手軽さと奥深さを併せ持つ、東京湾の船シロギス

初心者でも釣りやすく、それでいて数を狙うほど奥深い。
船から狙うシロギスは、そんな魅力を持つターゲットです。
普段はルアー釣りが中心という人でも、一度体験すると意外なほど夢中になる。それが船シロギスという釣りです。
そのメッカといえる東京湾では、エリアごとの特徴もはっきりしており、季節によって表情も変わります。
山下
筆者も小学4年生のときに初めて船シロギスに挑戦し、夢中になった一人です。
あれから25年近く経った今も、変わらずシロギス釣りを続けています。
東京湾船シロギスの特徴
東京湾の船シロギスはいつ狙える?

東京湾では、一年を通してシロギスを狙うことができます。
とはいえ、季節によって釣りの様子は変わります。
数釣りが安定しやすいのは初夏、一方で型を狙いやすいのは冬です。
冬場は「落ちギス」と呼ばれ、深場へと移動した群れを狙い、群れに当たれば半日船でも70匹を超える数釣りになることも少なくありません。
山下
シロギスというと夏の魚という印象が強いかもしれません。
ですが、冬の個体は脂が乗り、個人的には食味の良さを強く感じます。
エリアによっても違いがある

東京湾の船シロギスは、狙うエリアによっても様子が変わります。
さらに、時期によって主戦場となるポイントも移動するのが東京湾の船シロギスの特徴です。
一年を通して狙われる代表的なポイントが中ノ瀬で、安定してシロギスを狙えるエリアとして知られています。
一方、夏場に有名なのが通称「ばんす」と呼ばれる盤洲干潟周辺で、浅場に集まる群れを広く探る釣りが展開されます。
山下
そのほか、富津沖、木更津沖、八景沖などのポイントがあります。
東京湾の船シロギスタックル
竿

長さは1.6〜1.8m前後、8:2調子のスピニングロッドが定番です。
各メーカーから専用竿が多数販売されているので、その中から選ぶのが無難でしょう。
価格帯が上がるほど軽量になり、素材や仕上げにも差が出てきます。
結果として操作性や感度に違いが生まれるため、予算に合わせて選ぶのがおすすめです。
ダイワ キス X MH-165
| 全長 | 1.65m |
|---|---|
| 継数 | 2本 |
| 自重 | 73g |
| 錘負荷 | 10-30号 |
リール

東京湾の船シロギスでは、15号前後のオモリを使用します。
水深があるポイントでは、25m前後から巻き上げる動作を繰り返すことになり、1000番では負荷を感じることも少なくありません。
軽さと耐久性のバランスを考えると、小さくても2000番、サイズを上げる場合は2500番までがおすすめです。
ダイワ レブロス LT2000S
| 自重 | 195g |
|---|---|
| 巻き取り長さ | 68cm |
| ギア比 | 5.2 |
| 標準巻糸量PE(号ーm) | 0.4-200 |
| 最大ドラグ力 | 5kg |
ライン

メインラインには、PE0.6〜1号を使用します。
シロギス釣りではタナを取る必要がないため、マーカーのあるマルチカラーでなくても問題ありません。
ラインでアタリを捉えることもあるので、視認性に優れたホワイトやオレンジなどのカラーを選ぶのがおすすめです。
また、リールに巻く長さは100mで十分です。100m巻きがなければ200m巻きを購入して2回に分けて使うのがいいでしょう。
山豊テグス PEレジンシェラー オレンジ 0.8号 200m
リーダー

リーダーは、フロロカーボンの2〜3号が定番です。
あまりに細くするとキャスト時に切れてしまう可能性があるので、細くする場合でも1.75号程度までにしておくと安心です。
長さは竿の全長プラス50cmほどが目安。キャスト時にリーダーが指に掛かる状態にしておくと、キャスト切れの防止につながります。
ちなみに、筆者はコスト面を重視し、ハリスをリーダーとして使用しています。
クレハ シーガー 150 2号
仕掛け

