沖の魚を狙い撃つ【キャロライナリグ】
キャロライナリグ
ワームの釣りにおいて、飛距離というのは永遠の課題。ジグヘッドを重くしたり、ワームを大きくしても限界がある。
そこで、軽いワームを遠くまで飛ばすためにできたのが「キャロライナリグ」です。
簡単にいうと「重り付きワームぶっ飛び仕掛け」ってことですね。(笑)
キャロライナリグのメリット
- 1.軽い物を遠くに飛ばせる
- 2.広範囲を素早く探れるので、展開が早い
- 3.シンカーを重くすれば、ワームでも中層〜深場をじっくり探れる
- 4.レンジキープ力に優れている
届かなきゃ釣れない
「あぁ、もう少し飛べばあそこに届くのになぁ。」
っていうケース多いですよね。居る場所が分かっているのに届かない、もどかしさ……。
それを解消してくれるのがキャロライナリグです。
作るのめんどくさくない!?
本当にめんどくさいんです。
ジグヘッドやプラグに対して、付けるものも多く邪魔臭いイメージのキャロライナリグ。笑
しかしながら、そのめんどくささを超越する良さが満載なキャロなのです。
ライトゲームにおけるキャロの種類と作り方
近年では各メーカーから、様々な種類のライトゲームにおけるキャロ用のシンカーが発売されています。
その種類は、大きく二つ。
早速種類と作り方、作る際のポイントまで考えて行きましょう。
※ライトゲームでは、ヘビーキャロライナリグを使わないので省きます。
⒈キャロシンカータイプ
キャロシンカーにも種類は多くありますが、テキサスリグのようなシンカーやゴム止めをするタイプなどがあります。
手持ちのテキサスシンカーとサルカンなどがあれば、簡単に作れてしまうのも魅力の一つ。
シンカーには、鉛やフォール速度の早いタングステンなどのものがあり、空気抵抗が少ないのでぶっ飛ばせます。
タイプ1:「シンカーゴム止めタイプ」の作り方
ラインにゴムを二つ図のように通します。
そのあとゴムをもちいて、リーダーの適度な位置でシンカーを止めましょう。
タイプ1:「シンカー誘導式タイプ」の作り方
まずPEラインにリーダーを結ぶ。これはスイベルの先のリーダーより太くしましょう。
次に図のようにリーダーに、シンカー、ビーズ、スイベルの順に取り付けます。
そしてスイベルの先にリーダーとジグヘッドを取り付けて完成。
押さえたいポイント
・リーダーの長さは、若干短め(20〜50cm程)で、リフトアンドフォール系ではなく、巻きの釣りで使おう。
・誘導式タイプでは、元リーダー(例10〜12lb)と先リーダー(例4〜8lb)の太さは変えること。
※同じ太さだと元リーダーから切れることがあり、リグ全体が無くなってしまうので注意!
・シンカーはPEラインには取り付けない。シンカーがずれたり、動いたりして摩耗して切れてしまうため。
2.チューブ付き誘導タイプ
近年アジングやメバリングで主流になっている、シンカーのみではなく発泡素材で浮力を足したものがあります。
代表的なものは、TICTのMキャロ、アルカジックジャパンのARキャロなど、ぶっ飛ばし、かつフォール速度も遅く、繊細な釣りが可能になった「進化したキャロ」ですね。
代表的なMキャロ
筆者が発売されてから長い間愛用しているのが、この「TICTのMキャロ」。
特筆すべきはそのフォール角度。タイプ別で15°から60°の角度へ、後ろへ向かって落ちていくので、ゆっくり探れます。
また垂直には落ち無いので、フォールでレンジがあまり変わらないという特徴もあります。
加えてバックスライドによりリーダーに余裕が生まれるので、その効果もあってフォールで反応するアジもしっかりと吸い込めるというメリット尽くし。
リグの作り方
元リーダーから、Mキャロ、しもり玉、スイベル、リーダー、スナップ、ジグヘッドの順番で図のように取り付けるだけ。
※他に出ている商品も作り方はほぼ同じなので、自分に合うキャロを見つけてみましょう。
TICT Mキャロ Ver.2
TICT ミニ Mキャロ
キャロで釣果を伸ばしたい
周りに聞いていると、キャロって釣れる?ジグヘッドで良いんじゃない?リグるのが少し面倒……などなど。
キャロに対して苦手意識を持っている人が非常に多い。
さらに詳しく聞くと、間違えた使い方をしているケースもチラホラ……。
それ間違っています!釣れないキャロの特徴
向いていないケース
- 1.タックルセッティングが悪い。(フッキングも決まらなければ、キャスト切れが頻発)
- 2.リーダーの長さや太さが適正でなく、トラブルが多かったり食ってこない。
- 3.ジグヘッドが重過ぎる。
- 4.アクション後のラインメンディング。
などなど、結構適当にやっちゃう方も多いキャロライナリグ。
意外と繊細で気を付けることは多いんですよね。
ベストなタックルセッティング
ロッドはハードなアジ、メバルロッド。
マックス20gほどを投げられるくらい硬いモデルが扱いやすいです。(またはエギングロッドのLかMLクラスもおすすめですよ。)
リールはライトゲーム用の2000〜2500番で問題ありません。
ラインが重要です。PEの0.4〜0.6号がおすすめ。10gを超えるキャロの場合は0.6号を使いましょう。
意外と大事なリーダー
軽視しがちなリーダー。
トラブルの元にもなりますし、釣果にも直接的に影響してくるので大切です。
元リーダーは10〜12lbくらいを30cmほどで問題ありません。スイベルから先のリーダーに関しては、細い場合で3lb、太くて8lb程度を30〜50cmほどにしています。
※万が一根掛かりした場合、リグ全体を無くしてしまうことがあるので、元から4lbほど先リーダーを落としておくのが良いですね。
ジグヘッドの重さ
ここも大切なポイント。
1〜2gのジグヘッッドだと、少し重すぎるんです。
重くすると、シンカーとジグヘッドとキャスト時に重さがバラついて飛距離が落ちたり、せっかくのゆっくり落とせるキャロがあるのに、ジグヘッドが先に落ちるためメリットが無くなりますよね。
適正なウエイトは、0.2〜0.5gほどの間が良いでしょう。
アクションを入れた後のフワッと感もなくなり、ラインがすぐに張るので、とくにアジなんかには最悪です。笑
ノーシンカーもあり!?
