イシガキダイってどんな魚?
イシガキダイはスズキ目イシダイ科に属する魚の一種で、大型の肉食魚です。同種のイシダイよりも口が尖り、大高が高く、その尖ったくちばしには貝を砕いてしまうほどの鋭い歯が15本ほど生えています。全身が灰白色に大小の斑点模様という特徴的な姿が石垣を連想させることからイシガキダイと名付けられました。
生息域・分布
イシガキダイは温暖な気候を好み、太平洋側では房総半島まで、日本海側では山口県以南と比較的南西の地域に分布し、そういった地域の浅い海の岩礁やサンゴ礁、海底の岩陰や海中の洞窟などに好んで生息します。
生態と性質
海底付近を泳ぎ回りながら、海底に生息する貝類、甲殻類やウニを見つけると、その鋭いくちばしでかみ砕いて中身を捕食します。産卵期は春で、孵化した稚魚は外洋を漂流しながら小動物やプランクトンを捕食しながら成長しますが、同種のイシダイよりも成長が早く、更に、より大型に成長すると言われています。
狙いたい時期
イシガキダイは真夏の暑い時期に活性があがる為、特に数釣りをするのであれば夏期と言われています。ですが、成魚になると移動範囲は狭まり、回遊の性質も持たないため、イシガキダイの生息する場所であれば、時期を問わずに年間を通して狙うことが可能です。
イシガキダイのシガテラ毒に注意!
イシガキダイは過去にシガテラ毒による中毒を起こしたことで知られています。シガテラ毒は海藻に付着する植物プランクトンが作り出し、それを食した魚の体に蓄積され有毒性を持ちます。地域の食性などにより個体差はありますが、全長48センチ以上、重量約2700グラム以上の大型種が特に危険であると言われています。
地磯で狙う大物イシガキダイの仕掛け
イシガキダイを狙う場合には、主に地磯での釣りになり、タフなコンディションでの釣りをすることが多くなります。そういった環境に負けないような力強いしっかりとした仕掛けを組むことが大切です。
磯で狙うイシガキダイのタックル
磯場でイシガキダイを狙う場合は、何よりも錘の重量と引きの強さに負けないような専用の磯竿が特に必要です。最大で88センチもの大型な個体が確認されているイシガキダイの引きはとても強く、地磯では足場も不安定であるため、重心のしっかりとした信頼度の高いタックルを選びましょう。
シマノ リアルパワー 石鯛 540置竿
自重:550g
継数:4本
仕舞寸法:146.5cm
錘負荷:15-30号
シマノ スピードマスター 石鯛 4000T
自重:715g
最大ドラグ力:7.0kg
巻取り長さ:116cm
ナイロン糸巻量(号-m):18-200/20-170/24-140
仕掛け
磯釣りで主に使用される仕掛けは、18~24号程の道糸に真空オモリ、そしてチヌ針というとてもシンプルで目立たないものになります。磯場では岩礁帯や魚体の摩擦で糸が切れてしまうことが多いため、道糸から先端部分にかけてはワイヤーを使用し補強しましょう。
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ライトタックルで挑むイシガキダイの仕掛け
従来の重量感のあるタックルでは気が付かないほどの繊細なアタリまで感じ取ることが出来るとして、人気が出たのがライトタックルでの仕掛けです。引き上げの出来る重量は磯竿仕掛けには少々劣りますが、その分、小型のイシガキダイの繊細なアタリにも十分に反応し、よりイシガキダイ釣りを楽しむことが出来ます。
タックルと仕掛け
竿に関してはテンヤロッドやジギングロッドが代用可能で、リールも中型のスピニングリールと幅広い選択肢の中で流用が効き、仕掛けも難しいことが無いため、手軽に始めることが出来るのがライトタックルでのイシガキダイ釣りの特徴です。
宇崎日新 GULF テンヤマダイ M Tタイプ 250
自重:130g
継数:2本
仕舞寸法:129cm
錘負荷:2-10号
ダイワ 15 レブロス 3012H
自重:295g
最大ドラグ力:6kg
巻取り長さ:95cm
ナイロン糸巻量(lb-m):8-200/12-150
PE糸巻量(号-m):1.5-200
釣り方のコツ
イシガキダイを狙う際は地磯と同じく、根際にキャストし張らず緩めずといった状態でアタリを待ちます。アタリが出たらしっかりと食い込むのを待ち、アワセを入れるのがポイントですが、ライトタックルでは従来見逃しがちな繊細なアタリを掛ける魅力もあります。
イシガキダイ釣りに使うエサ
イシガキダイ釣りによく使用されるエサは、主に磯場や海底で生息している生き物です。その場所によって多く生息する生き物や環境も様々ですので、状況によって変えたり、付近の釣具店などにアドバイスを受けながら最適なエサを探してみましょう。
カニ餌
イシガキダイ釣りにおいてのスタンダードと言えるものが、カニをエサにしての釣りであると言えるほど一般的なエサです。臭いが強く、活性の高い時期にはイシガキダイをとてもよく誘い、釣果が期待できます。また、カニの種類に制限はなく、ザリガニやヤドカリなどを代用する釣り人もいます。
貝餌
ウニ
夏場から秋口への時期によく使われるのがウニです。エサの食い込みが最も早いという事で九州で人気に火が付き、その後日本全国に浸透していきました。棘に刺されると痺れることがあるため、トングなどで慎重に扱うようにしましょう。
イシガキダイのおすすめレシピ
イシガキダイは活性の高い夏が旬と言われていますが、冬季の脂が乗った白身もまた刺身にすると絶品で、その旨みのぎっしりと詰まった白身を味わい為にイシガキダイを狙う釣り人も多くいます。大型のイシガキダイはシガテラ毒の蓄積の危険性が多くあるため、出来るだけ小型のものを選んで味わうようにしましょう。
刺身
数多くある磯魚の中で、敢えてイシガキダイを専門で狙うという釣り人が多くいる一番の理由が、イシガキダイの刺身を味わえるという事です。脂ののった透き通るような白身は旨みが凝縮し、皮を湯引いたものを付け合わせれば、磯の香りの効いた格段の味わいを楽しめます。
鍋
イシガキダイは、イシダイと似た個体であるため、同じように鍋にしても、とても美味しく食べることが出来ます。軽く湯通しする程度で硬くなりすぎないように調理すれば、素材本来の潮の風味が残ったまま、付け合わせの野菜から出るダシと混ざり合った最高の味わいを楽しむことが出来ます。
塩焼き
イシガキダイの旨みが特に凝縮されているのが、ちょうど皮の裏と身の境の部分です。塩焼きで調理することによって旨みが十分に詰まった部位をそのまま楽しむことが出来ます。まずは調味料を付けずに、塩のみで素材のしっかりとした味を楽しんでみてください。
煮付け
イシガキダイの白身は、とても柔らかく、そしてタレの味がよく染みこむので煮付けもとてもよく合います。少量の味付けでも身の中にしっかりと味が浸透するので、味付けは少々薄めにして、イシガキダイ本来の味わいとともに楽しむようにしましょう。
イシガキダイ釣りは魅力たっぷり
地磯のみならず堤防からも狙える事で今密かに注目を集めているイシガキダイ。ライトタックルで繊細に狙う魅力が人気の秘密です。パワフルな引きとゲーム性の高いイシガキダイを堤防、磯から狙ってみてはいかがでしょう。
Let’s try big game isigaki dai on the beach!
磯の大物イシガキダイに挑戦しよう!