モデルチェンジしたソアレSS&ソアレSSアジング
2022年の注目の新製品として登場したソアレSS &ソアレSSアジング。
シマノのライトゲーム向けロッドシリーズの中でも、ミドルグレードに当たるSSがフルモデルチェンジして更なる進化を遂げています。
ライトゲーマーからの人気も高いソアレSS &ソアレSSアジングの使用感をインプレしていきます!
ソアレSS ラインナップ
型番 | 全長 | 自重 | 仕舞寸法 | ルアーウェイト | 適合ライン(ナイロン・フロロ) | 適合ライン(PE) | 定価 |
S76UL-S | 2.29m | 64g | 117.2cm | 0.5~5g | 1-3lb | 0.1-0.4号 | 28,100 |
S80UL-S | 2.44m | 72g | 124.7cm | 0.4-8g | 1-4lb | 0.1-0.4号 | 28,500 |
S76L-S | 2.29m | 70g | 117.2cm | 0.6~12g | 1.5-4lb | 0.1-0.6号 | 28,500 |
S80L-S | 2.44m | 74g | 124.7cm | 1.5~14g | 1.5-6lb | 0.2-0.8号 | 28,900 |
S86ML-S | 2.59m | 84g | 133cm | 2-28g | 2-6lb | 0.2-0.8号 | 29,700 |
S76UL-T | 2.29m | 65g | 117.2cm | 0.6-6g | 1.5-5lb | 0.1-0.6号 | 28,100 |
S86ML-T | 2.59m | 84g | 133cm | 2-28g | 2-6lb | 0.2-0.8号 | 29,700 |
ソアレSS AJING ラインナップ
型番 | 全長 | 自重 | 仕舞寸法 | ルアーウェイト | 適合ライン(ナイロン・フロロ) | 適合ライン(PE) | 定価 |
S48SUL-S | 1.42m | 46g | 73.5cm | 0.3-0.6g | 1-3lb | 0.1-0.4号 | 26,200 |
S54SUL-S | 1.63m | 48g | 84cm | 0.3-0.6g | 1-3lb | 0.1-0.4号 | 26,600 |
S60SUL-S | 1.83m | 51g | 94cm | 0.3-0.6g | 1-3lb | 0.1-0.4号 | 27,000 |
S68SUL-S | 2.03m | 54g | 104cm | 0.3-0.6g | 1-3lb | 0.1-0.4号 | 27,800 |
S58UL-S | 1.73m | 51g | 89cm | 0.4-0.8g | 1-3lb | 0.1-0.6号 | 27,000 |
S64UL-S | 1.93m | 55g | 99cm | 0.4-0.8g | 1-3lb | 0.1-0.6号 | 27,400 |
S70UL-S | 2.13m | 59g | 109cm | 0.4-0.8g | 1-3lb | 0.1-0.6号 | 28,200 |
S64L-S | 1.93m | 56g | 99cm | 0.6-12g | 1.5-4lb | 0.1-0.6号 | 27,800 |
ソアレSSとソアレSSアジングの立ち位置と違いについて
簡単にですが、ソアレSSシリーズについて解説していきます。
ソアレSSは、ライトロックフィッシュ(メバルやカサゴなどジグヘッドやプラグなどを使用したライトソルトゲームがメイン)を対象としたモデル。
そしてソアレSSアジングは、アジを釣ることに特化した設計がなされたモデルとしてラインナップされています。
ソアレSSとソアレSSアジングでは、番手構成やテーパー、ティップ構造、レングスなど細かな仕様が釣り物に合わせて最適化され、味付けがまったく違うロッドになっています。
ソアレSS &ソアレSS アジングのスペックと特徴
2モデルを比べるとブランクやガイドなど基本的な部分は一緒ですが、ティップやグリップなどの細かな部分の作りが違います。
ブランク
2022年モデルのソアレSS、SSアジングには、スパイラルXが搭載されています。
カーボンテープで締め上げられ、ネジレや潰れに強く粘りのあるブランクに仕上がっています。これは強化構造でありつつブランク自体の軽量化にも寄与。
加えてハイパワーXによる最外層の補強により、さらに頑丈でブレのないブランクへ進化しています。
ガイド
ガイドはステンレスフレームのSiCリングガイド。
軽量で耐摩耗性に優れ、尚且つサビにも強く頑丈なガイドですね。
ガイドに関しては値段相応の堅実な性能があるとみてよいでしょう。
グリップ
グリップは、軽量で手感度の高いブリッジライクシート仕様。
通常グリップはEVAなど柔らかい素材が一般的ですが、ブリッジライクシートは硬く感度はすこぶる良い仕様に。
また、握った時にリールシート周りと手のひらの接触面積を最大限活かせるため、更なる感度アップをもたらしてくれます。
▼2モデルの違い

上:ソアレSS 下:ソアレSS アジング
2モデルとも、ブリッジライクシートは同じですが、ロック方式がそれぞれ違います。
アジングモデルはダウンロック仕様で、ロッドを立てて操作しても緩みにくい構造。
対してノーマルモデルのソアレSSはアップロック方式で、ティップを寝かせた釣りの際にも緩みづらく釣りに集中できる仕様です。
ティップ
ソアレSSのティップは、番手に合わせて4種類ラインナップされています。
ソアレSS S86ML-T のみ通常のチューブラーティップですが、それ以外のモデルには特徴のあるティップが採用されていますね!
