バスフィッシングと雨
「雨の日ってバスがいつも以上に釣れたりするのかな?」
バス釣りをする方であれば一度は思うこの疑問。
雨予報だとガッカリしてしまう人がいる一方で、心の中でガッツポーズをしてしまう人もいると思います。
はたして雨は釣れるのか? 雨が降る事でどんな事が起こるのか?
雨の日も晴れの日も、年間釣行300日釣りに行く筆者が、「雨とバス釣りの様々な説」に関しての回答をご用意しました!
水が入れ替わって釣れる説
雨が降るということは、新しい水が供給されると言う事です。
雨によって酸素の含んだ水が供給され、水に含まれる残存酸素量が増します。バスも生き物なので酸素は重要です。
例えば秋のフォールターンオーバーなどの現象では酸素量が低下すると言われています。そんな時に雨によって酸素が供給されると魚の活性が上がると言われています。
夏場の水温が高い時期などは、冷たい水が流入することで魚のやる気上がるということもあります。
また雨による水の供給で水量自体が増加します。水量が増えることで春などはシャローに魚が上がってきやすいと言われています。
回答:様々なケースが考えられる
「釣れるんか、釣れんのかどちらやねん!」と思われるかもしれませんが、自然はそんな単純なものではありません。
状況によって、釣れ易くも・難くも、水が良くなるも・悪くなるも、どちらに転ぶ可能性があると思っています。
▼ 死んだ水が生き返る例
例えば真夏。強力な日光で水が熱されて水温が30度を簡単に超えるような状況では、水温の低い水が供給される雨は厳しい状況を変える力があると思います。
また水が全然動いていない、いわゆる水が”死んでいる”と言われている状況だと、新しい水が入って流れをつくることでフレッシュな水に入れ替わることもあります。そういうときは経験上よい思いをすることがあります。
▼ 水質が一気に変わると食わなくなることもある
水が生き変わる例と真逆で雨が降って一気に食わなくなる……という経験も少なからずあります。
例えば雨や流れが強くなったせいで土砂を巻き上げて水質を極端に悪化させるケース。
小雨や通常の雨では感じたことがありませんが、バケツを引っくり返したような大雨が降り続いた時。そんなときは一気に活性が落ちるような経験をしています。
筆者は魚を飼育するアクアリウムが趣味ですが、水を変えた時に飼育魚が一時的に活性が著しく落ちる様子も見ています。
水の温度やph値などが一気に変化すると魚にとって良くないのかもしれません。
▼ 水温が低下で低活性になるケースも
大雨によって水温が一気に低下すると活性が下がりタフコンディションに突入する経験を何度もしています。
特に低水温期などに顕著ですが、たとえ夏季においても大雨で一気に水温が下がりすぎると急に食わなくなることもあります。
鳥のプレッシャーが減って釣れる説
雨の日。鳥は体温低下を防ぐために雨宿りをするとされています。
バスおよび魚類の天敵である鳥があまり飛ばなくなり、上空からのプレッシャーが下がるために警戒心の解けたバスがアクティブになるという説があります。
普段はカバーに隠れている魚もオープンウォーターに出て積極的に捕食をすると言われています。
回答:気持ち程度には影響しているかも
実際トンビなどの鳥は飛ばなくなるので要因の一つとしてあると思いますが、雨でも飛ばずに(泳いだり・浅瀬で待ち構えたりして)餌をとっている水鳥を見かけることもあります。
魚が安心する・プレッシャーがゼロになるとまでは言い切れませんが、プレッシャーを感じにくくなっているバスもいるでしょう。
濁りが入って魚を騙しやすくなる説
雨によって土砂などが巻き上げられて濁りが入ることがあります。それによってバスの視覚が制限され、ルアーで騙しやすくなり、釣りやすくなると言われています。
回答:ほどほどであればプラス
雨による濁りはほどほどであればプラスに働くと筆者も考えております。
ささ濁りだと魚を騙しやすくなると感じます。
ただしカフェオレのように濁ったときは少しだけ難しくなり、波動の強いルアーできっちりと気が付かせないと魚に見つけてもらえないと感じます。
餌が流れてくる・お食事チャンス説
雨はカエルやミミズなどが岸から落ちてくることがあります。
魚の目線は上に向き、落ちてくるものを条件反射的に捕食するようになるためルアーで騙しやすくなると言われています。
回答:雨の中の岸際は大チャンス
とくに草や木が水面に覆いかぶさっておるような場所ではそれを狙ったバスが沢山釣れる経験をしています。霞ヶ浦などのレイクでポッパーで釣れたり、ため池などでも吊るしなどのテクニックが炸裂することも多々あります。
