アイキャッチ画像撮影:山下洋太
釣り用ヘッドライトについて

夜釣りに欠かせないアイテムとして、多くの釣り人に愛用されている釣り用ヘッドライト。その役割は、暗所を照らすだけではありません。
魚への警戒心を抑える赤色ライト、状況に応じて使い分けられる光量調節機能、背後の人に存在を知らせる後部識別灯など、釣りに特化した機能を備えた製品が数多く存在します。
釣りヘッドライトならではの機能

釣り用ヘッドライトは、一般的なアウトドア用とは異なり、釣りに特化した独自の機能を備えています。
たとえば、周囲を広く照らす高輝度ライトは便利ですが、水面に直接当たると魚を警戒させてしまう恐れがあります。とくに周囲に他の釣り人がいる場合、無用なトラブルの原因にもなりかねません。

こうした状況で役立つのが赤色ライト機能です。
手元だけを照らす赤い光は魚への影響が少なく、ルアー交換や足元の確認といった場面で重宝します。

一方で、極端に明るいライトが活躍するシーンもあります。
磯や山道の移動時、釣れた魚の撮影、あるいは緊急時の視認性確保など、明るさが重要な場面では高出力モデルが真価を発揮します。
山下
目的に応じてライトの明るさを調整できる製品を選ぶと、より汎用性の高い活用が可能です。
釣り用ヘッドライトの選び方と機能

釣りのフィールドは、明るい漁港や都市部の護岸から、干満差のある河口、足場の悪い磯場、さらには山深い源流域まで実に多彩。
自身がよく訪れる釣り場の環境や釣り方を思い浮かべ、それに適した機能を持つモデルを選ぶことが重要です。
明るさを示す「ルーメン(lm)」

ルーメンとは、LEDライトから放たれる光の量を示す単位で、多くの製品で“明るさ”の指標として使われています。
釣り用ヘッドライトの場合、100〜1000ルーメン程度の製品が主流。明るさが高くなるほど、価格も上がる傾向にあります。
山下
ルアー交換やラインを結ぶときなど、手元を照らすだけなら100ルーメンもあれば十分ですが、暗い磯などを歩くときには最低でも400ルーメンは欲しいところです。
光量調節とフォーカス機能の有無

右:20ルーメンの光 / 左:1000ルーメンの光
手元を照らすときと、遠方を照らすときでは必要な明るさが異なるため、釣り用ヘッドライトには光量調節機能が不可欠です。
スイッチ操作によって段階的に明るさを変えられるモデルや、長押しで無段階に調整できるタイプもあります。
さらに、照射範囲を自在に調整できる「フォーカス機能」を備えたモデルもあり、状況に応じた最適な使い分けが可能です。
山下
筆者的には、夜釣りで一番多用する機能は光量調整機能です。
充電式か電池式か

近年では、乾電池式に代わって、リチウムイオン電池を採用した充電式モデルが主流となりつつあります。
USBケーブルで繰り返し充電できるため、ランニングコストが抑えられる上、本体が軽量なのも大きなメリットです。
一方で、充電が切れると使用できない点はデメリット。そのため、長時間の夜釣りや途中で充電が難しい場面では、予備電池が用意しやすい乾電池式を選ぶのが安心です。
山下
充電式モデルも、製品によっては乾電池と併用できるものもあるので、そちらもチェックしておきましょう!
電池一体型と分離型の違い

右:電池一体型 / 左:電池分離型
明るさや持続時間を重視したモデルでは、大容量バッテリーを採用しているケースが多く、バランスを取るためにライト部と電池部が分離されている製品もあります。
分離型は、バッテリー容量の拡張や電池本数の増加が可能なため、強い光を長時間キープできるのが特長。

また、分離型は後部認識灯が搭載されているモデルも多く、後方からの視認性も確保できます。
山下
大容量バッテリーを採用している=重いです。後頭部が重たくなるのはちょっと……という人は選ぶ際に注意が必要です。
「ヘッド」ライト以外の選択肢

頭に直接ライトを装着するのに抵抗がある人には、ネックライトや帽子のツバに取り付けられるクリップ式ライトがおすすめです。
混雑した釣り場では、誤って周囲の釣り人の顔を照らしてしまう心配も少なく、とくに常夜灯が多く明るい釣り場での使用に適しています。
山下
ただし、足場が悪く真っ暗な場所を歩くような場面では、視線の動きに合わせて照射できるヘッドライトの方が、より安全に行動できます。
その他の便利な機能