・タフテックソリッド
アジングモデルに採用されている、シマノの独自テクノロジー。張りがあり操作性や感度の高さを求めたソリッドティップ。
タフテックソリッド搭載モデル
- ・ソアレSS アジング S48SUL-S
- ・ソアレSS アジング S54SUL-S
- ・ソアレSS アジング S60SUL-S
- ・ソアレSS アジング S68SUL-S
・タフテックアルファソリッド
タフテックの張りを抑え、しなやかに曲がり込む喰わせ系のソリッドティップ。
タフテックアルファソリッド搭載モデル
- ・ソアレSS S76UL-S
・ハイレスポンスソリッド
掛け調子のティップで、操作性も高く魚のアタリを即座にフッキングに持ち込める攻める釣りのティップ。
ソアレSS、ソアレSSアジング共に4機種に搭載されています。
ハイレスポンスソリッド搭載モデル
- ・ソアレSS S76L-S
- ・ソアレSS S80L-S
- ・ソアレSS S80UL-S
- ・ソアレSS S86ML-S
- ・ソアレSS アジング S58UL-S
- ・ソアレSS アジング S64UL-S
- ・ソアレSS アジング S70UL-S
- ・ソアレSS アジング S64L-S
・ソフチューブトップ
チューブラーながらソリッド並みの柔らかさを持つティップ。
ソフチューブトップ搭載モデル
- ・ソアレSS S76UL-T
4種類ものティップを、モデルに合わせてアッセンブルしているのは、まさにライトゲームに特化したシリーズならでは。
ソリッドティップもシルバー色で視認性が高く視覚的にアタリも捉え易いことも特徴です。
まずは「ソアレSS アジング S68SUL-S」をインプレ
1本目はソアレSS アジング! 実釣の様子と合わせて使用感を紹介していきます。
今回使用する番手は、タフテックソリッド採用のティップが搭載されているソアレSS アジング S68SUL-Sです。
筆者自身ブリッジライクシートは初めて。
EVAグリップのような柔らかさやフィット感はありませんが、違和感なく握り込めます。
また、人差し指でのブランクタッチもスッとできるような形状なので、感度はやはり良さそう!
シマノらしく、斜めにカーボンテープが入ったハイパワーX仕様のブランクが特徴的。
ブラックベースに所々にゴールドカラーがあしらわれ、品のあるデザインでカッコイイですね。
0.5gから3gほどのジグヘッドをキャストしてみましたが、ティップからベリーあたりまでしなやかに曲がって投げ易い!
よくある硬いソリッドのロッドとは違い、軽量ジグヘッドでもウエイトがめちゃめちゃ乗せやすいですね!
ジグヘッドを操作してみると結構ティップは入るな〜という印象。
1g前後のジグヘッドから3g程度まで安心して扱えます。
流れをガンガン切ってルアーを激しく動かすとというより、柔らかいアクションを出しやすい調子です!
