夏の東京湾奥河川はデイゲームを狙え!
夏といえば“デイシーバス”!
ナイトゲーム主流のシーバスゲームをデイでも楽しめる最高に楽しい季節です。
今回は私がホームとしている東京湾奥河川『荒川』や『旧江戸川』で最もアツい釣り方。
“バイブレーションゲーム”、“岸際ドシャローのハク&イナッコパターン”の攻略法をご紹介します!
シーバス釣りを始めたばかり方が最初の一尾を手にするための基本から、中級者の上達にも繋がるような情報をまとめていきます。
ぜひ参考にしてみてください。
なんで夏はデイゲームが狙い目なの?
夏はデイゲームと言われますが、その理由をご存知でしょうか?
これには潮が大きく関わっています。
夏の潮周りは昼潮と呼ばれ、“日中の干満差が大きく”、夜の干満差は少なくなります。
日中に潮が大きく動くため、活性もそれに合わせて高くなるのです。
スピーディーかつエキサイティング
私が考えるデイゲームの魅力といえば、迫力あるエラ洗いがはっきり見えること。
また、スローに誘う事が多いナイトゲームよりも、スピーディーな展開でシーバスを狙っていけることです。
さらにSNSが普及した今、“映える一枚が撮影しやすい”のもデイゲームのおすすめ要素!確かに晴天の中、銀ピカに輝くシーバスは本当にカッコイイの一言です!
夏のデイゲームで使用するタックル
タックルは8ft中盤から9ft後半までが扱いやすいです。
私の場合は9ft4inch、ML~Mクラスのロッドにシマノ4000番のハイギヤをメインで使用しています。
ラインはPE1〜1.2号、リーダーはフロロの20lbを使用しています。ノットはFGノットです。
8ft中盤〜9ft後半のMクラスがおすすめ
飛距離、取り回しを考えると長さは、8ft中盤から9ft後半までがおすすめです。体格に合わせ、バットからしっかり曲げ振り抜けるレングスを選びましょう。
また、シャロー帯はゴロタやカキ瀬といったボトムストラクチャーによるラインブレイクの危険性もあるため、やや強引なファイトが必要な場面もあります。更にウェイトのある鉄板バイブレーションをフルキャストする出番が多くなります。
最低でもMLクラス。可能であればMクラスの方が気持ちよく飛んでいきますよ。イメージとしては、春のバチ抜け等の繊細なパターンや港湾向けスペックのロッドとは異なる、大型河川向けロングレングス、ミドルパワーモデルという感じです。
ちなみに手持ちのライトショアジギングやサーフ向けのロッドでも代用することは可能です。
▼ 編集部おすすめのロッド
ミドル番手とハイギアの組み合わせ
リールはロッドとのバランスが合えば3000番クラスでも問題ありません。
ただしスプール径が大きいと、飛距離も伸び、パワーファイトもしやすくなります。
私は一回り大きい4000番クラスがおすすめです。
ちなみにギアはハイギアを選んでいます。それは巻き取り量が上がる分、回収時などの手返しが良くなるからです。
更に感度も上がるので、流れの変化や僅かなバイトを逃しにくいといった利点もあります。
▼ 編集部おすすめのロッド
太めラインでトラブル回避
夏はバイブレーションなどの自重が重いルアーを多用することが多いです。
あまり細過ぎるPEラインだと、ふとした瞬間に高切れしてしまうことも。
そういったトラブルを防止するためにも、太さは1号以上がおすすめです。
東京湾奥エリアの河川は、岩やカキ瀬といった障害物が多く、根ズレの懸念があります。
そのため良型がヒットしたときも安心してファイトができるよう、フロロカーボン製のものを使用しています。
さらに太めのPEライン&リーダーを使用している良いことが!