細かい点ですが、点灯パターンの種類や順序も選定のポイント。とくに、赤色ライトを直接点灯できるタイプは、釣り用として人気があります(白色ライトを介さないため魚への刺激を抑えられる)。
さらに、防水性能は水辺で使う釣り用ライトにおいて必須。IPX規格などの表示を確認し、信頼できる防水性を持つモデルを選びましょう。
山下
前回点灯した明るさ、ライトの色などを記録し、再点灯できるメモリー機能付きのヘッドライトも販売されています。
ヘッドライトおすすめ16選
ゼクサス ZX-R380
最大ルーメン | 1000ルーメン |
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最小ルーメン | 17ルーメン |
使用電池 | ZR-02 リチウムイオン充電池 |
最大点灯時間 | 約98時間 |
照射距離 | 約200m |
サイズ | 約幅44.6×高さ35.5×奥行21.8mm(本体)/約幅25.5×高さ96.9mm(バッテリーケース) |
重量 | 約91g(電池別) |
防水性能 | IPX4相当 |
ゼクサスが販売する、基本性能に優れたオールラウンドモデルのヘッドライト。
メインLEDは1000ルーメンもあり、ゼクサスシリーズの中でもトップクラスの明るさを実現。
付属の充電池はUSB-Cポートから様々なデバイスに給電ができ、携帯の充電にも対応しています。
ゼクサス ZX-R30
最大ルーメン | 400ルーメン |
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最小ルーメン | 50ルーメン |
使用電池 | 専用リチウムポリマー電池600mAh(内蔵) |
最大点灯時間 | 8時間 |
照射距離 | 約46m |
サイズ | 約幅40×高さ33×奥行25mm |
重量 | 28g |
防水性能 | IPX4相当 |
電池込みで28gとかなりの軽量ながらも、400ルーメンの光りを放つモデル。
明るさ調整機能、前回の点灯パターンを記憶するディミングメモリー、電池残量がわかるインジケーターなど機能が満載。
軽くても機能が充実したライトが欲しい人は、要チェックのアイテムです。
ゼクサス ZX-155
最大ルーメン | 160ルーメン |
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最小ルーメン | 20ルーメン |
使用電池 | 単4形アルカリ電池 × 3(別売) |
最大点灯時間 | 70時間 |
照射距離 | 40m |
サイズ | 約幅60×高さ45×奥行34mm |
重量 | 47g |
防水性能 | IPX4相当 |
シングルスイッチで簡単に操作できるのが魅力的なヘッドライト。
照射面がフレームいっぱいまで広げられており、移動時に最適なワイド光を放つのが特徴。
単4アルカリ電池のほか、別売りの充電池にも対応しており、充電式としても使用できます。
がまかつ ヘッドライト LEHL252URC
最大ルーメン | 250ルーメン |
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最小ルーメン | 1ルーメン |
使用電池 | リチウムポリマー1500mAh |
最大点灯時間 | 70時間 |
照射距離 | - |
サイズ | 約D35×W58×H44mm |
重量 | 70g |
防水性能 | IPX4 |
UVライトを使用できるのが特徴的なヘッドライト。
ワームやエギなどの蓄光に使えるのみならず、アニサキスを発見するライトとしても使用できます。
メインの白色ライトは250ルーメンあり、堤防での夜釣りには十分すぎるほどのスペックです。
がまかつ ヘッドライト LEHL800XPW
最大ルーメン | 800ルーメン |
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最小ルーメン | 14ルーメン |
使用電池 | リチウムポリマー1200mAh |
最大点灯時間 | 40時間 |
照射距離 | - |
サイズ | 約D39×W66×H45mm |
重量 | 74g(充電池込み) |
防水性能 | IPX4 |
がまかつのヘッドライトの中でもっとも明るいモデル。
800ルーメンの光を放つ一方、充電池込みで74gと軽く仕上がっています。
UVライトや赤色ライトも搭載しているので、あらゆる場面で活躍すること間違いありません。
がまかつ キャップライト LEHL151
最大ルーメン | 150ルーメン |
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最小ルーメン | 2ルーメン |
使用電池 | リチウムポリマー500mAh |
最大点灯時間 | 65時間 |
照射距離 | - |
サイズ | 約D50×W50×H15mm |
重量 | 36g(充電池込み) |
防水性能 | IPX4 |
キャップのツバの先端に装着するタイプながら、151ルーメンの明るさを誇るキャップライト。
充電池込みで36gと非常に軽量で、装着時の負担が少ないのも特長です。
白色LEDに加え、UVライトや暖色、赤色など点灯パターンも豊富で、機能性にも優れています。
レッドレンザー MH5
最大ルーメン | 400ルーメン |
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最小ルーメン | 20ルーメン |
使用電池 | 専用充電池(Li-ion)/単3アルカリ電池×1本 |
最大点灯時間 | 35時間 |
照射距離 | パワー:180/ロー:40 |
サイズ | W69×H35×D38mm |
重量 | 94g(電池含む) |
防水性能 | IP54 |
ドイツ発の照明ブランド、レッドレンザーが販売する釣りで人気のヘッドライト。
付属の充電池、単3アルカリ電池のいずれでも使用でき、マルチに活躍します。
アップグレードして赤色LEDも搭載し、さらに釣りで便利に使えるようになっているのにも注目です。
レッドレンザー HF8R Core
最大ルーメン | 1600ルーメン |
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最小ルーメン | 20ルーメン |
使用電池 | 専用充電池(Li-ion/内蔵) |
