フッキングの2つのコツ
魚種や水深、距離、竿の調子、糸の種類、針の特性によって、フッキングの動作は異なりますが、ここでは一般的なフッキングについて解説します。
針を貫通させる力が必要
魚の口を貫くには、想像している以上に大きなエネルギーが必要。なぜならラインが伸び、ロッドが曲がり、フッキングパワーを吸収してしまうからです。遠距離でヒットした場合や大型の魚ほど、その傾向はより顕著に。
もし可能であれば、リールから50メートル程度ラインを引き出し、ラインの端を持った状態で友人にロッドを煽ってもらいましょう。きっと、自分の手に掛かる力の小ささに、驚かされるはずです。
バットで合わせる
フッキングパワーを針まで伝えるためには、ロッドのティップ(穂先)ではなく、バット(胴)部分を使ってフッキングすることが大切です。強い負荷を掛けられるのは、柔らかいティップではなく、強靭なバット部分。
ロッドの調子によってパワーを発揮するセクションは異なりますが、そのロッドの強い(固い)部分まで曲げて、針先に大きな力を掛けることが大切です。
フッキングの手順
手順① 糸フケを取る
針にパワーを伝えるためには、糸を張った状態からフッキングをしなければなりません。そのために、フッキングの前には糸フケをとる必要があります。
糸が緩んだままロッドを煽っても、糸がまっすぐになるだけで、針にはまったくパワーが伝わりません。アタリがあったら糸フケをとる癖を身につけましょう。
手順② しっかり竿を倒す
フッキングの予備動作として、竿を動かすための“アワセしろ”を確保します。上方向にフッキングするなら前へ、右方向にフッキングするなら左方向へ、フッキングする方向とは逆に竿を倒しましょう。
アワセしろを作らずにフッキングをすると、十分なストロークを確保できないため、強いフッキングパワーを得ることができません。
手順③ 体の前から手前に引いてアワセる
体の前に作ったアワセしろを使って、“ロッドを体に引き付ける”動作でフッキングすることで、ロッドの最も強い部分でパワーを針へ伝えられます。どの方向にフッキングする場合も、手前に引くことが非常に重要。
竿を極端に立てるようなフッキングをしたり、手首だけを返すフッキングでは針が刺さらないのはもちろん、穂先に負荷が集中して破損につながる恐れもあります。
手順④ ハンドルを巻く
フッキングを終えれば、糸にテンションを与えるために、すぐにハンドルを巻きましょう。針にテンションが掛かっている限り、スッポ抜けることはありません。
また、フッキングが完璧ではなかった場合も、リーリングによって魚の重量が針先に掛かり、針が貫通するということもあります。