雨の日は魚が良く釣れる?
「雨の日は魚が釣れやすい」そんな話しがアングラー間で通説となっていますが、はたしてそれは本当なのでしょうか?
今回は雨が釣り場にもたらす影響や、魚が釣れやすいと言われる理由、雨天釣行のリスクについて考察していきます。
雨が降る=どうなるの?
では具体的に、雨が降る事で釣り場にどんな変化が生まれ、それが「釣れやすさ」にどう影響してくるのでしょうか?
雨が釣れると言われる理由を考察していきます。
釣り場を独り占めできる
普段は隣の釣り人に気を使うようなポイントも、雨の日は釣り人が減り、場合によっては釣り場を独占できる事もあります。普段なら、先行者や隣の人に釣られていたであろう魚を、自分で釣る事が出来る。競争相手がいないという事は、「魚と出会える確率が上がっている状況である」と言えますよね。
人的プレッシャーが減る
岸に立ち並ぶ釣り人の姿に警戒し、岸から離れていた魚は、釣り人が減る事で岸際に戻ってきやすくなります。キャストが届く範囲(岸際)に魚がいれば、とうぜん魚の目の前にルアーをアプローチ出来る確率も高まります。また、雨は水面を波立たせ、魚の居る水中からアングラーの立つ岸際を見えづらくする効果や、釣り人の発する音や振動を掻き消す効果も期待できます。
雨が魚の警戒心を解く
魚の天敵として挙げられる鳥。雨が降るという事は、水面に雨が打ちつけられ、水中の様子が分かりづらくなるという事になります。つまり、鳥にとっては狩りがしにくく、魚にとっては、晴天時よりも安心して餌を食べれる状況であると言えます。また雨だけでなく、曇天時や朝夕といったローライトコンディションも同様、鳥が魚を見つけにくい状態である為「魚がプレッシャーから解かれ、釣れやすくなる」という説があります。
暗さ・濁りが魚を騙しやすくする
雨が降ることで入る濁りは、「ルアーやラインの存在をカムフラージュし、魚を騙しやすくする」という効果が期待できます。実際に、ルアーがハッキリと見える時より、水に適度な濁りが入った時や、曇天時や朝夕といったローライトコンディションのほうが、魚を騙しやすいと感じているアングラーも多いのではないでしょうか。
また、雨によって流れ落ちてきた生物(ミミズ・虫)に似せたルアーを投じ、状況にピタリとハマる、マッチザベイトをする事でより良い釣果を得られるケースも存在します。
低気圧で魚が浮く
雨の降る原因の一つに、低気圧から来る天候の崩れというものがあり、低気圧は魚の活性を上げるファクターとして語られる事が多々あります。
魚は体の中の浮き袋で浮力の調節を行っていますが、急激な気圧変化により浮力調整が追いつかず「魚が浮き気味になる事で釣れやすくなる」といったものや、水面を押さえつけていた圧力が低くなり「魚が水中で動きやすくなる為に釣れやすくなる」といった説もあります。
ですが気圧の変化というのは、水深が深くなるにつれその影響も小さくなりますので、元々タナが深い海の魚にとってはあまり意味をなさない、とも言われています。
食糧を食いだめする
越冬の為に大量の食糧を食いだめする動物がいますが、魚にとって低気圧というのは「小さな冬の前触れ」と言えるかもしれません。仮に豪雨によって強い濁が入れば、水中の視界不良や酸素不足により、今まで通りに餌を食べられる保証はありません。
その為、水中の環境が完全に悪化する前に栄養を蓄えておく必要があると言えます。また、風や雨の強さによっては餌が魚の元に流されてくるので、魚にとっては絶好の食いだめチャンスであるとも言えます。