▼本格的にナイトゲーム実釣へ
そして実釣は砂利浜で。
レングスを活かしてジグヘッドを遠投してただ巻きで釣っていきました。
ティップのしなやかさが素晴らしく、バイトも弾き辛いな〜と感じながら、夕まずめの一瞬の回遊チャンスでバタバタと釣れました!
夕まずめの時合も通り過ぎ、渋くなってきたタイミングで常夜灯へ。ゲキ渋ながらポロポロと拾い釣りの展開です。
この日はジグヘッドを激しく動かしてしまうとバイトが出ず、1g以下のジグヘッドのフワフワアクションが当たり。
ここでもティップのしなやかさを活かした、柔らかなアクションがハマっていました!
キャストフィール
キャスト時の振り抜きは抜群で、ベリーからバットにかけて張りもあってバシッっとしっかり飛んでいきます。
よくある細くて華奢な感じとは違い、細くてもバットの反発が凄いので、ルアーウエイトの幅も広く3gや5gでも普通にキャストできてびっくり!
ティップは柔らかいので、軽量ジグヘッドをチョイッと投げるようなキャストもやり易いです。
軽さ
自重54gというのも嬉しいポイント。
6ft8inで54gというのは中々驚異的で、同レングスの他社ロッドと比較しても相当軽量な部類でしょう。
合わせたリールは150gだったので、タックル総重量は軽量な2000番クラスであれば200g前後の超軽量タックルが仕上がります。
実釣時もまったくストレスを感じることなくアジングを展開できましたし、何よりどんな動作でも疲れません!
アジングに必要な感度が◎
流石はシマノのロッドと思える高感度が印象的でした。
エステルラインで10mラインを釣っていてもバイトがボヤけず、手元に伝わってくるカツッというバイトやフワッという抜ける当たりも掛けていけます!
タフテックの張りを残しつつも、スッと入るしなやかさのバランスは絶妙の一言。
世の中のアジングロッドをベースに相対的に見ると、ティップは柔らかめの部類になるでしょう。
ちょうど良い操作性
ほどよく穂先が入るので、ジグヘッドを操作している時の感覚は非常に分かりやすいです。
「今流れ効いてるな。」と、潮の重さからジグヘッドの動きや海中の様子をイメージするのも容易。
ティップが硬すぎると、軽量ジグヘッドになればなるほど訳が分からなくなりますが、ソアレSS アジング S68SUL-Sは、1g以下のジグヘッドを使用した際にもしっかりとティップが入って操作感が得やすいです!
今どきの超高弾性ハードソリッドのような金属的な感じとは異なり、ティップの反発をある程度残してアクションさせられるので、操作に不慣れな人でもジグ単を扱い易いでしょう。
1g前後のジグヘッドをメインとして、ベリーからバットの強さを活かせば3g~5gくらいでもかっ飛ばせるので、ディープエリアを探ったりしたい場合にはもってこいなロッドです。
パワー
バットまで使った時のパワーは相当なもの。
シマノらしいコシのある感じで、グ〜っと曲がりながらもしっかり粘ってくれます。
アジとファイトする場合にはここまで曲げ込むってことは中々無いかもしれませんが、稀にヒットするチヌやシーバスとも渡り合えるくらいのパワーはあります。
ソアレSS アジング S68SUL-Sは「超優秀・汎用性高め」!
基本性能が非常に高く、初心者からエキスパートまで満足できるロッドと言えます。
キンキンの感度で掛けていく! のではなく、ティップがしなやかに曲がって食い込ませやすく、メバルロッドのようなベニャベニャのソリッドじゃ無いから操作感も残っていて、トータルバランスが素晴らしいと感じました。
ガンガン掛けていく高弾性ロッドが欲しい! という方には合わないかもしれませんが、オール5の優等生ロッドが欲しいな〜という方にはオススメしたいモデルです。
お次は「ソアレSS S76UL-S 」をインプレ
アジングロッドに続いて、ソアレSS S76UL-Sを使ってメバリングしていきます。
2000番クラスでPE0.3号を巻いたリールをセットして、一般的なメバリングタックルの構成で使ってみました。
まずは、キャストやアクションなどロッドの基本性能からチェックしてみましょう!
外観はソアレSS アジング同様ハイパワーXの最外層の補強が特徴的ですね!
持った感じも似ていますが、寝かせてリトリーブした際に力の入るフロントグリップ側にロックナットが無いのはやはり嬉しいポイント!