ノーシンカーも非常に有効ですね。
ウィードが濃いエリアやボトムが荒いポイントでは、ノーシンカーオフセットなんかにしてしまえば使いやすいです。
しかしながらウエイトが無いのでスイム姿勢が悪くなりがち。
ノーシンカーの場合は、巻きじゃなく、ボトムで止めるように使っていくと良いですね。
アクションの入れ方
これはリグにもよりますが、アクションは基本チョンチョンっと上げてフワーっと落とすようなイメージ。
糸を張りながらでも良いし、送り込んで行くフリーフォールでも良い。
フリー過ぎるとアタリ分からないので、フォール時は張らず緩めずをキープするのがオススメです。
マニアックなキャロ
極めれば強い武器になるキャロライナリグ。
アイデア次第であらゆるケースに対応もでき、安定して飛距離が出せるので一人勝ちできることも。
⒈キャロプラッキング
これも中々面白いですね。
バス釣りなどでディープトレーサー。なんて言い方をしますが、サスペンドのプラグやフローティングなんかをキャロに付けて見ても面白いです。
デイゲームなどで、ボトム付近を展開よく探りたいときに結構良かったりします。フグが多い場所にもワームだとかみ切られるので、有効ですね。
ただし、めちゃめちゃ引っ掛かるので、砂地で使いましょう。笑
2.ドンキーキャロ(怪しいけど釣れるリグ)
バス釣り界でもあるドンキーリグのキャロ版。若干邪道な気がプンプンします……。
広範囲に強いアピールで探る時など有効です。リーダーの途中で糸を出してジグヘッド付けるだけなので、遊び感覚のリグですね。
⒊オフセットノーシンカーキャロ(超オススメなリグ)
これはカサゴやソイ系を狙う時のリグ。
フォール速度の遅いカーリーテールやシャッドテールワームなどをオフセットで装着。
テキサスや直リグに比べてワームの自由度が高いので、食わせ能力も高く実釣性能も高い。
後、根掛かりも少ないので、カサゴ狙いのシークレット的に使います。
デメリットも忘れないこと
飛距離が出る、沖を攻められる、早い展開、レンジキープなどメリット盛りだくさん。
ただし、その反面デメリットもあるので使いどころはしっかりと選びましょう。
作るのがめんどくさいので、ワンタッチ化
じつは、ワンタッチで付け替えできるキャロシンカーが発売されているのです。
おすすめはダイワから出ているワンタッチシンカー。
これなら、挟んで止めるだけでウエイトプラスできるのです。
ダイワ 月下美人 ワンタッチシンカー
トラブルはやっぱり多め
シンカーやスイベル、ジグヘッドなど、多くのもので形成されているリグなので糸が絡んだりすることも多いですね。
リーダーの長さを少し短めにすることでそれは解消できます。
またキャストの際もペンデュラムキャスト、着水時は強めにサミングをすることで解消されます。
ジグ単体で届くならジグ単が良い
沖にポイントがあるとなればキャロの出番ですが、ジグヘッドでできる範囲に魚が居るのであればジグヘッドを積極的に使いましょう。
キャロで手前を探る場合、シンカーは垂直に落ち、メインラインとジグヘッドが近くなって絡まったり……。細かい操作感も得られないため、イマイチです。
はるか沖の攻略でまだ見ぬ大型を
今まで攻めきれなかった沖の底付近や中層、またデイゲームでの沖を回遊するデカアジなど、ジグヘッドで攻めきれないエリアを攻められるのがキャロの良いところ。
しっかりとキャロの特性を活かして沖の魚にもアプローチすることで必ずサイズも数も伸びるはず。
専用タックルが必要にはなりますが、ポイントに合わせたリグ選び、キャロの投入で、未知なるポイントの尺オーバー。
筆者について
オールマイティになんでも釣る変態釣り師。
小学生の時には1人で釣りに行っていたそう。おもに若狭湾から山陰エリアで釣行し、独自の感性でシーズンに応じた釣りを楽しんでいます。現在、YouTubeチャンネルのほか、ニコデザインオフィスのフィールドスタッフを務めています。
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