目次
夜釣りのヘッドライトマナー問題

筆者も夜釣り愛好家の一人。その雰囲気を含めてナイトフィッシングを楽しんでいます。
夜釣りには必要不可欠な“ヘッドライト”

また、ライトをつけることで他人に自分の存在を知らせたりする効果もあります。
そんな重要アイテムのヘッドライトですが、時折”使い方のマナー”について問題視されることがあります。
何が正しい!?ヘッドライトのマナー

それとは反対に“照らしても問題ない”と(釣果には関連性がない)との意見もありますし
魚が逃げることより、“暗闇でのリクス軽減の為には照らすことも必要”との意見もあります。
様々な釣師にインタビューしてみた

ただヘッドライトの扱いひとつで他のアングラーが不快に感じてしまったり、釣り人だけでなく釣り場周辺に住む地域住民に迷惑をかけてしまうこともあると言われています。
そこで今回は様々な立場のアングラーにインタビューをして、ヘッドライトの使い方のマナーについて真剣に考えてみました。
サーフフィッシングの一例

TSURI HACKでもお馴染み、人気YouTubeチャンネル”六畳一間の狼”のSUUさん。静岡を中心に様々な活動を展開されています。
▶︎六畳一間の狼 – YouTube
▶︎六畳一間の狼 SUU – TSURI HACK記事一覧
質問1:ヘッドライトの光で魚は逃げるのか?
ヘッドライトの光を当てると、かなりの確率で逃げたり警戒心が上がったりすると感じています。不意にライトで水面を照らしてしまった際に魚がバシャバシャと暴れたり猛スピードで逃げ去るのを何度か体験しているためです。
特に夜のサーフでは常夜灯なんてものはなく、あるのは月明かり程度。
そんな場所でヘッドライトを海に向けようものなら、間違いなくプレッシャーをあげてしまうと考えています。
質問2:照らす事で起きる問題
たまにサーフで見かける常時ヘッドライトを点灯したまま釣りをしているアングラー。照らし続けることでラインやタックルが見えて釣りはしやすいかもしれませんが、海を照らしてしまうことで魚の警戒心が上がってしまいます。
また、周りのアングラーは暗闇に目が慣れているため、もし光を向けられようものなら目がくらんで不快な思いをすることもあるのではないでしょうか。
質問3:照らさない事で起きる問題
逆にライトを全く使わずにナイトサーフを歩くのはかなり危険です。サーフには様々なものが漂着していたり、テトラポッド(消波ブロック)が埋まっていたり、急斜面になっているなんてことも。
怪我を防ぎタックルを守ためにも、歩く際は足元を照らして安全を確認しながら歩いた方がいいでしょう。
質問4:どれくらいライトを使うのか
ぼくの場合ヘッドライトの使用は必要最低限にすることを心がけながら釣りをしています。まずヘッドライトの電池は使い古しの弱いものを使用して、作業ができる最低限の光量になるよう調節。
移動時は足元だけを照らすようにし、海や周りのアングラーは決して照らしません。
ルアーチェンジの際は海に背を向けて、海から少し離れた場所まで移動してからライトをつけて作業。
魚を釣るためだけではなく、周りのアングラーに不快な思いをさせないよう努めています。
エギングの一例

ロッドメーカートランスセンデンスのテスターを務める若きエギンガー。関西を中心に時には遠征を交えながらエギングを全国各地で行っている。巨大化するレッドモンスターと呼ばれる巨大アオリイカ釣りが得意。
▶︎トランスセンデンス – TRANSCENDENCER
質問1:ヘッドライトの光で魚は逃げるのか?
基本的にライトの光の明滅にびっくりしたイカは逃げると考えています。けれど、何かにロックオンしたイカはその限りではないです。沖からエギを追ってきて活性が上がったイカや、ほかのイカが口を使って活性が上がって釣れたイカにチェイスしてくるイカなどはライトを当てても何の影響も無いです。
実際にそのようなイカに何度も出会っていますし、スイッチが入っていればいるほどその傾向が強いように感じます。
質問2:照らす事で起きる問題
・活性の低いイカや魚が散ります。・周りのアングラーには実際迷惑がられると思います。
ライトを消した時に自分自身の視界が戻るまで時間がかかってしまうので、逆に危険となることがあります。
質問3:照らさない事で起きる問題
釣り場には様々な危険があると予測されるので、全く照らさないと道中が危険だと思っています。また、エギングはどうしてもラインテンションがゆるい状態で巻かれがちなので、ライトを一切照らさずに完全に手の感覚だけで釣りをしているとライントラブルに繋がる事があります。
ライトを付けずにランディングすると、後ろから別のイカのチェイスがあるか判断出来ないという点もあります。
糸を結んだり、スナップを閉じ開けする際にライトを使わないとたびたびミスが起きます。
質問4:どれくらいライトを使うのか
基本的に移動時は安全のために常にライトは付けています。しかし、水辺が近づいてきたら、ライトを消す、もしくはライトが水面に当たらないように気をつけます。釣りの最中は基本的に付けませんが、後ろにイカがついてきている感じがあるのに抱ききらない場合や、最後の一投など、状況に応じて、足元まで来たエギの後ろにイカがいないかをチェックする目的で水面を照らします。
この時、イカがいれば、つけたままサイトで釣ります。
また、ランディングの際も、当たりや途中の引きの異変などを感じた際は、ゆっくりとイカを水面まで上げてきた後にチェイスが無いかチェックするために水面を照らします。
どちらも、これによって釣れなくなるイカがいるかもしれないですが、それよりも、つける事でさらにもう一杯とれる可能性が高くなるような状況で使う諸刃の剣のようなイメージで使っています。
あとは、ルアー交換の際やリーダーを結ぶ際は水辺から数メートル下がってから後ろを向いて使います。
シーバス釣りの一例