早速3gほどのプラグを取り付けてキャストしてみましたが、めっちゃ曲がります。
バットまでスムーズに曲がって、ロッド全体がムチのようにしなりキャストしている感覚です。
メバリングでメインとなるただ巻きをメインに試してみましたが、そこそこ穂先が入るので食い込みは良さそう。
ルアーの抵抗もしっかり伝わってきて操作性の良さも感じました。
▼待望のナイトゲーム
暗くなってきたタイミングでポイントへ。
ウロウロしてみると幸先良くボテボテのメバルがヒットしてくれました!
プラグのただ巻きメインの釣りで、たまにジグヘッドを使ったアクションの釣りなどもやってみましたが、タフテックアルファ特有の柔らかい動きと食い込みの良さはやはり凄いと感じました!
シーズン初期ということもあり、藻場へスポーニングに接岸しているメバルが多く引きもパワフル!
潜らせたくないので、普段はあまり柔らかいロッドを使いませんが、楽勝で浮かせられたことが印象的でした。
キャストフィール
やはりタフテックアルファ搭載なのもあってか、アジングモデルのタフテックに比べるとキャスト時に少しダルンッとする感覚があります。
その反面、ティップが柔らかくベリー→バットへのウエイトの移行もスムーズで、投げやすさの点ではかなり優秀。
世の中の喰わせ系メバリングロッドの中では相当ダルさが少ない部類でしょう。
食い込み抜群!
タフテックアルファの食い込みの良さはさすがの一言。笑えるほどしなやかにバイトに追従してくれます。
フィッシュイーターって、吸い込む時や反転する際に違和感でルアーを吐き出してしまうことも多いのですが、ティップが柔らかいとグ〜ッとティップが追従しつつ浅掛かりして、そのまま巻き続ければ深くフッキングさせられる場面が多くなります。
アクション・操作性
2g~3g前後のルアーを使った時、シャキッとした弾くようなアクションは少し苦手。
一方で柔らかくプルプルッ! と動かすようなアクションが得意な印象です。
逆に3g~5g程度になると、ティップ後方のチューブラー部の弾性でしっかりアクションが効かせられるので、キレのあるアクションも出せました!
操作感はほどほどにはありますが、どちらかと言うなら食い込みの良さを活かした巻きのメバリングにオススメです。
また横風が強い日などは、ラインメンディングする際に穂先が負けてやり辛い場合もありました。
キャストやアクションの際にも爆風では後方からの風や前方からの風の際に風を切れないので少しやり辛かった時もありました。
パワー
ULなのに非常にパワーが強かったことも印象的でした!
キャスト時から感じていましたが、ベリーからバットへ掛けてのトルクがあるので、ファイト時も潜られないようにしっかり浮かせられます!
じわ〜とバットが曲がっていくにつれてタメが効いて魚を浮かせて来られます。
よく「ロッドが魚を浮かせる」と言いますが、まさにそれですね。
ソアレSS S76UL-Sは「食い込みと操作性が◎」!
ティップの柔らかさを生かして、リトリーブの釣り、渋い時の釣り、変な動きすると口使わない激スレ港湾など、ナチュラルにルアーを泳がす釣りには最高に良いでしょう!
また、ソリッドが長く曲げしろも多いので、初心者の人の不安定なグリップやリトリーブでも変なルアーの動きを若干吸収できそうです。
ソアレSS 唯一のタフテックアルファ搭載機種、まさにメバリングにドンピシャでハマるロッドでした!
繊細なライトゲームだからこそ、自分の釣り方合う1本を
今回ソアレSSの2機種を使い倒してみて、基本スペックが非常に高いと感じました。
ソアレSS、ソアレSS アジング共に軽さや感度、操作性など同価格帯のロッドの中では相当ハイレベル。
他の機種も基本的な特性は同じですが、釣り方に合わせてティップから選ぶのもポイントかもしれません。
喰わせ系の柔らかいタフテックアルファソリッドを選ぶのか、張りのあるタフテックやハイレスポンスソリッドで積極的に掛けていくのか、はたまたチューブラーか……
投げたいものや釣り方、釣行エリアなどを基準に、スタイルに合ったソアレSSシリーズを選んでみてください!