ランガンは5投で十分!?

ランガンとは

ランガンとはラン&ガン(RUN&GUN)の略称。一箇所で魚を待つ回遊待ちとは異なり、歩き回って積極的に移動し、銃のように連打で広範囲を探って魚と出会う確立を高めるスタイルです。
ランガンを5投以内に決める理由
ランガンは、数打ち(キャスト数)勝負!と思うアングラーも多いでしょうが、5投して移動する……という癖をつければより多くのポイントを探ることができ、より沢山の魚が釣れるようになると私は考えています。
1日で周れる「エリア」が増える
バスフィッシングにはエリア(広域の範囲を示す用語)という考えがあります。当然、良いエリアは魚が濃いですし、釣れる確率もグンと上がります。
ただ、1日のうちに、その良いエリアに行き着くには、数多くのエリアを回る必要があります。
1つのエリアのなかで、最高と思えるピンポイントを5投で探っていけば、1日で多くのエリアをみて回る事ができます。
フィールドの全体像が把握できる
5投ランガンでは、結果的に多くのエリアをチェックする事になり、それによりフィールドの「全体像」も把握することが出来ます。
例えば下流部が濁っていて、上流部が徐々に澄んできているとするならば、数日前に雨が降って徐々に上流部から水が回復してきている……なんてことも想像できるわけです。
高い集中力を維持できる

とにかく投げ倒す……というランガンスタイルは手数が増えて魚に出会う確率が上がる一方、巻き方や投げる場所などが雑になりがち。
5投と決めて釣りをすれば、その5投はとても集中することができます。
投げる場所、巻くスピード、使うルアー、アクションなどをよく考えて選ぶ事になるので、結果として良い釣果に繋がるわけです。
5投ランガンは時間の使い方やポイントの見切りが上手くなる!
時間の配分や見切りが大切なバスフィッシングにおいて、5投でのランガンはとても有効なスタイルです。
今回は一例として広大な面積を持つ琵琶湖で1日釣りをする時の時間の使い方をご紹介します。
1日で周れる範囲という事で、琵琶湖の中でも琵琶湖南湖を範囲に設定しました。
第1段階(午前中)4つのエリアに分けて全てを周る
エリアを大きく4つに分けてそのエリアの一番良さそうなポイントを5投ずつしていき、エリアを全域を回ります。
魚が釣れたエリアや、水の質が良いエリアなどなど、良い状態のエリアを覚えておきます。
もし、自分の移動手段では全域を回りきれない……というほどフィールドが広大な場合は最初から範囲を限定して、その中で同じようにエリアを4つに分けます。
例えば琵琶湖南湖の中でも東岸の北側に場所を限定すれば、自転車が移動手段であるアングラーや、短時間しか釣りが出来ない時にもこのスタイルが通用します。
第2段階(正午〜午後15時)良いエリアをさらに4つに分ける
1段階で良いと判断したエリアをさらに細かく4つに分けていきます。ここでのランガンも5投。範囲が狭まった分、段階1よりも投げるポイントは当然増えます。
良いエリアの中でも、より良いエリア。もっと言えば最良のピンスポットを見つける作業がこの2段階です。
また、1段階で絞った良いエリアで釣りをする事になるので、フィールドのコンディションがよければこの段階で釣れる魚も多くいるでしょう。
第3段階(夕方〜日没)絞ったエリアで答え合わせ
2段階で絞った最も良いピンスポットで再度釣りをします。ここで上手く絞り込めていれば良い釣果に巡り会うことが出来るでしょう。
もちろん良いエリアは1つとは限りません。良いエリアをいくつか見つけているならばそこは全て探りましょう。
ここでは5投にこだわる必要はありません。条件が良いなら同じ場所で粘るのも良いでしょう。
エリアの良し悪しを判断するスコア制度
「良い要素」に点数を割り振り、トータルのスコアからエリアのポテンシャルを数値化します。
上記の図では【2】が最も高いので、粘る価値のあるエリアです。
反対に【3】のエリアの状況が悪いのは明らかなので、ルアーを投げずとも見切ることが出来るでしょう。
スコア例(100点満点)
■バスがいる【釣れた・見た】(30点)
バスが釣れたり、見えバスがいるなど、バスが溜まっているエリアは当然良いエリアです。
■ベイトがいる(30点)
ベイト(餌)が溜まるエリアには当然バスも集まります。
■風向き・強さ(20点)
風が吹き付ける場所にはベイトやバスも溜まります。反対に爆風の日は風裏がよくなる場合も。
■水の状態 20点
良い水の場所を選びましょう。質も当然ですが水が動いているかどうかも重要です。
ポイントの良し悪しを判断するスコア制度
バスがつく各ポイントに点数を割り振り、各ポイントのポテンシャルを数値化。優先して打つべきポイントを絞ります。
図のようなエリアなら、最もスコアの高いポイントAに5投します。
このエリアが、エリアを絞り込む前の【第1段階】であれば、B・Cは狙わず、エリアを絞り込んだ後の【第3段階】なら、良いエリアという事が分かっているので、B・Cもじっくり狙います。
スコア例(100点満点)
■障害物がある(20点)
木・石・ウィード・人工構造物などの、障害物はバスを強く惹きつけます。
■カケ上がりが絡む(20点)
バスもベイトもカケ上がりの落ち込みに沿って泳ぐ習性があります
■水通しが良い(20点)
水が動くことでベイトもバスも動きます。
■シェードがある(20点)
バスは物陰に好んで潜みます。
■ディープとシャローが隣接している(10点)
バスは捕食のために、深いところから浅い場所へ移動する習性があります。
■沖にバスをストックする障害物がある(10点)
バスが潜む障害物が近くにあればそこから魚が移動してくる可能性が高いです。
5投ランガンでもっとバスフィッシングを楽しもう
5投でランガンしていく……というスタイルを実践することで、エリアやポイントの選択がより洗練されたものになります。ゲームフィッシングとしてのバスフィッシングの奥深さと楽しさを味わえるはずですよ!
ライタープロフィール
Always had high hopes.
I wanted Monsters,I want Monsters…
Put my past Trophy’s .I vie for new Trophy’s.2019:5100g
2020:5110g
2008:4800g
2019:4600g#sences#transcendencejp pic.twitter.com/DbNIWc6LNH— ビックリマン高田雄介 (@bikkurimantkd) April 7, 2020
海外釣行ツアーChillTrip所属のプロガイドであり、Transcendenceのロッドデザイナー。年間釣行日数は300日ほど。GTから近所の小魚まで淡水海水問わずになんでも釣ります。