根がかりしたとき力を加えると、先にフックが伸びて、ルアーを回収しやすくなります。
バイブレーションは、とくに根掛かりしやすいので、こういった意味でも太めがおすすめです。
▼ 編集部おすすめのライン & リーダー
釣果への近道は『河口エリア』
夏の河川で魚をキャッチする“最も早い近道”といえば、河口付近のバイブレーションゲームではないでしょうか。
私も梅雨前から河口付近へ足を運ぶ事が多いです。
タイミングによっては、良型のシーバスがごっそり入っている日にあたる事もあります。
コノシロなど大型ベイトも入ってくる可能性があり、湾奥ランカーを狙えるチャンスが多いエリアです。
ここで大事なのは“広範囲をテンポ良く探る”ことです。
ただ闇雲にただ遠くへ飛ばすのではなく、魚がつくエリアを狙っていく必要があります。
代表的な狙いどころ“潮目”
一見何もないオープンエリアを選んだとしても、狙い目は多くあります。
代表的なものでいうと潮目ですね。潮目は流速差や水質の違い、ボトムの変化などから発生します。
そこには酸素量も多くプランクトン、ベイトが集まります。つまり魚の通り道でもあるのです。
“ヨレ”や“反転流”も一級ポイント
他にも縦スト(橋脚、杭など)、地形変化によるヨレなど。
更にシーバスはヨレや反転流といった流れの変化につくので、ストラクチャーによる流れのヨレや反転流ができていたらどんどん狙っていきましょう。
このような“ヨレ”や“反転流”も、潮目と同様に目視で見つけられます。狙いやすい一級ポイントの代表格と言えるでしょう。
水中の地形変化も探そう
さらにボトムの地形変化でもあるブレイクやカキ瀬といった水中の変化を見つけ、狙うことでキャッチ率は“ぐんっ”と上がります。
ポイントが空いている際は反応が出なければ、どんどん移動し変化を見つけては撃っていくのがベストです。
狙いやすいタイミングは“下潮”
さらに釣果を上げるためには、理想的なタイミングで入釣することも必要。
おすすめは“下潮の流れが、強く効くタイミング”です。その前にはエントリーしておくようにしましょう。
基本的に流れが効いている間は、チャンスがあると思っていただいて問題ないです。
潮位が低いときは根掛かりに要注意
注意点もあります。
陸っぱりだと潮位が下がることによって、水中のカキ瀬やゴロタ岩との距離が近くなり、根がかりのリスクが高くなってしまうのです。
とくに大潮で潮位がぐんと下がると顕著に現れますので、要注意。
こうなってくるとバイブレーションが何個あっても足りません……。
初めのうちは根掛かりづらい「潮位の高いタイミング」からの下潮を狙ってみてください。
ちなみに潮位が下がってくると、嬉しい外道でもあるチヌの時合に突入なんて事も!
バイブレーションを使い分けると釣果倍増
広範囲のサーチ能力、飛距離、レンジコントロール性を考えると、シーバスのデイゲームにはバイブレーションが有利です。
材質、種類も多いバイブレーションですが、私は“鉄板”と“樹脂製”の2つを状況に応じて使い分けています。
重さは、東京湾奥河川では10g~18g前後ぐらいまでが1番扱いやすいです。20g以上になると飛距離は出る反面、着底が早過ぎるのとリトリーブ速度を上げないとボトムを擦りすぎてしまいます。
それに比例するよう根がかり率が上がるので、使いどころが限られてしまう印象です。
鉄板バイブ(メタルバイブレーション)
鉄板という名前の通り、ボディーが金属性。飛距離を出しやすく、着底も早いです。広範囲をテンポ良くサーチでき、流心でベイトフィッシュを捕食している時に有効です。
使い方は簡単!まずはヒットレンジを探るために、着底させたら巻き上げる動作を試しましょう!高速巻きでのリアクションバイトなども期待できますよ。
また各メーカーから製品ごとに微妙なウェイトやレンジが異なるため、さまざまな製品を使い分けると日により変わるヒットレンジをスムーズに探せます。
先ずは小粒で波動が強めに出てアピール力が強いものを各メーカー、ウェイト違いで選ぶと良いでしょう。
樹脂製バイブ
逆に樹脂製のものはフォールスピードが遅く、スローリトリーブでもしっかりと動きます。
魚が浮いている時やマイクロベイトを捕食している時に有効です。さらに鉄板バイブの高速巻きで口を使わない、“難しい魚”を狙うときにもおすすめです。
ジャークに平打ち。リフト&フォールといった小技も使えます。アクションをつける際は“エビりにくい物(ラインがフックに絡みにくいもの)”を選ぶと良いでしょう。
このような小技を自分で効かせて、ヒットに持ち込んだ魚は記憶に残りますよ。
夏の湾奥河川におすすめのバイブレーション
邪道 レイン 14g
強めの波動でアピールできます。
鉄板だが比較的浮き上がりやすくシャローでも使い易いです。
更にダート、平打ちが出きるのも魅力的。湾奥河川シャローゲームで非常に使いやすい鉄板バイブです。
バスディ レンジバイブ70ES
早巻きからスローリトリーブまでタイトなピッチで誘えるので鉄板に口を使わない時に有効です。
ジャークやリフト&フォールといった様々なロッドアクションにも対応してくれます。
ダイワ ミニエント57S
ただ巻きで口を使わない時の切り札です。
比較的エビる事なく軽やかに連続でダート、平打ちができます。
ピンについている魚もリアクションで狙えます。
ポジドライブガレージ クリスタルサリー60S
私も開発に携わり、東京湾奥でのテストを続けてきたアイテムです。誰でも使いやすいバイブレーションに仕上がりました。
ソリッドボディの為、飛行姿勢は良く着底感度も高いです。ただ巻きで出せる細かなピッチのアクションと引き抵抗の軽さから、スレさせることなく長時間使えます。
さらにダートやリフト&フォールでのアクションも秀逸!小技も使って、食い渋った魚をリアクションで狙ってみてください。
とくにフォールを意識するのがおすすめです!
