ホッケとは
食卓でもお馴染みのホッケ。アイナメ科のホッケは、よくアイナメと間違われる事もありますが、アイナメの尾びれ後縁がほぼ直線なのに対し、ホッケは大きく切れ込んでいることが両者を見分けるポイントです。一般的に釣れるサイズは30~40センチ程度ですが、時には60センチを越す大物とも出会えることもあります。漁獲量の90パーセントが北海道産であり、一年を通して獲れる魚で主に加工品の原料とされています。スケトウダラの代わりに蒲鉾などのすり身の原料としてよく活用されています。
生息域・分布
日本近海では茨城県以北に生息するホッケですが、魚影が濃いのは北海道です。北海道周辺に分布する個体は分布域や、産卵時期の違いから沿海州系群、羅臼、道南、北部日本海の4つの系群に分けられます。
ホッケの旬とは
地域によって差がありますが、旬は一般的に春から夏とされています。旬の時期のホッケは生の状態から調理することができ、脂もたっぷり乗り美味な味わいが楽しめます。
ホッケの特徴
成魚の全長は60センチになり、体に側線5本と不明瞭な黒色横帯を持つのが特徴的です。硬骨魚類が持つ浮き袋を持たないことも大きな特徴の一つです。表層生活に適合するためイワシやサンマのように、背部は一種の保護色である鮮やかなコバルトブルーを呈します。
ホッケの生態、ホッケ柱って何?
ホッケは底生生物、甲殻類、小型魚類、他魚類の卵、プランクトン等を主に捕食しています。産卵期は9月から2月で、婚姻色を呈したオスがメスに求愛行動をします。産卵後、オスは孵化するまでエサを食べずに卵を守ると言われています。
ホッケ柱ってなんだ?
ホッケが海面近くで群れとなり、上向きで泳ぐことで発生する渦巻きがホッケ柱。3~6万匹のホッケによって作られ、高さ20メートル、直径約3メートルにも及ぶと言われています。ホッケ柱をつくることで、天敵のカモメに襲われることなく、水面のプランクトンを海の中へと引き込むことができます。
ホッケって小さくなった?
ホッケの干物は居酒屋の定番メニューであり、皿からはみでるほどで皆でつついて食べるもので、家庭の魚焼きグリルではしっぽがはみ出してしまう程大きなサイズでした。ところが、近年漁獲されるホッケは実は年々小さくなっており、そのサイズはアジの干物ほどにまでなってしまっています。大きさに反し、値段は高騰しておりホッケは庶民の味ではなくなってしまっております。
漁獲量の減少が止まらない
乱獲、海水温の上昇によりホッケの漁獲量は年々減っています。1998年には20万トンの漁獲量が、2011年には5万トンにまで減ってしまっています。漁獲量を回復させるため親魚の漁獲制限を設ける地域も増えていますが、未だ資源回復には至っていないと言われています。
居酒屋定番メニューのホッケ料理
ホッケは見た目のイメージと違って、脂にクセがなく上品な味で魚が苦手な方も食べやすい白身魚です。北海道はかつて、にしん漁が栄えていましたが、北海道近海でにしんの漁獲量が激減したためにホッケが代替品として急速に用いられるようになりました。鮮度が落ちやすいためはじめは広く流通しませんでしたが、流通や加工、冷凍技術の発達により現在では北海道の水産物の代表格になっています。
ホッケの干物
ホッケのフライ

ホッケ飯
ホッケってどう釣るの?
ホッケを狙うには接岸する秋から初冬の産卵期と春の水温上昇期には岸から、その他のシーズンは沖から狙えます。今回はサビキ、ルアーでの釣り方を紹介しますが、他にも投げ釣り、ウキ釣りなども釣果が期待できる北海道では人気の釣りものです。
ホッケをサビキ釣りで狙う
ホッケを岸から狙うには、潮通しの良い堤防や岸壁が狙い目で、撒き餌をうまく撒いてホッケの群れを集めることが先決になります。竿は磯竿またはルアーロッド、リールは小~中型スピニングリール、ミチイトはナイロン4~5号を基準に、仕掛けは市販のホッケ用サビキ仕掛けが便利でしょう。オモリのサイズはその場の水深によって使い分けてください。撒き餌はオキアミブロックを解凍したものや、イサダに砂を混ぜたものがよく使われています。食いが悪い時は時々竿先を上下に動かして誘いを入れると効果的です。
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ホッケをルアーで狙う
ホッケはルアーにもよく反応してくれるので、エサ釣りにも負けない釣果を出すことも可能です。ロッドはシーバス用ロッド7~9フィートが流用できる他、ロックフィッシュロッドでも代用できます。ルアーは20グラム前後のメタルジグや10センチ前後のミノー、2インチのソフトルアーにジグヘッドを装着したものがおすすめです。
北の海にすむ人気者”ホッケ”
北海道、東北以外の地域の方はホッケを干物等で食べたことがあるかもしれませんんが、釣りのターゲットとして考える人はあまり多くはなかったのではないでしょうか。しかしホッケ釣りはとても楽しいもので、クセのない脂と上品な白身はとても美味しいです。ホッケの魅力知らなかった方は、是非一度北の海に趣いてホッケ釣りを楽しんでみませんか。