イシモチ(シログチ)とは
イシモチとは、ニベ科のニベとシログチを総称するものです。一般にイシモチというと、シログチのことを指します。40センチ前後の大きさの魚で、白っぽい色をしています。頭部に比較的大きな耳石があり、それが「石持」という名前の由来となりました。また、浮き袋を使ってグーグーという音を発生させることができます。
生息域・分布と釣れる時期

世界中の温帯域に生息するイシモチは、日本沿岸では東北よりも南の海域に分布し、やや沖合いの内湾の砂泥地で生息しています。年間を通して釣ることができ、投げ釣りでは6~11月、沖釣りでは12~3月ごろまでがシーズンです。産卵を控えた春~初夏の間と、厳しい寒さの冬が間近な秋が旬になります。
ニベとの違い

シログチと同じく「イシモチ」と呼ばれることのあるニベは、シログチに非常によく似ています。シログチが40センチ程度で白っぽい色をしているのに対し、ニベは黒褐色の小班があり、70センチ以上にも成長します。また、ニベのほうが岸寄りに棲息するため、投げ釣りではニベが釣れやすいと考えられます。
生態・性質
イシモチは水深20~140メートル程度の沖寄りの海で、底が砂泥になっている環境を好んで棲息します。砂に潜む生物や甲殻類をエサにする肉食魚で、小魚も捕食しています。浅海で群れを成し、夜や濁りの出ている時に活発的になりますが、昼夜を問わず釣られます。5~8月の梅雨の前後に沿岸の浅場で産卵します。
イシモチの釣り方/エサ釣り
イシモチは波の荒い海岸はもちろん、内湾の堤防や釣り公園などあらゆる場所から狙うことができます。投げ釣りは5月頃から、秋口から春にかけては船釣りがオススメで、東京湾での船釣りは人気があります。エサはアオイソメを用いますが、サンマの切り身で大型のイシモチを狙うこともできます。
投げ釣り

5月頃からはイシモチが産卵のために浅場へ出てくるため、それが投げ釣りのシーズンインとなります。吹流しの3本針とテンビンを用いた仕掛けが基本ですが、潮の流れが激しい場所ではシンカーを用いた胴突き仕掛けもよく使われます。水が澄んでいるとキスが、濁りが出るとイシモチが釣れる確率が高くなります。
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船釣り

船で沖に出るイシモチ釣りは、秋口から春まで東京湾などで楽しむことができます。竿先の柔らかい2メートル前後の船用竿を選び、リールはベイト・スピニング共に選択可能です。針2~3本と、潮の速さによって20~25号から選んだ重りを使った胴付き仕様にし、仕掛が着底したら竿先をゆっくり上下させて誘います。
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ウキ釣り

夏の時期などは夜釣りもよく行われます。夜釣りの際は電気浮きを使用してアタリを取ります。イシモチの群れは大きなものになると中層を回遊します。エサが海底に着かないようにするため、3号クラスの遠投竿と大型のウキを選び、仕掛けには松葉天秤を介した2本針を用います。投げた後は潮の流れに任せてアタリを待ちます。
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イシモチの釣り方/ルアー釣り

イシモチの活性が高い時はソフトワームで狙うこともできます。堤防などからの釣りには6フィート、サーフでは8フィート前後のロッドを使用します。感度の高い細めのPEラインに、中通し可能なシンカーを使ったキャロライナリグがオススメです。底をズルズルと引き、アタリがあったらすぐに合わせてください。遅いとルアーは吐き出されてしまいます。
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イシモチの口に収まる大きさのワームが好ましく、2インチほどの大きさのものを選びます。グラスミノーであればMサイズがちょうどいいサイズになります。カラーはパールやホワイト系ワームがオススメです。キャロライナリグにすることで自然に浮遊しながら緩やかに進むため、イシモチが食いつきやすくなります。
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鮮度が命、イシモチ料理
鮮度落ちが早いため、刺身などでは馴染みのないイシモチですが、調理用としてスーパーに並ぶことは比較的多く、しかも安価のため、焼魚としてよく食べられています。練り製品としての流通もありますが、その場合は比較的高値での取引になっています。柔らかく上品な白身のため、釣れれば是非刺身で味わいたい魚です。
塩焼き

鱗、エラ、はらわたを取ってきれいに洗ったら、塩を振って1時間ほど置き、身を引き締めます。これにより、身に多く含まれる水分を抜きます。イシモチの皮は薄いため、焼くとパリっとして風味がよく、柔らかい白身との相性がとても良い味わいになります。干物や、調味料でつけた身を焼いた「幽庵焼き」も絶品です。
刺身

鮮度が良いイシモチの刺身は絶品です。釣り人ならイシモチが新鮮なうちに食すことができるため、刺身はお勧めの食べ方です。3枚におろして水気を取り、刺身にします。皮を引かず、皮目を炙っても美味しい刺身になります。
煮付け

煮付けにしてもクセのない味わいと旨味で美味しく召し上がれます。煮込む際はウロコを取り、エラ、ワタを取ってよく洗い、調味料が浸み込むよう飾り包丁を入れます。鮮度の落ちているものは塩を振って水分を出してから使うとGoodです。エラが鮮やかな赤であれば、鮮度は落ちていません。
ムニエル

クセのないイシモチの白身は、洋風に調理してもとても美味しく仕上がります。ムニエルは、3枚におろしたイシモチに塩コショウをし、さらに表面に小麦粉をまぶします。その後、油やバターを熱したフライパンで両面をカリっと焼いて完成です。小麦粉にカレー粉などを加えてアレンジしてもさらに美味しく召し上がれます。
海が濁ったらイシモチを狙ってみよう!

海が濁ったときは、イシモチヒットのチャンスです。エサで、ルアーで、狙ってみてはいかがでしょうか?焼魚や煮魚としておなじみのイシモチですが、刺身で味わうことができるのは釣り人ならではかもしれません。イシモチが釣れたら、刺身を楽しむ絶好の機会です。新鮮なイシモチの刺身も是非、味わってみてください!
Enjoy the fresh White croaker!
新鮮なイシモチを味わって!
