実は2種類ある“継ぎ”のスタイル

持ち運びがしやすいように複数本に分割されている「マルチピースロッド」。2ピースロッドや、パックロッドと呼ばれることが多いです。
このマルチピースロッドには同じように見えて、実は2種類の継ぎ方があることをご存知でしょうか?
みなさんもご自分のロッドがどちらの継ぎ方なのか、ぜひチェックしながら読んでみましょう。
印籠継ぎ(スピゴットフェルール)の継ぎ方・外し方

印籠継ぎとは?
印籠(いんろう)継ぎ(スピゴットフェルール)とは、ロッドのブランクスに各ピースを継ぐための「芯」を固定したタイプのことを指します。芯を介して各ピースを継ぐこの方式のメリットは、竿の曲がり方がスムーズに描かれること。マルチピースロッドでよりスムーズな曲がりを実現した上位モデルには、この方式が採用されていることが多いです。
デメリットとしては、芯の部分は中身が詰まった状態のソリッドになっているため、どうしても重さが増してしまうことです。
印籠継ぎ(スピゴットフェルール)の継ぎ方

スピゴットフェルールの継ぎ方は、フェルールの近くを持って軽く継いでから、さらに奥まで差し込むのが基本。
継ぐ際には、真っ直ぐ差し込むか、捻りながら差し込むのが一般的です。
推奨されている継ぎ方はメーカーによって異なり、捻りながらを推奨するメーカー(シマノのスクリューロックジョイントなど)もあれば、しっかりと継ぐために真っ直ぐ大きな力で差し込むのを推奨しているメーカーもあります。
また、印籠継ぎは継いだ時に芯が露出しているのが正常な状態です。不良ではないのでご安心ください。
ガイドが真っすぐにセットされているかチェック
継ぎが完了したらロッドを下からのぞき、ガイドが一直線に並んでいることを確認しましょう。印籠継ぎ(スピゴットフェルール)の外し方

スピゴットフェルールを外すときには、捻りながら抜くと外れやすいです。
また、外すときには手元に近いほうから順番に外していきましょう。先端の方から外すと、グリップの重みなどでロッドが曲がってしまい外しにくくなります。(グリップが重いため、負荷が掛かれば折れてしまうリスクも高まります)
逆並継ぎ(スリップオーバーフェルール)の継ぎ方・外し方

逆並継ぎとは?
逆並(ぎゃくなみ)継ぎ(スリップオーバーフェルール)とは、ロッドのブランクス本体に別のピースを継ぐタイプのことを指します。現在、多くのルアーロッドに採用されている方式です。メリットは曲がった時に継ぎ目に掛かる負担が少なくなること、また印籠継ぎよりも軽量化が図れることが挙げられます。
デメリットとしては、ブランクスに太さが出るのでキャストフィールや曲がりのしなやかさが若干落ちる傾向があります。
逆並継ぎ(スリップオーバーフェルール)の継ぎ方

スリップオーバーフェルールは捻じりながら継ぎ目を差し込んでいくのがポイントです。一番奥まで差し込んだときにガイドが真っ直ぐに並ぶようにしてください。
継ぐときには一気に力を入れると継ぎ目が捻じり切れてしまうことがありますので、徐々に力を入れつつゆっくりと差し込んでいくのがコツです。。
ガイドが真っすぐにセットされているかチェック
スピゴットフェルールと同様、継ぎが完了したらロッドを下からのぞき、ガイドが一直線に並んでいることを確認しましょう。逆並継ぎ(スリップオーバーフェルール)の外し方

スリップオーバーフェルールを外すときには、差し込み時と同じように捻じりながら外していきます。手のひら全体でブランクスをしっかり持ち、徐々に力を入れつつ外すようにするのがコツです。
抜く順番はスピゴットフェルールと同じく、手元に近い部分から外していくようにしましょう。
しっかり継ぐことが大切!

印籠継ぎか並継ぎかに関わらず、竿はしっかり奥まで継ぐことが大切です。
稀に「抜くのが大変だから」と、緩く継ぐ人がいますが、これは絶対にNG!
継ぎ周辺の破損は、「継ぎの甘さが原因の大半」と言われるほどです。
抜けにくい時は、ロッドベルトの裏側(クロロプレン部分)を使えば簡単に外れますので、竿はしっかりと継ぐようにしましょう!