最大点灯時間 | 90時間 |
照射距離 | ブースト:210/パワー:200/ミドル:100/ロー:25 |
サイズ | W93×H52×D43mm |
重量 | 194g(電池含む) |
防水性能 | IP68 |
足場が悪い場所や暗闇での行動が多いシーンに適した高輝度モデル。
最大1600ルーメンの明るさで、暗所でも安心して移動できます。
さらに、周囲の明るさに応じて自動で光量を調整する機能を備えており、手を使わずに常に適切な明るさを維持できます。
ジェントス DPX-518H
最大ルーメン | 670ルーメン |
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最小ルーメン | 25ルーメン |
使用電池 | 専用リチウムポリマー充電池 3.7V 1,800mAh 6.66Wh/単3形アルカリ電池×3本 |
最大点灯時間 | 57時間 |
照射距離 | 176m |
サイズ | W72.0×H47.9×D44.2mm |
重量 | 203g(電池含む) |
防水性能 | IP64準拠 |
日本のLEDライトメーカー・ジェントスが手がける信頼性の高いライト。
手をかざすだけで操作できるモーションセンサーを搭載し、スイッチに触れたくない場面でもスムーズに点灯可能です。
また、レバー操作でフォーカスの調整ができ、スポットビームからワイドビームまで自由に切り替えられます。
ジェントス CP-03R
最大ルーメン | 260ルーメン |
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最小ルーメン | 60ルーメン |
使用電池 | リチウムポリマー充電池 3.7V 700mAh 2.59Wh内蔵 |
最大点灯時間 | 22時間 |
照射距離 | 105m |
サイズ | W48.5×H34.0×D37.8mm |
重量 | 53g |
防水性能 | IP65準拠 |
細身のストラップを搭載しており、首掛けスタイルでも快適に使えるライト。
重さはわずか52gと軽量で、長時間の使用でも負担になりにくい設計です。
最大260ルーメンの明るさがあり、堤防や河川でのナイトゲームにも十分対応できます。
ハピソン チェストライトミドル
最大ルーメン | 300ルーメン |
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最小ルーメン | 30ルーメン |
使用電池 | リチウムイオンポリマー電池 1000mAh |
最大点灯時間 | 15時間 |
照射距離 | - |
サイズ | 約幅75mm×奥行40mm×高さ55mm |
重量 | 62g(本体) |
防水性能 | IPX5 (防噴流型) |
首掛けも頭部への装着もできる便利なライト。
魚を刺激しにくく、さらには虫が寄りにくいとされているオレンジ光と白色光の2つを使用できるのが特徴。
ワンスイッチで強弱、ブーストの切り替えができ、シンプルに操作できるのも嬉しいポイントです。
ハピソン チェストライトミニ
最大ルーメン | 26ルーメン |
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最小ルーメン | 8ルーメン |
使用電池 | - |
最大点灯時間 | 6時間 |
照射距離 | - |
サイズ | 約71×37.5×26.2mm(フック部込) |
重量 | 30g(電池含む) |
防水性能 | IPX5 (防噴流型) |
小型の首掛けライトで、ルアー交換やラインの結び直しといった細かな作業時に活躍するサブライト。
重量は約30gと軽く、首への負担も少ないため、携帯性に優れています。
黒・ピンク・白の3色展開でデザイン性も高く、見た目にこだわりたい人にも適しています。
ペツル ビンディ
最大ルーメン | 200ルーメン |
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最小ルーメン | 1ルーメン |
使用電池 | 680 mAh リチャージャブルバッテリー(内蔵) |
最大点灯時間 | 50時間 |
照射距離 | - |
サイズ | - |
重量 | 35g |
防水性能 | IPX4(全天候型) |
登山用品を販売し、世界的に名前が知られているペツルのヘッドライト。世界的な登山用品ブランド「ペツル」が手がける、信頼性の高いヘッドライト。
35gと軽量で手のひらに収まるコンパクトサイズながらも、最大200ルーメンと釣りで使用するのに十分なスペックを有します。
細いヘッドバンドを採用しているので、首掛けとして使いやすいのも魅力です。
オーライト Perun2
最大ルーメン | 2500ルーメン |
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最小ルーメン | 5ルーメン |
使用電池 | 4000mAh 21700専用電池 |
最大点灯時間 | 12.5日間 |
照射距離 | 166m |
サイズ | 120.7mm×27mm×28.6mm |
重量 | 161g(電池含む) |
防水性能 | IPX8 |
実売価格1万円ほどながら、2500ルーメンもの光を放ち、コスパに優れたモデル。
とにかく明るいヘッドライトが欲しいという人におすすめです。
クリップ付きでポケットやバッグ、ゲームベストなど、様々なアイテムに取り付けて使用できます。
クレイモア ヘッディー+ CLC-470
最大ルーメン | 600ルーメン |
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最小ルーメン | - |
使用電池 | 3.7V 3,500mAh(12.60Wh) |
最大点灯時間 | 70時間 |
照射距離 | - |
サイズ | 幅74mm×奥行き44mm×高さ44.2mm |
重量 | 103g |
防水性能 | IP54 |
アウトドア用のLEDライトなどを販売するクレモアのヘッドライト。
最大600ルーメンと十分な明るさに加え、昼光色、昼白色、電球色の3色を使用でき、様々な環境下で活躍します。
内側にフック、底部に三脚用ネジ穴があり、ランタンとして使用できるところも便利です。
夜釣りでヘッドライトのマナーとモラル
水面を照らすのはNG!釣り用ヘッドライトのマナーとモラル

