ボディ内部

ドラグユニットはピンとバネで固定されているタイプ。特殊な工具は必要なく、ピンセットのみで分解可能です。
どちらも小さな部品なので紛失に注意してください。

ローターナットを固定しているプラスネジを外し、ローターナットを外します。
ローターナットの中に白っぽく写っている、ローターナットベアリングカラーが入っているので無くさないようにしましょう。

ローターを外したら、ワンウェイクラッチを固定している部品を外します。
現行のイグジストはマグシールドでしっかりと防御されているこの部分も、05イグジストは単純な構造です。

ワンウェイクラッチを取り外したら、ボディーキャップを外します。2箇所のネジで止まっています。

リールフット側とボディカバー側の3点のネジを外し、ボディを開けます。

ついにドライブギアがお目見えしました!

ピニオンギアは3点のネジで固定されています。ピニオンギアを支える構造は、メーカーを問わずこの形が頻出です。

ボディをしっかりと清掃。内部には腐食防止の塗装がされています。腐食しやすいマグネシウムボディでもこれなら安心です。

パーツクリーナーに漬けて洗浄した後のピニオンギアとドライブギアです。ギア類にはギアグリスを付けていきます。
ドラググリスやリール用以外のグリスをつけた場合、ギアの摩耗やパーツ破損に繋がるので、必ずギアグリスを用いてください。
ギアグリスは、米粒半分くらいを6箇所程に分けてドライブギアの歯面につけます。巻き重りの原因になるため、つけすぎはNGです。

シャフトには粘度の低いタイプのオイルをつけます。
そして、ドライブギア・ピニオンギアを支えるベアリングには高粘度オイルを、それ以外のベアリングには低粘度オイルをつけましょう。
オイルの量は半滴程度で十分です。つけすぎてしまった場合、ギアにオイルが流れてしまいます。

最終的なクリアランス調整は、エンジンプレート内部のワッシャで行います。
ここの調整を間違えてしまうと、ゴロ感が出たり、後々のギアの偏摩耗に繋がったりするので神経を使う作業です。
オーバーホールの注意点
ギアのクリアランスに注意
05イグジストはその特性上、非常にシビアなクリアランス調整が必要になります。クリアランスが合わずにギアが傷ついてしまうと、ゴロ感が発生して交換を余儀なくされます。
クリアランス調整自体はエンジンプレートを開けることで簡単にできますが、それまでのクリアランスをリセットしてしまうことにもなり、リスクを伴います。
基本的に個人ではやらない方がいい
「ここまで書いておいてなんなんだ!」と思うかもしれませんが、個人でオーバーホールをするのは危険です。
特に、05イグジストは供給が終了しているパーツもあり、破損してしまった場合は取り返しがつかなくなる可能性も。
個人でオーバーホールをする際は、リスクを理解した上で進めるようにしてください。
筆者の紹介

佐藤稜真
某リールチューンメーカー在籍時、Facebook・Instagram運営を手がけながら全国のイベントで年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つ。
中学生の頃からカタログのスペックを暗記するほどのリール好き。関東のフィールドでのエリアトラウト・シーバスフィッシングをメインにしている。