こういったバスを狙うコツは自然と水に落ちる餌を演出できるルアーを選択することです。
人的プレッシャーが下がる説
雨が降ることで必然的にアングラーが減り、魚がプレッシャーを感じ難くなるという説。
雨は水面を波立たせ、魚の居る水中からアングラーの立つ岸際を見えづらくする効果や、釣り人の発する音や振動を掻き消す効果も期待できると言われています。
回答:雨の日が釣りやすくなる最大の理由
雨の日は晴れの日に比べると釣り人が減ります。
釣り人のプレッシャーが減ることでよい釣果に繋がっている……というのは十分考えられます。
さらに雨とバス釣りについて踏み込んで考えてみる
暖かい雨と冷たい雨がある
釣れる雨と釣れない雨の違いは、雨が暖かいか冷たいか……という違いもあります。
“冷たい雨”は上空に寒気が入り込んで降るので水温をガクンと下げます。大粒で激しい雨になることが多いです。気温自体も寒気の影響で下がるので悪影響を及ぼすことが多々あります。
“暖かい雨”は上空の水滴が落下して降るため、水温も気温もそれほど下がらずに、しとしと降るような雨であることが多いです。そういった雨はよい釣果につながると思います。
雨本体ではなく曇天や低気圧が魚のスイッチを入れる?
雨が降るときというのは基本的に曇天で気圧が下がります。雨の日に”釣れる”という実感はもしかすると雨本体の効果ではなく、気圧変化やローライトによるものかもしれません。
実際、雨が降らなくても曇天の日は、晴天に比べてよい釣果に恵まれることも多いかと思います。
気圧と釣果については諸説あります。バスフィッシングの本場アメリカの研究でも低気圧がもたらす科学的な証明は明確にはされていませんが、低気圧が近づくことで気圧の変化が起こり、捕食に何らかのスイッチを与えているのかもしれません。
経験則で言えば気圧がどんどん下がってくるときは、ドピーカンの晴天が1日中続く時に比べて時合(フィーディングタイム)が長い傾向があると考えます。
ローライトについては晴天に比べてシェード(影)ができづらいこともあり、普段は日光を避けるバスたちがカバーから離れて捕食行動をとる、という理由が考えられます。
説明できない雨のパワーもある
雨、それも大雨は時に説明のつかないパワーで爆発的釣果を生み出すこともあります。
一日にロクマルが何本も釣れたり、特大のバスが釣れたりするのも大雨の日です。
水が大きく変わってレギュラーサイズのバスが食わなくなる。といった状況でも、マックス級のバスが口を使うこともあります。
安全対策は万全に
足元に注意
雨の日のオカッパリは足元が雨でゆるくなったり滑りやすくなっていることも多々あります。滑落やスリップなどの危険も予想されるので無理をしないようにしましょう
急な増水に注意
雨による急激な増水などにも注意が必要です。とくに上流にダムがあるような川などは放流によって一気に水量が増えることもあります。無理せず周囲の状況や天気予報を確認しながら安全には細心の注意を払いましょう。
体調に注意
雨で体を濡らしてしまうと体温が奪われていきます。とくに秋〜春の低気温の時期は体温が下がってしまうと風邪などを引いてしまいます。レインウェアや体温維持のためのウェアをきっちり用意しましょう。
雨のバス釣りを楽しもう
バスフィッシングに出かける週末の天気予報が雨だと残念な気持ちになってしまうかもしれません。
ところが雨によってバスフィッシングにプラスに働く要素もたくさんあります。
安全性の確保に十分に努めながら、雨の日のバス釣りを楽しみましょう。
ライタープロフィール
ビックリマン高田
Always had high hopes.
I wanted Monsters,I want Monsters…
Put my past Trophy’s .I vie for new Trophy’s.2019:5100g
2020:5110g
2008:4800g
2019:4600g#sences#transcendencejp pic.twitter.com/DbNIWc6LNH— ビックリマン高田雄介 (@bikkurimantkd) April 7, 2020
海外釣行ツアーChillTrip所属のプロガイドであり、Transcendenceのロッドデザイナー。年間釣行日数は300日ほど。GTから近所の小魚まで淡水海水問わずになんでも釣ります。
国内での釣行はバスフィッシングがメイン。関東在住ながら琵琶湖のモンスターバスフィッシングが得意分野です。