトップウォータープラグで釣りやすいシチュエーションと言えます。
チヌ・キビレは警戒心が強いイメージがあり、もちろんそれは事実なのですが、実はかなり浅いところにもたくさん生息しています。
膝くらいの水深のところでも悠々と泳いでいることが多々あり、まさにそのような浅いエリアがトップウォーターで釣る上で最大のキーとなります。
遊泳層から水面が近いと、チヌ・キビレがルアーを見つけやすくて食いやすいのでしょう。
チヌトップが釣れにくい状況
次に、チヌトップで釣りづらい状況を解説します。
これはブラックバスをトップウォータープラグで釣るときと同じなので、チヌトップと言うよりかは、トップウォータープラグ全般の弱点といえるでしょう。
強風
風が強く吹いて水面がザブザブのときは、ルアーの存在感がかき消されてしまって釣りづらくなります。
多少の風で水面を揺らす程度なら問題ありませんが、うねりっぽく波立つほど強く風が吹きつけるとかなり厳しくなります。
天気予報などで必ず風予報はチェックしてください。
濁り
濁りもルアーの存在感を消してしまうので、釣るには難しい状況です。
ささ濁り程度なら大丈夫ですが、まとまった雨後のどちゃ濁りのような場合は極めて難しくなります。
できればクリアな水質が望ましく、多少の濁りがある場合はラトル入りのルアーを使用すると良いですよ!
チヌトップのタックル
さて、ここからはタックルの解説ですが……
正直、トップウォータープラグを投げられて、アクションができるタックルならなんでもOKです(笑)
参考までに、筆者のタックルセッティングをご紹介します!
ロッド
私が多用しているのが、ボートシーバスロッド(ジャクソンのジェスター)です。スピニングが6ft10in、ベイトが6ft6inと、いずれも7ft未満のものを好んで使っています。
なぜ7ft未満の長さかというと、アクションをつけやすいからです。あまりに長いロッドだと、ルアーにアクションをつける際に疲れやすくなります。
他にも、8ft半ばまでのシーバスロッドやエギングロッド、バスロッドなどが流用可能です。
とりわけて専用のロッドなどは必要なく、トップウォータープラグにアクションをつけやすいものをチョイスしてください。
リール
スピニングリールならば2500〜3000番程度、ベイトリールならば海水対応の小型のもの(バス釣りで使うサイズ)を選びましょう。
シマノ ストラディック C3000HG
自重:225g
最大ドラグ力:9kg
巻取り長さ:89cm
PE糸巻量(号-m):1-400/1.5-270/2-200
ライン
スピニングリールにはPE0.8〜1号を、ベイトリールにはPE1〜2号を巻いてください。
ショックリーダーに関しては、バイトを乗せにくいことが多いため、伸びのあるナイロンラインがおすすめ。太さは14〜20lb程度、長さは1ヒロほどとれば十分です。
チヌトップのルアーセレクト
チヌトップで使うトップウォータープラグは主に、ペンシルベイトとポッパーの2種類です。
それぞれの特徴と使いどころを解説します。
ペンシルベイト
大きさは10cm前後を目安にして選んでください。
素早くアクションさせるというより、綺麗にドッグウォークするようにアクションをつけ、たまにポーズをいれます。
ペンシルベイトの良いところは、ドックウォークさせることで広範囲にアピールできる点です。
ポッパー
大きさは7cm前後を目安にして選んでください。
ポコポコポコと2〜3回アクションを入れ、2〜3秒ほどポーズを入れて使います。ポーズ中に食ってくることも多いのでチャンスです。
ポッパーはアクションをつけた際、カップ形状の口が水を押して水しぶきを上げ、スプラッシュ音や空気を孕んだポコンという音で誘います。
ペンシルベイトに比べてアクション毎の移動距離が短いので、少ない距離でより多く誘えることが特徴です。
使いわけのポイント
- ・ペンシルベイト:広範囲に誘える。やや風がある時でもアピールできる。
- ・ポッパー:少ない移動距離で誘える。ペンシルを追いきれない魚に有効。
釣るためのコツ
チヌ・キビレは果敢に水面を割って食ってきますが、非常に掛かりにくいのが特徴です。
魚が食ってきたからといって早アワセは禁物で、しっかりと竿に魚の重みが乗ってからフッキングするのがコツ。
さらに、ルアーの引き波に食ってくることもよくあり、バイトしたのにまったく魚の重みが乗らないなんてことがよくあります。
そんなときは焦らず、ルアーのアクションスピードを少し遅くして動かし続けてみましょう。もしくは、チョン・チョンとワンアクション毎に間を設け、ルアーをしっかり止めながら誘うのも有効です。
1度食ってきて乗らなくても、上記のようなアクションをし続けることで追いかけてきて、何度も何度も食ってくることがよくあります。
いずれにせよ、掛からなかったからといってルアーをすぐ回収するのはNGです。
チヌはこんなルアーでも釣れる!
何を隠そう、わたくしは大の洋物ルアー好きで、アメリカンルアーでもめっちゃ釣っています!
ヘドンのザラスプークやボーマーのバドンカドンク、ラパラのスキッターウォークなど、おそらく見たことないルアーもあると思います。
密かにいろんな洋物ルアーを“探しては試して”を繰り返し、釣れたときにひとりで萌えてます(笑) これもチヌトップの楽しみ方です!
何を言いたいかといいますと、チヌはいろんなルアーで釣れるってことです!
チヌトップ最高!
春が終わって気温が上がってくるとチヌトップの最盛期です。あまり時間帯を気にせずとも昼間でも十分釣れます。寝坊しても大丈夫です!
とりあえず、風がなさそうな日に試してみるかんじでも良いと思います。
夏の風物詩、チヌトップ!
めっちゃエキサイティングな釣りなので、ぜひ一度チャレンジしてみてください!
筆者の紹介
フリースタイルアングラー もんきー
淡水・海水を問わずなんでも釣るフリースタイルアングラーにして、呼称「フリースタイルアングラー」の生みの親。
現在はジャクソンプロスタッフ、フィッシングアパレルブランド「CAST AROUND」サポートスタッフを兼任中。海のルアーフィッシングが本業、淡水のルアーフィッシングが趣味。兵庫県在住。