※周囲に釣り人がいないことを確認の上、撮影しております。
明るいヘッドライトを手に入れると、ついあちこち照らしたくなってしまうもの。しかし、機種によっては遠くまで光が届くため、周囲に釣り人がいる場面では注意が必要です。
とくに水面や他の釣り人を直接照らすと、魚を警戒させるだけでなく、思わぬトラブルを招く原因にもなります。
山下
ヘッドライトはあくまで“手元や足元を照らす”ための道具と心得ましょう。
夜釣りでは「自分の存在を知らせるライト」も重要

ヘッドライトとは別に、ウェーディングなど暗所での釣りでは、自分の存在を周囲に知らせるためのライト(フラッシャー)を背中に装着するのも有効です。
背後にいる釣り人に自分の位置を示せれば、ルアーが飛んできて接触するといった思わぬ事故も未然に防ぐことができます。
ゼクサス ZX‐135
サイズ | 約 φ27.4 × 77mm(本体のみ) |
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自重 | 約22g(本体のみ) |
明るさ(光束) | 約1ルーメン(フラッシャー使用時) 約180ルーメン(白色100%点灯時) |
実用点灯時間 | フラッシャー使用時:実用点灯 約200時間 白色点灯時:実用点灯 約3.5時間 |
使用電池 | 単3形アルカリ電池 × 1本(別売) |
機能 | 防水機能 IPX7相当, 赤・緑・青・白色ライト |
干潟のナイトウェーディングなど長い距離を歩く場合は、ヘッドライトの後部識別灯では明るさが不十分な場合があります。
とくにディープウェーディングをする場合は、周囲の釣り人だけでなく、近くを航行する船舶にも自分の存在を知らせるためにフラッシャーと呼ばれる認識灯を必ず身に付けましょう。
釣り場とスタイルに合ったヘッドライト選びを

ヘッドライトを選ぶ際は、釣り場の環境や自身のスタイルに合った機能・明るさを見極めることが大切です。
普段訪れるフィールドを思い浮かべながら、自分にとって本当に使いやすい一台を選びましょう。
撮影:山下洋太
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