俺の釣った魚が臭いだと……
釣った魚を食す。釣りの醍醐味であり、釣り人の特権ではないでしょうか。
しかし、釣り上げた魚から異臭がしたり、食べたら口の中に生臭い匂いが広がったり、という残念な経験はありませんか? 今回は、魚の匂いについて考えてみましょう。
なぜ魚が臭いのだろうか。
過去に釣った臭い魚との思い出をたどりながら、彼らが「なぜ臭くなったのか」を考えてみました。
もともと臭みがある
もともと魚自身に特有の臭みをもつものも存在します。その反面、「クセがたまらない」と好まれることも。
磯臭い魚の代表格であるアイゴも、徳島県や和歌山県では干物にして好んで食べられています。
悪くいえば「臭い」、良くいえば「好きな人にはたまらない」ということなのでしょう。
水質による影響
「湾奥で釣れたクロダイは臭い」や「河口で釣れたスズキは臭い」といったものは、水質による影響を強く受けていると思われます。
このような魚は、鱗の隙間や体表の粘液に匂いが付着しているとされ、きれいな水で活かすと匂いが消えることもあるようです。
また、体内が臭い個体もいるようで、「ケミカル(化学的)な味がした」という声も。水質の汚染が、なんらかの形で体内に取り込まれているのかもしれません。
エサによる影響
「夏のアイゴは臭い」や「冬のメジナは美味い」といったケースは、エサによる影響かもしれません。
一般的には、海藻や貝類を食べると磯臭さが強まるとされ、海藻や岸壁の着生物が増殖する夏場は、臭い魚が増える傾向に。
メジナの場合は、主食が海藻から釣り人が撒くオキアミに変わったため、以前に比べると臭みがなくなったともいわれています。