魚は確実に釣れなくなってる! レジェンドが語る“無視できない釣り場の現実”とは

2019/03/29 更新

東京湾のシーバスが釣れない!これは腕の問題だけでなく、生息数が減っている……これが原因なのではないか。ということで、シーバス界を黎明期から支えてきたレジェンド「村岡昌憲」さんに、実際のところをインタビューしてきました。その中で聞けたのは、想像を絶する問題や現実。われわれ釣り人に無関係ではない非常に重要な話でした。


アイキャッチ画像撮影:TSURI HACK 編集部

ホントに釣れない


編集部I
シーバスが釣れねえです。


編集部N
でしょうね。


編集部I
でしょうねって……

ここまで来ると、腕の問題だけじゃない気がするんですよね。魚が減ってるんじゃないかって


編集部N
ほう


編集部I
自分、ちょっと聞いてきますわ


編集部N
……


編集部I
ということで、来週木曜に予定入れたんで。行きましょう。


編集部N
え?だれに?

あのレジェンドに会いに行く

編集部I
村岡昌憲さんです。


編集部N
お前、マジか。レジェンドの中のレジェンドじゃん。


編集部I
マジでシーバス釣れないんで。


編集部N
いや、そういうことじゃなくて


編集部I
とりあえず会いに行きましょう。









編集部I
うわ……本物なんですけど。(小声)


編集部N
オーラが半端じゃないわ


編集部I
……ちょっと無理な気がしてきました



村岡昌憲

1990年代より、シーバス界を牽引してきたレジェンド。

釣り人向けのSNS「fimo」の創設者であり、ルアーメーカー「Blue Blue」の代表を務める。

JGFAアンバサダーでもあり、釣りや水産資源を未来に繋げる環境づくりのため、積極的に声を挙げている。

有名なものでいえば、国のマグロ類に対する資源管理に対してのデモ参加など。

やっぱり魚は減っていた


編集部I
村岡さん、東京湾のシーバスが釣れなくて困っています。

昔はたくさん釣れたと聞くこともあるので、魚が減ってるんじゃないの!?って思っているんですが、どうでしょう?


村岡さん
はい。確かに釣れなくなってきているのは、間違いありません。


編集部I
やっぱり!


村岡さん
ただ、同様に釣り方と釣具が進化しているので、釣果自体は落ちていませんよ。


編集部N
I君の腕の問題だね?


編集部I
そうですね……。


村岡さん
しかし、ハイシーズンに入ってくる魚の量が減っていますから、釣れない人も多いでしょう。


編集部I
ほらね~!聞きました?Nさん!だから言ったじゃないですか~!(ドヤ)


編集部N
なんだコイツ腹立つな


編集部I
昔と比べて、どの程度釣れなくなっているのでしょうか?


村岡さん
自分の体感ですが、10年前と比べてシーバス=スズキの量は半分ぐらい


編集部I
半数!?そんなにですか……


数万とシーバスを釣り上げた人からの言葉。事態は想像以上に深刻かも知れない。
村岡さん
そうですね。特にガイド船なんかは、昔は3桁は当たり前。100、200と数を出していました。

ところが、今は走り回らないと釣れない。悪ければ1ケタ台の釣果で終わることもありますよ。


編集部I
沖にはたくさんいるイメージでしたが、違うんですか?


村岡さん
遊漁船の船長たちも口を揃えて言っていますが、東京湾に生息するスズキが減っています。

なぜ、魚が減っているのか?

編集部I
東京湾のスズキが減っている……なぜですか?


村岡さん
理由は明確ですが、獲りすぎてしまっていることが原因です。


編集部I
獲りすぎってことは、漁による影響ですか?


村岡さん
そうですね。釣り人サイドからしたら、なんとかしてくれ! というところでしょう。

しかし、獲っている漁師さん方も生活がかかっています。獲れなくなれば、獲るために時間をかけてでもやるしかないのです。


編集部I
それじゃあ、減る一方じゃないですか!


村岡さん
はい。しかし、漁師さんも自覚をしています。

午前で終わる漁が、夜通しやらなきゃ飯が食えない。釣り人も遊漁船も漁師も、“減っていることに対しての問題意識は一緒”ということです。


獲れなくなるまで気づかない。全国で起きている問題だという。
編集部I
それじゃあ、協力したりして……


村岡さん
おっしゃる通りです。各方面から声が上がり、会合を行ったことがあります。その際、私は釣り人の立場として参加しています。


編集部I
そんなことが!その時の内容はどんなものですか?


村岡さん
漁師・釣り人だけでなく、水産学の先生が揃い、現状の問題について話し合いましたね。

多くの案が出て、対策もいくつか挙がりました。


編集部I
じゃあ、なんとかなるのですね!


村岡さん
……すぐに何かできるわけではありません。

現状の調査をしてもらう必要もありますから、その結果を待たなければいけません。ですが、何年も待っているうちに事態は深刻になるかもしれない。自分なりに声を上げ、動いていくつもりです。


実際の資料。我々が釣りを楽しむ裏側では、こういった活動も行われている。

このままだと、魚がいなくなってしまう

編集部I
東京湾のスズキが減っている……非常にもどかしい思いです。話を聞いていると、他の魚にも当てはまるのではないか?と思えてきました。


村岡さん
もちろん、そうでしょうね。

今でこそ注目されていますが、マグロなんかが代表的な例でしょう。太平洋のマグロは、以前が100だったとすると……2ぐらいまで減っています。


編集部I
そんなにですか!?


