お馴染みのハゼを使って

簡単に釣れておいしいハゼは、ファミリーフィッシングの好ターゲットとしてお馴染みの存在。
スーパーなどに並ばないハゼを食べられるのはまさに釣り人の特権で、天ぷらや唐揚げで食べる人が多いのではないでしょうか。

そんな天ぷら&唐揚げに飽きてしまった方におすすめしたいのが、今回ご紹介する焼き干し。
宮城県の仙台には「仙台雑煮」という郷土料理があるのですが、これにはハゼの焼き干しからとった出汁が必須なのです。
イシカワ
一見地味な食材ですが、じつは高級食材なんです。
値段を見ると「これがハゼ!?」ってきっとビックリするはずです(笑)
ハゼの焼き干しの作り方

ハゼは鮮度が落ちるのが早いため、釣ってすぐに氷締めにするか、スカリで生かしておいて帰り際に氷締めしましょう。
焼き干しにするにも、鮮度次第で焼き上がりがまったく異なりますよ。

持ち帰ったらまずはウロコとエラ、内臓を取り除いてください。
そして塩を振って30分ほど冷蔵庫で寝かせ、余分な水分を抜きましょう。
30分経ったら、塩と水分を拭き取って冷蔵庫でラップをせずに一晩寝かせて干します。

次に焼き。全体が飴色になるまでじっくりと炙っていきます。
オーブンやトースターでも良いのですが、遠火で煙を当てて炙ると香りが良くなるので炭火がおすすめ。

焼きあがったハゼは干しカゴに入れて干します。
3日以上、できれば1週間ほど干したら完成です。

完成したハゼの焼き干しはカラカラに乾燥していて、表面はカチカチ。
冷凍すれば長く保存できるので便利ですよ。
ハゼの焼き干しを使ったおすすめ料理

では、ここからはハゼの焼き干しを使ったおすすめの料理をご紹介します!
出汁を堪能する湯豆腐

焼き干しの上品な出汁を堪能するには鍋物がおすすめ。
出汁をとる時は、前日の夜に昆布と焼き干しを水に漬けておきます。

翌日には出汁が出ていて、この時点で黄金色のスープに。

火にかけて焼き干しから出汁を出していきます。
沸騰寸前に昆布は出し、しばらく煮て出汁が出たら焼き干しも取り出します。
イシカワ
これで絶品スープの完成です!

出し汁の中に具材を投入。
焼き干しの出汁は上品な旨みのため、味付けは濃くしないほうが出汁を楽しめます。

ハゼ出汁香る湯豆腐。
ほのかに香る焼き干しの香りと、じわ〜っと口に広がるハゼの旨みがたまりません。

〆には残った出汁で雑炊。調味料は塩だけで出汁が主役になるように調整します。
この焼き干し雑炊が最高においしいんです!
ご飯がたっぷりと出汁を吸っていて、噛めば噛むほど鯛のように上品な旨みが口の中に広がります。
焼き干し香る骨酒

ハゼの焼き干しで骨酒。
焼き干しを入れたカップに熱くした日本酒を注ぎ、蓋をしてしばし待ち、火をつけてアルコールを飛ばし、さらに蓋をしてしばし待つ……。

ハゼの骨酒はこれまた上品な出汁が出て美味。
ふぐのひれ酒ほど味にパンチは無いのですが、ハゼのほうが香りと旨みの余韻が長く続きます。
イシカワ
後から旨みが感じられて癖になる……危険な飲み物です(笑)
ハゼラーメン!?

出汁を使ったスープで作る、ハゼラーメン。

釣り人しか食べられないであろう贅沢なラーメン。
完飲必須のスープをぜひ堪能いただきたい……。
イシカワ
ハゼラーメンの詳しい作り方はコチラの記事で解説しています。
出し殻は煮物に

出汁をとった後の焼き干しは、甘露煮などにするとおいしくいただけます。

水・醤油・酒・砂糖を混ぜ合わせたタレの中に昆布を敷き、その上にハゼを並べます。
香り付けに山椒の葉も載せてみました。
落とし蓋をして煮込んだら完成。

夕食の一品にも酒の肴にもぴったり!
柔らかいので頭まで食べられておいしいですよ。
ぜひハゼ料理のレパートリーに!

少し手間はかかるものの、ハゼの焼き干しでとった出汁は絶品!
なかなか買えるものではないので、ぜひ釣ったハゼで試してみてくださいね。
きっと感動すると思いますよ!
撮影:イシカワヒデカズ