メインベイトを意識すると、さらに釣れます!
ちなみにこの時期のメインベイトは、おもにシャローはイナッコ、ハゼ、エビ類。
流心付近ではプランクトン系からアミ。汽水域では、それに付いたコノシロやサッパといった、海のイメージが強い魚もメインベイトとなることがあります。
本当に夏のシーバスは、さまざまな種類のベイトを捕食している季節です。
ベイトパターンを読みきれないのが夏の難しさ
そのためベイトパターンや魚のいるヒットレンジが絞りきれず、難しく感じ方も多いのではないでしょうか。
私も始めた頃はそうでした。
一見、ベイトフィッシュを捕食していると思いきや!実際に口の中を見ると、大量の小さなアミを捕食していたなんてことも多くあります。
やはりベイトが変わればリトリーブ速度や狙うレンジも変えていく必要があります。固定概念にとらわれず、釣り方も適宜変えていきましょう。
ドシャロー狙いも楽しい夏シーバスゲーム
ここまではバイブレーションを使った、デイシーバスの釣り方を紹介しました。
しかしながら、まだまだ楽しい釣り方はたくさんあります。
最後にその一例として、メジャーな河口付近以外でも成立する面白いゲーム『岸際ドシャローで成立するハク、イナッコパターン』を紹介します。
朝マズメのイナッコ出勤タイムを狙う
狙いは朝マズメ!
ベイトの濃いポイントへエントリーすると、“イナッコ出勤タイム”によるボイル祭りに遭遇できます。
暗い時間帯にアシ際やワンド、ゴロタでステイしていたハクやイナッコが一斉に出てきます。それを待ち構えていたであろうシーバスが一斉に捕食を始める現象です。
地方河川でのイメージが強いシチュエーションですが、じつは東京湾奥河川でも成立するのです。
膝下水深の釣りは最高にエキサイティング!
狙いは岸際!
膝下水深程度からも魚が引き出せます。
狙って引き出すこの釣りは、非常にエキサイティング!これを味わうとシャローゲームから抜け出せなくなりますよ。
しかしながら、中々簡単には釣らせてくれません。
いわゆる悶絶系なのです。微妙なレンジを意識し、割としっかりとした波動を出しつつも、低速でアピールできるルアーを使い分けるのがおすすめです。
例えば一定のテンポでドッグウォークできるトップウォーター。またはバイブレーション感覚で扱えるミノー、ミノー感覚で扱えるバイブレーションなども良いでしょう。
荒川をはじめ東京湾奥には、この釣りを成立させられる場所が無数にあります。ぜひ早起きして朝マヅメの一本をキャッチしてみてください。
ドシャロー攻略おすすめのルアー
ポジドライブガレージ フィンバックミノー75S
浮き上がり易いのでバイブレーションが引いてこれないドシャローで有効です。
ミノーなのですが、バイブレーション感覚で引いてこれます。
バイブレーションが引けないドシャロー攻略で欠かすことのできないルアーです。
ポジドライブガレージ フィンバックミノー75Sライトモデル
オリジナルより2g軽いのが14gのライトモデルです。
単にオリジナルより軽くではなく、ウェイト配置設計から組み直しています。
オリジナル同様のレンジを、よりスローに引けるので、巻き速度で違いを出すときに重宝するでしょう。
ポジドライブガレージ スウィングウォブラー85S
シンキングにも関わらず、浮き上がりが非常に早いので、ただ巻きするだけで誰でも簡単にドッグウォークができます。
目の前で水面爆発!ルアーが飲み込まれていく瞬間はエキサイティングで非常に面白いです。
邪道スーサン
レンジのキープ力も高く、ロールアクションが魅力的。
更に連続トゥイッチを混ぜ左右に飛ばすことでピンにつく魚のスイッチを入れます。
都内では港湾の壁撃ちイメージがあるかもしれませんが、河川シャローでも威力を発揮。
熱中症に気をつけ、夏のデイゲームを楽しもう!
梅雨明けとなると一気に夏の暑さがやってきます。
デイゲームへ行かれる際は必ず多めの水分(可能ならスポーツドリンク)を必ず持っていき、無理のないようお楽しみ下さい!
まだデイゲームで魚を釣った事がない方はタックル選びから参考にしていただき、最初の記憶に残る思い出の1尾を。また中級者以上の方は更なる釣果アップに繋がれば嬉しいです!