船シロギスで使われる仕掛けは、天秤仕掛けと胴付き仕掛けの2種類です。
胴付き仕掛けの中には、天秤の根元から仕掛けが枝分かれする振り分け仕掛けと呼ばれるタイプもあります。
ハリスは1号、針はシロギス専用の7号前後のものがほとんど。
胴付き仕掛けは捨て糸が15cm未満のもの、天秤仕掛けでは全長80cm前後が目安です。
ヤマシタ 船キス仕掛 FKS2TBB 7-1-1
ヤマシタ 船キス仕掛 FKS1DN 7-1-2
エサ

船宿で配られるエサは、動きや匂いが強く、安定して反応を得やすいアオイソメが定番です。
別途釣具店で購入する必要はありますが、アオイソメが苦手な人には、形状を似せたワームという選択肢もあります。
エサ付けの基本

シロギス釣りでは、エサを丁寧に付けることが釣果を伸ばすうえで欠かせません。
エサ付けの考え方は人によっても異なりますが、基本の形を押さえておくことが大切です。
太いアオイソメは頭を落とし、細いものは頭付きのまま使うのが一般的。

頭を落とした場合は切り口から針を入れ、針の軸に対してまっすぐになるよう、通し刺しにします。

頭が付いているものは、口から針を入れ、こちらはちょん掛けにします。
どちらの場合でも重要なのは、エサがまっすぐになっていることです。
途中で曲がっていると、水中でエサが回転し、仕掛けが絡まる原因になります。
山下
また、長さはたらしが5cm前後が基本です。
食いがいいときは短めにしたり、なかなかアタリがないときには長めにしたりする工夫をすると良いでしょう。
仕掛け別の釣り方

船のシロギス釣りで数を伸ばすには、仕掛けごとの特徴を理解しておくことが重要です。
ここからは、筆者が実際に意識している仕掛け別の釣り方を紹介します。
天秤仕掛けは誘いながら針がかりを狙う

天秤での釣り方は、軽くキャストして探る範囲を広げるのが基本。
着底したら、オモリで底をトントンと軽く叩くように誘い、船下まで引いてきます。
イメージとしては、誘っている最中に針がかりを狙う感覚です。

ときおりステイを入れ、アタリを待つ場面もあります。
このときは、ラインテンションを張った状態で待つのが基本です。
天秤仕掛けは竿と針の間にオモリが入る構造です。
そのため、ある程度ラインを張っていても食い込みにくくなることは多くありません。
山下
また、天秤仕掛けは浅場が主戦場となる夏に効果を発揮しやすい傾向にあります。
胴付き仕掛けはラインを緩めて魚が反応するのを待つ

天秤仕掛けはラインテンションを張るのに対し、胴付き仕掛けではラインテンションを緩めてシロギスがエサに食ってくるのを狙う釣り方です。
具体的な操作方法は、着底後5〜10秒ほど待ち、聞き合わせをしてモタれアタリを取るようなイメージ。
ブルブルとしたアタリが出る前に掛ける、タイミングでの釣りが基本です。

コツは、ラインテンションをしっかりと緩めることです。
アタリを取りたいあまりラインを張ると、アタリは取りやすくなりますがフッキング率が下がることがあります。
中乗りとして感じる釣果を分けるポイント

中乗りとして船に立っていると、釣果の差が生まれる瞬間がよく見えます。
その場の状況に合った釣り方ができているかどうか。これが大前提です。
そのうえで、最終的に差を広げるのは手返し。
とくに群れが固まり、アタリが出る時間と出ない時間の差が大きい冬は、手返しが釣果を大きく左右します。
山下
筆者が中乗りとして冬場に船に立っていると、同じ時間に同じ場所で釣っていても、打ち直しの早さで数が変わる場面を何度も目にしてきました。
群れに当たった瞬間に手が止まらない人ほど、数を重ねていきます。
東京湾の船シロギスに挑戦してみよう

東京湾の船シロギスは、初心者でも始めやすい釣りです。
エリアや季節の特徴を知るだけでも、釣りはぐっと楽になります。
普段はルアー釣りが中心という人でも、新しい発見があるはずです。
まずは一度、東京湾の海へ出て、シロギス釣りに挑戦してみてください!
撮影:山下洋太
