まずはベラ料理を見て下さい!本当に美味しい魚なんです!
ベラの煮つけ
ふっくらとした身が特徴のベラは、煮つけにしても美味しくいただけます。
できあがったベラの煮つけは一度冷ますことで身が締まり、味がよくしみ込みます。
柔らかい身が苦手な方は、一度素焼きにしてから煮つけると良いかと思います。
ベラの塩焼き
ベラといえば、やっぱり塩焼きですね! ウロコを付けたまま多めの塩を振って焼くことで、身が蒸し焼きのように仕上がります。
ふんわりホクホクで本当に美味しいですよ!
もちろん、ウロコを取って焼くも良し、ベラ特有の水分の多い身質が気になる方は一夜干しがオススメ!
ベラのお刺身
意外と美味しいのがベラのお刺身です。ベラのお刺身はカボスなどの柑橘系と相性抜群!
また、ベラの仲間は皮も美味しい魚なので、僕のオススメは皮つきの霜降りです。熱湯にサッとくぐらせ、氷水で締めましょう。
ベラの水分が気になる方は30分程、塩を振って水分を抜いたり昆布締めにすると良いですよ!
ベラは不味いし臭い……その原因と対策は?
たしかに磯臭いベラもいます
同じ種類のベラでも食べている餌によって、磯臭いベラがいることも事実です。
磯場よりも、砂地のベラの方が匂いが少ないように感じます(山根私心)。
そんなベラですが、いくつかの対策を講じることで匂いを抑えることができるんですよ!
臭み対策①:釣り場で血抜きをしよう
ベラを持ち帰る場合は、釣ったその場で血抜きを行いましょう。
エラを切るか、首元の背骨を切り、海水を溜めたバケツなどでしっかり血を抜きましょう。
臭み対策②:しっかり冷やして持ち帰ろう
もっとも基本的なことですが、血抜きをしたベラはクーラーボックスと氷を使ってしっかり冷やして持ち帰りましょう。
鮮度が落ちるとどうしても匂いが出てしまうので、夏場は特に注意が必要です。
血抜きも長時間行わず、すぐにクーラーボックスにしまいましょう。
臭み対策③:魚臭さが苦手な方はヌメリをしっかり取ろう
ベラはヌメリの多い魚です。ヌメリは魚臭さの原因になりますので、気になる方はしっかり取りましょう。
ヌメリの取り方は、塩を使って擦るように取るのが一般的ですが、酢を使うのも良いでしょう。
ボールやバットにベラを並べ酢を振りかけ5分程おいて、スポンジや包丁の刃先でこそぎ取りましょう。
切り身にせず、数分間だけなら酢の匂いはほとんどつきません。
臭み対策④:まな板を汚さないように注意しよう
ヌメリ以外にも、血や内臓などの汚れも匂いの原因です。
まな板は常に清潔にすることも、魚の匂い対策になりますよ。
ここまで匂いのあるベラに当たってしまった方に向けて対策方法をご紹介しましたが、多くのベラはこれ程神経質にならなくても美味しく食べることができますよ!
やっぱりベラは嫌い!そんな方のためにベラの避け方をご紹介
イカなど針持ちの良い餌を使う
ベラの他に狙っている魚がいると、ベラって本当に厄介な餌取りですよね。
カサゴやソイなどの根魚を狙っている場合は、アオイソメなどの虫エサからサンマの切り身やイカの短冊など、針に残りやすい餌に変えてみましょう。
底から少し仕掛けを離してみる
カサゴやカワハギを狙っている時もベラに悩まされますよね。
カサゴ狙いの場合は、イカに餌を変えて仕掛けを上下させて誘ってみましょう。
カワハギ釣りの場合は、仕掛けを底から少し離したり、誘いを強くしたりしてベラに餌を咥えさせないように工夫しましょう。
エラストマー系のワームを使用する
メバリングやアジングでもベラは厄介者とされます。フグと同じようにワームをかじってしまうんですね。
そんな時は、比較的強度のあるエラストマー系のワームを使用することで食いちぎられることが少なくなります。
ベラの魅力をお伝えするつもりが、弱点回避的な記事になりつつありますね(笑)
ここからは、ベラの面白い生態を踏まえてベラをヨイショする記事に方向転換しますよー!
