熊を以前より身近に感じるようになった

東北を拠点に、年中さまざまな魚を追いかけてきた私。
しかし、ここ数年で、釣り場での「熊」に対する意識が本当にガラリと変わったんです。
以前は「熊が出るなんて、山奥の釣りの話でしょ?」とどこか他人事。でも、その安全神話は完全に吹き飛びました。
ゆかりん
釣りをしていてクマの鳴き声が聞こえたり、風もないのに木がガサガサした時は冷や汗モノです。

ニュースやSNSで「釣り人が3m先で遭遇した」「川を泳いで横切っていった」なんて生々しい遭遇事例を度々目にするようになった昨今。
今では釣り場に向かう車中で、「今日行く場所は大丈夫かな」と、まず熊のことを考えるのが当たり前の日常になっています。
ゆかりん
遭遇した話を聞くたびにゾッとしちゃうんですよね。
“熊問題”を機に私の釣りが変わった
釣り場の選び方や時間が変わった

熊を身近に感じるようになって、何より変わったのが「行く場所」と「行く時間」の選び方です。
昔なら「藪漕ぎが大変だけど絶対釣れる」と思ったら、一人でも迷わず突き進んでいました。
でも、今は絶対にそんな無茶はしません。
実際にやめたのは、薄暗い時間帯の釣行や、視界の悪い藪漕ぎが必要なエリアへの立ち入り。周囲に出没情報が少しでもある水辺はスッパリ諦めるようになりました。
ゆかりん
ポイントにエントリーする前に、クマに遭遇してしまったとき素早く逃げられるかイメージしています。

熊が活発に動く「朝4〜7時」や「夕方5〜9時」のマズメ時。
アングラーにとっては最高の時合いですが、熊にとっても活動のピーク。
お気に入りの場所で、薄暗いなか一人で釣りをしていると、もう昔のワクワク感を完全に上回って、ただの「恐怖」に変わってしまいました。
だから、あえてすっかり明るくなってから入るようにしたり、周囲が見渡せる開けたポイントだけに絞る。
昔の「釣りたい」という欲望だけで動いていた自分にブレーキをかけ、慎重すぎるくらい慎重に場所を選ぶようになりました。
オフショアの釣りが増えた

山や川に入る機会が減った寂しさを埋めてくれたのが、以前にも増して回数の増えたオフショア(船釣り)でした。
船の上なら、熊に出会う心配はほぼありません。
そして何より、魚影のあるところで釣りができるので、ショア(陸っぱり)と比べると釣果に満足できることが多かったり、大きな魚を釣ることができたりと、充実感もあります!

圧倒的な開放感と安心感に包まれながら、目の前の釣りに100%集中できる。
今では、これって陸っぱりでは味わえない最高の贅沢だな、と感じています。
ゆかりん
船長さんや乗合船の同船者さんたちと会話をしたり、おやつを交換しながらワイワイと楽しめるのも魅力です。
陸っぱりを続けるために徹底することも増えた
自治体などの直近の熊出没情報を確認

自治体がGoogleマップ上で「熊出没マップ」を提供していたり、防災情報としてSNSで発信していたりします。
自分の行く釣り場にクマの目撃情報が上がっていないか確認してから行き先を決めます。
熊撃退スプレーを必ず携行

それでも、大好きな陸っぱりや身近な水辺での釣りを完全にやめたわけじゃないんです。
だからこそ、万が一に備えて「熊撃退スプレー」は絶対に外せないアイテム。
ゆかりん
現場での行動や装備は昔と比べものにならないくらい徹底するようになりました。
セイバー フロンティアーズマン ベアスプレー
痕跡があれば無理をしない

クマの足跡やフン、爪とぎの跡を見つけたり、鳴き声や動物の匂いを感じたりして、少しでも怪しいなと思ったら場所を変えます。
ゆかりん
木の上でガサガサ音が聞こえたときも注意。親熊が子熊を木の上に避難させているとか。
周囲の確認は頻繁に行う

水辺では、波や川の音、風の音で周りの音が聞こえづらくなります。
だからこそ、定期的に手を休めて周囲を見渡すこと。
そして、お気に入りのポイントでつい一箇所にじっと居続けたくなるのをグッとこらえて、長時間ひとりで同じエリアに入り込まないように、手返しよく、テンポよく移動することを心がけています。
ゆかりん
ポイントに先客がいると、ホッとすることも増えました。
それでも、これからも釣りは楽しみたい

熊問題という大きな変化に直面して、私の釣りのスタイルは確かに変わりました。昔のように、何も気にせずフィールドを駆け回ることはもうできないかもしれません。
でも、だからといって「釣りをやめる」という選択肢は、私には絶対にありません。
自然の中で遊ばせてもらっている以上、どんな釣りであってもリスクをゼロにすることは不可能です。大切なのは、昔のスタイルに固執せず、変わりゆく環境に柔軟に自分の釣りをアップデートしていくこと。
新しく見つけた釣りの楽しみも、対策を徹底した陸っぱりも、すべてが今の私の大切な釣り。
ゆかりん
これからも安全をいちばん大切にしながら、この豊かな海や魚たちと全力で長く付き合っていきたいと思っています
撮影:ゆかりん