村岡さん
ええ。まだ獲りますからね。このままだと“いなくなってしまう”かもしれません。


マグロは日本人にとって馴染みの深い魚。まさに未曾有(みぞう)の危機である。
編集部I
釣り人にとってどころか、食べることすらも危うい気がするんですが……


村岡さん
ええ。ですから、さすがに沿岸漁師から獲れない・飯が食えないとの声が上がってきました。


編集部I
それは、そうですよね。


村岡さん
そうしてデモ活動へと繋がります。漁師だけでなく、釣り人までもが声を挙げはじめたのです。

資源を守るため、協力することで大きな声となり、実際に日本の漁業を見直すきっかけとなりました。


編集部I
デモ活動には、村岡さんも参加されたとお聞きしました!


村岡さん
そうですね。自分は釣り業界においては、認知をされている方だと思っています。

自分の影響力を活かして、資源回復のお手伝いを積極的に行えればというところです。


編集部I
実際行ってみて、変化は見られましたか?


村岡さん
これをきっかけに、新しい動きが見られるようにもなりました。

現状は楽観視できませんが、期待はできます。マグロの成功例が、スズキや他の魚にも繋がるように……できることはしたいですね。

釣り人としての認識


編集部I
しかし、話を聞いていると漁業による影響が多いように思えます。

「漁師のせいじゃね?釣り人はあまり関係ないじゃん」と捉えてしまうこともありそうです。


村岡さん
多くはそうでしょうね。しかし、無関係ではありません。

例えば条例ができたとします。スズキに禁漁期が設定されたなら、釣り人も守らなくてはなりません。同じ水産資源である以上、足並みを揃える必要はありますよね?


編集部I
確かに、そうですね。釣り人も、同じ水産資源を利用させてもらってる以上は考えなきゃいけませんね……。

我々にできることはないだろうか?

編集部I
私たちも釣りを通して、魚に繋がっています!何かできることはないのでしょうか?


村岡さん
活動すべきは遊漁船やプロアングラーなど、釣りで生活をしている人々です。

多くの釣り人は、レジャーとして釣りを楽しんでいただければ良いと思います。


問題に対して炎上を差し向ける方もいるが、気持ちの良い止め方ではない。と語る。
編集部I
確かに、釣りは楽しんでこそのレジャーです。でも、考えなきゃならないこともある気がします。


村岡さん
“魚が減っている”という問題を認識していただければ、無駄な殺生はありません。ふとした時にでも、思い出していただけると嬉しいですね。

あとは、こういった問題に関心の高いメディアやメーカー、プロアングラーなどを支えてあげてください。1人の声援でも、行動するための力になります。

釣りを楽しみ続けられる未来に向けて


編集部I
資源の問題と同時に、釣りができる場所についても制限が出てきていますよね。いわゆる“釣り禁止”と呼ばれる場所ですが、この問題についてはどう思われますか?


村岡さん
釣りをもう少し、社会化していかなくてはならない。そう感じています。


編集部I
社会化……ですか?


村岡さん
釣り人は釣りをする対価、つまり使用料を払って釣り場や環境と“顧客関係になる”ということです。


編集部I
なるほど!それであれば、場所を綺麗にする費用に回したり、ゴミを捨てる人も減るということですか?


村岡さん
そうですね。ゴミを捨てる人というのは、誰も見ていないところで行います。その場所と自分、周りの人間と無関係であるから、そういった行為に及ぶ。つまり、無社会であることが原因というように考えています。

しかし、内水面では違います。遊漁券が必要な場所は、ゴミも少なければ一定の整備も整っています。漁協側はこれに伴い、鮎の放流数などで集客活動を行いますよね。こうした社会の一環が、釣りを気持ちよくさせてくれるというわけです。


編集部I
どうして海では行われないのでしょう?


村岡さん
それは、魚の居場所の問題でしょう。内水面に比べ、海の魚は回遊しますから。管理は難しいです。


編集部I
言われてみれば、確かに。


村岡さん
こういった問題を本質から解決するため、私自身も行動はしています。「fimo」なんかもそうですね。


「fimo」=釣り人向けのSNS。仲間をつくるきっかけにも最適だ。
編集部I
自分もfimoを利用した経験があります!
確かに、マナーやルールに厳格なユーザーが多いように思えました。


村岡さん
ありがとうございます(笑)

fimoを利用してブログを書くことで、様々な人と繋がります。関係を持つことで、釣り場で悪いことはしにくくなる。匿名性があるとはいえ、釣り人として“顔を持つ”ということが狙いでした。


編集部I
確かに。仲の良い人がブログなどでマナー啓蒙をしていると、自分もやってみよう・気をつけようと思いますね!


村岡さん
そういった意識の連鎖、認識が繋がれば理想的です。


編集部I
村岡さんのように、実際に行動している人がいる。このことを私たち釣り人は認識し、問題があることを忘れてはいけませんね……!


村岡さん
そうですね。考えてもらえるだけでも嬉しいです。


編集部I
改めて感じたが、スゴい人だぞ……。

真剣に問題へ向き合う姿勢。言葉の重さといい、レジェンドたる由縁を改めて感じた。

もう一度考えたい、釣りを取り巻く環境

編集部I
僕らも、改めて考えなきゃいけませんね。


編集部N
ほんとにね。

考えることをやめてしまえば、無かったことになっちゃうから……何が問題なのかは認識だけはしておくべきだね。


編集部I
しかし、スゴい人だったわ。

あんな動機で来てしまったのが恥ずかしいぐらい。


編集部N
いや、ほんとに。


編集部I
村岡さん、マジレジェンド。


編集部N
……


■取材協力:株式会社カルモア(Fimo)

■画像提供:Blue Blue株式会社

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TSURI HACK編集部
TSURI HACK編集部

TSURI HACK運営&記事編集担当。海から川・湖、エサ釣りからルアーまで幅広く釣り情報をお届けします!

 

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