ベラの特徴や生態を知ってベラの魅力を感じよう
ベラの仲間は世界に500種類
ベラの仲間は世界の温帯から熱帯にかけて、10cm程度の種から2mを超える種まで500種以上が知られています。
日本では、1m以上に成長するコブダイをはじめ、約130種ものベラの仲間が生息しています。
種類の数だけ個性があり、特にベラの仲間は色鮮やかで魅力がいっぱいです。
ベラはメスからオスへ性転換する
ベラの仲間は、ハタの仲間などと同様にメスからオスへ性転換する生態を持っています。
このような性転換を「雌性先熟」と呼び、ベラの仲間の場合、群れの中で一番大きな個体がメスからオスへ変化しハーレム集団を作ります。
オスになった個体は、メスにアピールするために鮮やかな色に体色を変化させたり、コブダイのように形を変化させたりします。
ベラは完全な昼行性を示す種が多い
ベラの仲間は、ほとんどすべての種類でハッキリとした昼行性です。つまり、夜はしっかり休むということですね。
昼行性って当たり前のような生態にも感じますが、夜間に完全に活動量を下げる魚って意外と少ないんです。
キュウセンなどはは砂に潜って休みますし、ブダイの仲間は寄生虫の侵入防止などを目的に粘液で球体の膜を作って休みます。
釣り人にとってベラの仲間は、餌を取っていく厄介者かもしれませんが、生き物として彼らを観察するととっても魅力に満ち溢れているんです!
ベラの釣り方はとっても簡単!初めての魚釣りにもうってつけです
食欲旺盛なベラは初心者でも簡単に釣れます
ベラって、狙ってもいないのに釣れてくる魚なんですよね……(笑)
でも裏を返せば、誰でも簡単に釣れる良い奴ともいえますよね!
初めて魚釣りをする初心者の方にとって、竿先にくる「ブルブルッ!」って感覚は魚種なんて関係なくドキドキするものです!
もし、一緒に釣行した初心者の方がベラを釣りあげたら、それは外道だよ……ではなく、「メスからオスに変化する魚だよ!」とか、「オスはもっと大きくて色も違うんだよ!」とか。ぜひ、ベラの魅力を伝えてあげてください!
堤防、ゴロタ、砂浜、磯…ベラはどこにでもいます!
なかには、この記事を読んでベラを釣ってみたくなった方もいらっしゃるかと思います。
ベラの仲間は動物性の餌なら選り好みせずよく食べてくれますが、餌を針から取るのが上手ですので、柔らかいオキアミよりアオイソメやサンマの切り身などがオススメです。
ベラを狙う仕掛け
仕掛けは、釣り場の環境やどんなベラを狙うかによって選びましょう。
砂地を好むキュウセンを狙いたい場合は、天秤を使ったちょい投げが良いでしょう。
岩礁帯を好むササノハベラは堤防やテトラ際、ゴロタ浜、磯場など足元が狙い目です。
胴突仕掛けを使って狙ってみましょう。
ベラを狙うなら春から秋が良いでしょう
キュウセンなど、冬に冬眠状態になってしまうベラもいますので、ベラを狙う場合は春から秋がオススメです。
とはいえ、食べるという視点では真冬のベラが一番おいしいので冬のベラ釣りも捨てがたいものがあります。
簡単に釣れて、意外と美味しいベラの仲間たち。ぜひ、この機会にベラの生態や特徴も含め、彼らの魅力に気づいていただければ幸いです!
筆者紹介
山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活躍する。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017