多種多様なシーバスタックル!初めの1セットはこう選べ
各社から様々なシーバス専用ロッドやリール、ラインが発売されていますが、初心者の方には「どれを買えば良いのかさっぱり」という事もあるかと思います。
そんな方のために、今回は「ベスト」ではなく「ベター」なシーバスタックルの選び方をご紹介します。
本来のベストな選び方
本来は「釣る場所」「使うルアー」「アングラーの技量や癖」など、多くの要因を考えて“ベストなタックル”を選んでいきます。
ただし「釣る場所」「使うルアー」「アングラーの技量や癖」がまだ見えてこない段階では、できる限り汎用性が高い“ベターなタックル”がおすすめ。
ただし完全に無知な状態だと、目的に近い一本選びきる事も難しいと思いますので……事前に竿選びの知識を身につけておきましょう。
また今回は、初めての方に向けて、私なりのおすすめスペックも紹介してみたいと思います。
1.ロッドの選び方
私の経験から最も多様する長さ、固さは……『96ML、もしくは96M』です。
96が長さを表し、ML,Mが硬さをあらわします。(長さは96ぴったりではなく、その前後でも問題ないです。)
私が日本各地で釣りをする上で、この長さと固さが最もベターで、幅広く使えるように思います。
その理由を上げていきます。
長さの理由
▼ 大は小を兼ねる
シーバスゲームにとって飛距離は、とても重要な要素。そして、ロッドの長さは飛距離に直結します。
長い竿で短い距離に投げる事は勿論可能ですが、短い竿で長い竿と同じ遠距離を投げるのは難しいです。長めのロッドを選んでおくのが無難でしょう。
一昔前は「8.6フィートあたりが基準」という話もありましたが、近年のタックル性能の向上により、さらに長めの「9.6フィートでも同等の扱いやすさ」となっています。
▼ キャスト技術を覚えやすい
さらに長めのロッドの方がキャスト技術を身につけやすいというメリットも。
軽い7フィートや8フィート前半のロッドは、キャスト時の抵抗が少ないため、いわゆる「手投げ」が出来てしまいます。
やはりボールを投げるのと同じで、「体全体を使ったキャスティングフォーム」のほうが、絶対的に飛距離を稼ぐことができます。
長めのロッドであれば、この「手投げ」がしづらいため、早い段階から矯正しやすいのでおすすめですよ。
硬さの選び方
シーバスゲームでは、軽いものでは5グラム程度のルアーから、重いルアーでは28グラム程度のルアーまで使用します。
そしてこれらのウェイトの中間である、15グラムから20グラム程度の重さを投げるためには、MLやMクラスの硬さがちょうど良いです。
▼ MLかMか絞り込もむ
ML、Mクラスのロッドどちらを選ぶかは、釣りをする時間がデイゲームかナイトゲームであるかで選ぶといいでしょう。
デイゲームの場合、鉄板バイブレーションやブレードジグといった重量級のルアーを投げる事が多くなってきます。
そのため、重量のあるルアーを気持ちよくフルキャストするためにも、固めのMをお勧めします。
反対にナイトゲームは基本的にミノー主体のゲーム。繊細に流れを感じ取らなければいけない場面もあるので少し柔らかいMLをお勧めします。
▼ デイかナイトか決まっていないとき
そのどちらも決まっていない方にお勧めはML。
竿が硬くなるほど、竿を曲げらないために飛距離が出なかったり、指を話すリリーススポットが狭いなどの特徴があります。
また、ファイトに関しても、適度なテンションをかけ続けるための技術が必要となります。
基本的に硬い竿は、上級者向きなのです。
ちなみに……サーフやショアジギもしたい人はMを!
近年楽しむ人が増えているサーフからのヒラメ釣りや、ジグで回遊魚を狙うショアジギング。
この2つの釣りは重量のあるルアーを使用するため、併用して使用することを考えている時は、迷う事なくMを選びましょう!
2.リールの選び方
リールは価格=性能
リールは竿以上に、価格と性能が比例します。
高いリールはそれだけ部品や組み立てに拘って作られているため、巻き心地だけでなく「耐久性」も高く作られています。
特にシーバス釣りは投げて巻くを繰り返す釣りなので、耐久性の高さは非常に重要です。
リール は極端に安い物は選ばず、できれば中堅機種と言われる3万円以上の物がおすすめ。
また最近では2万円前後の物でも良いリールがありますので、レビューなどを参考に吟味してみてください。
番手の選び方
番手はロッドとのバランスで決めます。
一概には言えませんが、先ほどオススメした96ML〜Mの場合、ダイワやシマノから発売されている4000番程度の番手がおすすめ。
それより短い物を選ぶようなら3000番といった感じです。
3.ラインの選び方
8本編みor4本編み
ライン(糸)は見ただけでは違いが分かりづらく、選びにくいアイテムの一つです。
8本の原糸から作られているのが8本編み、4本の原糸から作られていると4本編みです。
初心者の方にどちらが良いかと言われるとなんとも答えにくいです。
4本、8本編みの違い
大きな違いとして8本編みの方がしなやかで、ラインの凹凸が少なく飛距離が出やすい、糸鳴りが少ないといった特徴があります。
しかし、しなやかすぎるラインは、適切に取り扱わないとバックラッシュの原因にもなり得ます。
4本編みは低価格で、8本編みよりも扱いやすいので、初めはこちらでも良いかもしれません。
太さ
太いラインの方が強度や耐久性に優れていますが、初心者の方にはお勧めできません。
理由としてはラインが太い方が、メンディング(糸ふけの処理)が難しくなるからです。
サミングやライナーキャストが上手く出来ない内はPE0.8〜1.0号あたりを使用しましょう。
太い事で得られるメリット以上に、細い事で得られるメリット(飛距離が出る、糸フケがでにくい、水の抵抗が少ない)の方が、初心者の方には断然多いです。
最後に……良い物を使った方が成長は早い
最高級とまではいかなくとも……それなりの値段のタックルで釣りをしていた方が感じ取れる事が多くなります。
結果として、成長が早くなるのは確かです。
これから本気でシーバス釣りを始めたいという方は、最低でも大手メーカーの入門と呼ばれる1〜2万円のロッド、リールを揃えるのがおすすめですよ。
自分にあったタックル(相棒)を見つけて、楽しい釣りライフをお過ごしください!!
ライタープロフィール
高橋 優介
房総半島出身。東京都在住。幼少から釣りの魅力にどっぷり。
現在は海のルアーフィッシングのプロとして活動中。
シーバスからオフショアのビッグゲームまで様々な釣りを行う。 ルアーメーカー「BlueBlue」のテスター