セイルフィッシュと釣り
セイルフィッシュって?
日本ではバショウカジキと呼ばれ全長3m前後にまで成長するカジキの仲間です。
セイルフィッシュは世界最速の魚で時速100kmを超えるスピードで泳ぐことができるとも言われていますが、これは物理的に考えて夢のお話です。
実際の遊泳速度は「20km」程度
セイルフィッシュは比較的ゆっくりとした速度(時速2km前後)で泳ぎ、餌を追うときでも時速10km程度です。
夢を奪ってしまいスミマセン。しかし、マグロが時速100kmで泳ぐとか、その手の話はなかなか現実的では無いのです。
なにせ海水の密度は空気の800倍あります。時速1300kmで打ち出された弾丸でさえ、十数mで止まってしまう。魚たちはそんな抵抗の中で生きているのです。
しかしながら、突発的に時速20km程度にも遊泳速度が上がるため、「リールから火が出るんちゃうか?」ってくらい早い……。気を付けてくださいね。
セイルフィッシュが狙える地域は?
セイルフィッシュはインド洋と太平洋の熱帯・亜熱帯地域に広く分布し、日本では東北地方以南で見られます。
別種ではあるものの、大西洋でもセイルフィッシュの仲間が生息しています。暖かい地域では比較的どこでも釣ることができる魚です。
「ロンピン」が熱い理由
手頃な値段で航空券を購入でき、日数も4〜5日あれば充分楽しめるのがマレーシア・ロンピンです。
この海域には、毎年8月から10月にかけて沢山のセイルフィッシュが集まり、巨大な群れを形成します。
世界有数のセイルフィッシュの生息地なのです。
ここでさえも釣れなくなってきている?
一昔前までは、「船の周りがセイルフィッシュだらけで、入れ食い」なんて状況もありました。
しかし、ここ数年「スレてきているのでは?」と言った声をほんの少し耳にするようになってきました。
キャッチ&リリースが推奨されている海域ならではのスレ問題かもしれません。いつか行こうと思っている方は、早めに釣行に出向いたほうがいいかもしれません。
セイルフィッシュの釣り方
ロンピンでのセイルフィッシュフィッシングは「餌釣り」と「ルアー釣り」の2択。
タックルについてはどちらの釣り方も同じ物を使用します。
まずは餌で坊主回避。それから、ルアーで楽しむというのが一般的です。
餌の確保
その場でアジやサバ、コノシロの仲間をサビキで釣って泳がせます。
南国のサビキ釣りって色んな魚が釣れてくるから面白いですよね!
もちろんコマセなんて必要ありません。
必要な仕掛け
仕掛は単純明快! 100lbのナイロンリーダーにネムリ針を直結するだけです。
この時、ルアー用のフックだと少々大きすぎるので気にする方は一回り小さい針を用意することをオススメします。
活餌をつけたらあとは、ラインをフリーにして待つのみです。
アタリは超高速です
突然アタリがくるので油断しないでおきましょう。
セイルフィッシュは餌を咥えると一気に走り出しますので、ラインを出して飲み込ませます。
キャプテンの合図でベイルを返してフッキングを決めましょう!
世界最速のファーストランをご体感あれ!
スピードに乗ったセイルフィッシュは一気に100m以上走ることもしばしばです。
ドラグを緩めに設定してジャンプや高速ランを楽しんでください。
ラインは300m以上巻いておきましょう
推奨ラインはPE4号を300mです。
ロッドとのバランスが合えばPE2.5号でもボートのフォローがありますのでランディングは可能です。
キャッチ&リリースが大前提となっているロンピンでは、魚へのダメージも考えたタックル選択やファイトを心掛けましょう。
セイルフィッシュを狙うルアーとタックル
ルアー
セイルフィッシュを狙う場合、早いアクションで飛沫を上げながら誘うことが基本になってきます。
チェイスがあっても焦らずアクションし続けることがポイントです。
また、フッキングし辛い魚ですので丁度口に収まる13cm前後の細見のルアーがオススメです
タックルハウス コンタクト フィードポッパー 120mm
ペンシルならこちらがおすすめ。
ジャンプライズ ララペン 125F
フックセッテッィング
ルアーへの反応が良いことで有名なセイルフィッシュですが、なかなかフッキングに至らない魚です。
シングルフック単体か、2本を外向きに固定したもの(通称バタフライフック)へ交換しておくことをオススメします。
カツイチ パイク・タイプR JS-3
良く曲がるシイラロッドが最適
ジャンプが多い魚ですので曲がる竿が有利になります。
豪快なジャンプに追従してくれるようなしなやかな竿を選びましょう。
天龍 スパイク ボニート SK722BN
PE4号300mが入るリールを選びましょう
シマノ 13 バイオマスターSW 8000HG
ハイエンドのリールをわざわざ用意する必要はありませんが、何せスピードが速い魚ですのでハイギアのリールを選ぶようにしましょう。
また、遠征先で万が一メカニカルなトラブルに遭遇してしまった時に備え、予備リールや替えスプールを持っておくと安心です。
セイルフィッシュ釣りの予備知識
フッキングが難しいセイルフィッシュ
ルアーにバイトがあっても絶対に合わせてはいけません。
セイルフィッシュはルアーを咥えたまま走り出しますのでそれまで我慢です。
走り出したらフッキングのタイミングです。
頬っぺたなど、口の外に掛かります
口の外から掛けるイメージを持って置くと焦らずに済むかと思います。ルアーが咥えられなかった場合は、ミスバイトとして受け入れましょう。
安心のツアーがオススメ
個人手配でも釣行可能なのがロンピンの手軽さの一つです。
言語やマレーシア国内での移動が心配な方、釣り方などのレクチャーをご希望なら、ツアーを利用することをオススメします。
ライタープロフィール
山根 kimi ヒロユキ
初めての1匹を求め、世界中何処へでも行く怪魚ハンター「山根ブラザーズ」の兄。餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っています。フィッシングガイド兼ライターとして活動中です。皆さんも僕と一緒に初めての1匹を求めて釣りに出かけてみませんか?
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017