バチ抜けルアー戦国時代
シーバスアングラーにとって年に一度の祭典、バチ抜け。近年は特にアングラーが増え、それに伴って各社が専用ルアーを続々とリリースしてきました。
でも、細長くて大きなアクションをしないルアーばかりので、「どれも同じなんじゃないの?」と思われる方も多いのではないでしょうか。いやいや、そんなことはないんです!
今回は筆者が“感動するほど”釣れたバチ抜けルアー「ノガレ 120f」をインプレします!
ピックアップ「ノガレ120f」とは?
今回インプレするノガレは、小沼正弥氏が立ち上げたルアーメーカー「Pickup」から発売されています。
全長120ミリ、スイムレンジは0〜2センチの、バチパターン攻略に特化したフローティングルアーです。
何と言ってもその特徴は、ボディーに設けられたワームのようなリブと、4つも装着されたトレブルフック。
ネットでの口コミから人気に火がつき、近年発売されたルアーながら絶大なる支持を受けています。
まずは釣果をご覧ください!
湾奥ベタ凪でこのサイズが連発! まさに1投1匹の状態でした。
弱い雨が降り続く日にゴンッと大きなバイト。3つのフックでがっつりフッキングしています。
こちらはほぼハーモニカ喰い。ボイルは少なく、ノガレ以外では反応がない日でした。
ノガレのここが凄い
3箇所から発せられる波紋
ノガレ最大の特徴は、ボディーの3箇所から発せられる波紋。開発者の小沼氏がバチの動きを観察し尽くした結果、辿りついたアクションだそうです。
バチ抜けルアーの多くは1箇所、もしくは2箇所から波紋が出るものが多く、3箇所からも波紋が出るルアーはかなり珍しいでしょう。
実際、他のルアーを投げ尽くした後で、ノガレにだけ反応があるということも多々ありました。
ボディー中心から波紋が出ることによって、通常のバチルアーに興味を示さない魚にもアピールでき、さらにはより強い集魚効果を発揮しているのではないかと思います。
驚異のフッキング率
バチパターンはフッキング率が低いことが難点ですが、ノガレはかなりフッキング率が高い印象を受けます。その理由として考えられるのは、4つ装着された小ぶりなフックでしょう。
多くのバチルアーは、#6や#8のサイズのトレブルフックを2本か3本搭載しているのに対し、ノガレは#12のトレブルフックを4本搭載しています。
他のルアーでも小さなフックに交換することはできるものの、バランスが崩れてしまうため、小さいフックの搭載を前提として設計されており、なおかつ4本も装着できるのはノガレの圧倒的なアドバンテージです。
ノガレの使い方
ロッドワークによって引き波を出すことも出さないこともでき、それによってバイト数が大きく変わります。
ボイルが多発している場合や、活性が高い時は引き波を立ながら巻いて来るのがおすすめです。
一方で、メジャースポットなどの魚がスレている場所ではロッドを下げ引き波を立てないようにすると効果抜群。
例外的な使い方ですが、河川の表層で反応が良い時にドッグウォークをさせても釣ることができました。
タックルセッティング
ロッド: 96ML
リール:C3000
ライン:PE0.8号
リーダー:14ポンド
おすすめのカラー
筆者のおすすめカラーは、チャートヘッドブラックです。
魚から見るとバチのようなシルエットですが、アングラーからは視認性が抜群。夕まずめの時間帯や常夜灯があるポイントなど、ルアーを視認できる状況ではイチオシです。
ノガレのデメリット
自重が6.5グラムでトレブルフックが4つも付いているため、飛距離が伸びません。そのため、向かい風の日やボイルが遠い状況ではストレスを感じることも。
個人的には3メートルほどの風が吹いていると使いにくく、飛距離が伸びるシンキング系のルアーと併用しています。
高いけど釣れる!
ノガレは2,000円ほどする高価なルアーですが、特性が唯一無二でロストの可能性が低いので、持っていて損はないはずです。
河川のバチ抜けから港湾部のバチ抜けまで、バチパターンならばあらゆるシチュエーションで活躍してくれます。
タックルボックスに一本は忍ばせておきたいルアーですね!
筆者について
佐藤稜真
某リールチューンメーカー在籍時、Facebook・Instagram運営を手がけながら全国のイベントで年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つ。
中学生の頃からカタログのスペックを暗記するほどのリール好き。関東のフィールドでのエリアトラウト・シーバスフィッシングをメインにしている。