アテンダー2について
アテンダー2はグレ・チヌを対象とした、がまかつの高級磯竿です。2011年秋、松田稔氏が66.5センチの巨大尾長グレを釣り上げる、プロモーション映像を伴い登場。驚異的なパワーを発生する“細身肉厚”のブランク、ルアーロッドのような“セパレートグリップ”に多くの磯釣りファンが驚かされました。
アテンダー2の曲がり
アテンダー2最大の特徴は、細ハリスを労わり、じっくりと魚を締め上げる胴調子。竿の過反発が抑えられており、ブランクがどこまでも魚に追従し、常に魚へ一定の負荷をかけることができます。
磯魚特有の磯際での急激な突込み・反転を竿がオートマチックに吸収し、アングラーの負担を軽減。エキスパートモデルの竿ですが、『ビギナーでも大型魚を釣りやすい竿』でもあります。
インテッサG5との比較
インテッサG5は操作性が高く、魚を浮かせるスピードが早い竿。じっくりと魚を浮かるアテンダー2とは対照的です。穂先が細く胴が太い、典型的な先調子の竿であり、負荷が掛かると全体が曲がるデザインです。
高い操作性が求められる本流釣り、素早いファイトが必要な浅場や根の荒い釣り場で有利。がま磯ファンはインテッサ派とアテンダー派に分かれるともいわれています。
マスターモデル2との比較
マスターモデル2は操作性と、粘りでアテンダー2に勝ります。アテンダー2と同様の胴調子ですが、1番と2番を硬めに設計しており、先調子のような操作感。新素材トレカT1100Gの採用により、アテンダー2よりさらに粘り強いブランクです。
後発の高額モデルで、アテンダー2をあらゆる面で超えたといえ、掛けるまでインテッサG5、掛けてからはアテンダー2のような使用感です。
アテンダー2の評価
アテンダー2は同社のグレ競技スペシャル2以来の大ヒットを記録し、多くの磯釣りファンの信頼を得ました。アテンダー2の発売以後、胴調子が磯竿のトレンドになり、他社も多くの胴調子竿をリリースしています。
しかしその個性的な調子により、評価が分かれたこともことも事実です。プラス評価とマイナス評価をチェックしてみましょう。
アテンダー2のプラス評価
粘り強いパワーとよく曲がる調子が高評価。背景にはグレがスレたことにより、細ハリスで大型魚との勝負が求められる現状があります。リールシートの上部まで曲がり込むことにより、針・ハリス・道糸への負担を軽減。テスト時には1.5号竿で60センチオーバーもキャッチされています。
アテンダー2はよく曲がる竿なので、大型魚はもちろんアベレージサイズの魚でも気持ちよく竿を曲げられます。『大物とじっくり勝負でき、アベレージサイズを楽しめる竿』です。
アテンダー2のマイナス評価
自重が重く、曲がりすぎる点が不評になることもあります。アテンダー2“1.25-50”の自重は218グラムです。トーナメントISO AGS“1.75-53”の自重は217グラム、極翔“2-500”は212グラム。重心位置の適正化により、体感の持ち重りを軽減していますが、『超重量級』であることは間違いありません。
いったん魚の引きを受け止め、よく曲がる調子は、ファイト時間が長くなるデメリットがあります。太ハリスが使用できる状況や、数を稼ぎたい状況では、手返しが悪くなってしまいます。
アテンダー2の総評
軽さよりもパワー、効率よりも確実性が優先された、『掛けた1匹を確実に獲る』設計。スレた釣り場が多くなり、競技会ブームが落ち着いた現状を考えると、現代向きの磯竿ともいえます。状況によっては、性格が対照的なインテッサG5やグレ競技スペシャル3と使い分けるのもいいでしょう。
アテンダー2の人気番手
アテンダー2にはチヌ用の0号から、離島の巨大尾長グレに対応する2.75号までがラインナップ。0号と0.6号が5.3メートル、2.75号が5メートルのみで、残りの号数には5メートルと5.3メートルが用意されています。用途別にアテンダー2の人気番手を確認してみましょう。
1.5-53
1.5号5.3メートルは磯竿の王道番手にして、アテンダー2でも人気番手。30センチの口太グレが楽しめ、50センチの尾長グレも取り込めます。深棚での大型口太狙いや、浅く根が荒い釣り場、ハリス2号前後を多用するアングラーにおすすめです。
1.25-50
1.25号5メートルは口太グレに最適なモデルで、5メートルで取り回しもよく、1.5号ハリスで50センチもターゲット。口太グレに混じる40センチクラスの尾長グレも安心して取り込め、伊豆や和歌山の半島周りの釣り場におすすめです。
2-50
2号5メートルは四国西南部のスレた尾長グレに最適で、2.5号前後の細ハリスで60センチオーバーの巨大尾長グレを仕留めます。低い足場での浅棚狙いには5メートルが便利。胴部分で尾長グレを締め上げ、数少ないチャンスをものにします。
0.6-53
0.6号5.3メートルは全国のあらゆる釣り場でチヌ釣りが楽しめる、チヌ用の王道番手。0.6号とは思えないパワーで、60センチクラスや良型マダイにも引けを取りません。紀州釣りやダンゴ釣りにも対応。0号は仕掛けの振り込み・操作に癖があるため、初めの1本は0.6号がいいでしょう。
アテンダー2の中古
アテンダー2は中古市場でも人気が高く、価格も高値を維持。磯竿はデリケートな竿なので、中古で買う際にはしっかりと検討しましょう。中古市場の価格と、中古品を選ぶ際の注意点をご紹介します。
アテンダー2の中古価格
アテンダー2の中古価格は6万円から7万円台で安定。定価の6割から7割の価格で、発売から6年を経過した商品としては高額です。
1番破損しやすい穂先は1万3600円からと、アテンダー2はパーツも高価。商品の状態を入念に確認したうえで、購入しましょう。
アテンダー2 中古購入時の注意点
アテンダー2の中古品を買う際には、“穂先詰め”と“コーティング剥がれ”に注意が必要。磯竿は穂先の破損が多く、折れた部分にトップガイドを付ける穂先詰め修理をすることがあります。トップガイドと1番ガイドの間隔は要チェックで、短いものは穂先詰めが行われています。
濡れたまま長時間放置をすると、コーティング剥がれが起こります。道糸が絡むトラブルに繋がるので、小傷も含めて表面の状態もしっかりと確認しましょう。
アテンダー3 モデルチェンジが近い!?
モデルチェンジが噂されるアテンダー2。がまかつは販売期間が長いことで知られ、マスターモデル2の登場は前作から10年後でした。初代アテンダーが2001年にデビューし、10年後の2011年にアテンダー2へモデルチェンジ。2021年にはアテンダー3が登場するのでしょうか。次回作が楽しみです。