TULALA/Megabassスタッフ。埼玉県在住で主に淡水域のシーバスを追いかけているシーバスアングラー。激スレフィールドの関東をホームフィールドとしています。
▶︎TULALA − Field Staff
▶︎MEGABASS − MEGABASS FACTORY SPECIALIST
質問1:ヘッドライトの光で魚は逃げるのか?
光を照らすことで魚は逃げると思います。ところが逃げたシーバスも時間をおくと帰ってくることが多いと思います。バスなどの淡水魚に比較するとそこまでシビアではないでしょう。シーバス釣りは足元の魚を釣ることは少なく、沖の魚を狙うことが多いのが理由の一つでもあります。
ただ出来るなら照らさないほうがよいのは間違いないでしょう。
質問2:照らす事で起きる問題
照らすことで他の釣り人を怒らせてしまうという問題があります。例えば関東では5m感覚で並んで釣りをする……なんてシチュエーションの激戦区もザラにあります。そんななかでライトをピカピカ照らすと他のアングラーが不快に思うことでしょう。
また、橋の上から川に向かってライトを照らす人もいます。狙っているポイントを照らすことでそのタイミングの魚は逃げてしまうでしょう。
質問3:照らさない事で起きる問題
自分の足元を照らさないと危険が及ぶ場合があります。またルアーを交換するときはライトがないと難しいでしょう。質問4:どれくらいライトを使うのか
ルアーを交換したりするときです。それも釣り場の方向には向けず、後ろを向いて気をつけながら最低限の範囲で照らします。また移動時の足場を照らしたりはします。メバリングの一例

東北地区でロックフィッシュ全般に精通する凄腕アングラー。尺を超えるデカメバルやベッコウゾイなどをメインターゲットにしています。
▶︎MEGABASS − MEGABASS FACTORY SPECIALIST
質問1:ヘッドライトの光で魚は逃げるのか?
魚は逃げるし、食わなくなると思っています。照らして逃げない魚は寝ていると考えています。逆に食い気のある魚は照らした瞬間に逃げます。そもそも釣れる個体は照らして見えないのですが……。
質問2:照らす事で起きる問題
魚が逃げたり警戒して食ってこなくなる、自分も釣れなくなるが一番は周りの釣り人へ迷惑がかかると思っています。質問3:照らさない事で起きる問題
夜の釣りに慣れていないと転落などの危険度は高くなるし、キャストする際のルアーの位置や周りにあるものが見えない為に他者への怪我、道具の破損に繋がる可能性もあります。質問4:どれくらいライトを使うのか
移動時の足元。ルアーの交換など。最小限で使います。個人的には赤ライトもNGだと考えています。バスフィッシングの一例

滋賀県で生まれ育ったネイティブ琵琶湖アングラー。学校や部活終わりの釣行が主流だったため若い頃より毎日のようにナイトバスフィッシングを行っていた。今でも琵琶湖のナイトフィッシングはライフワーク。
質問1:ヘッドライトの光で魚は逃げるのか?
バスはライトを照らすと確実に逃げています。また照らした後は数時間あけないと基本的には食わない魚が多いと思っています。特にピカピカ照らしたり、ライトを素早く動かしたり明滅を繰り返すと余計によくないと感じています。
質問2:照らす事で起きる問題
魚が食わなくなります。また照らされることで釣り場が潰れたと感じるアングラーは多いと思います。また移動時にも民家を照らしたりすると地域住民にも迷惑がかかると思っています。
質問3:照らさない事で起きる問題
足場がよくないところではライトが全くないと怪我に繋がります。僕のホームの琵琶湖は比較的明るいのでヘッドライトがなくても釣りができる場所も多いですが、人気の少ないエリアなどではライトがないと周りが全く見えずに危険です。質問4:どれくらいライトを使うのか
暗闇で見えないときの足元を照らしたり、ルアーの交換するときに使います。この時も基本的には赤いライトを使います。諸説ありますが赤ライトは通常のライトよりも吸収されて水中に届きにくいと考えているからです。ただ赤ライトでも直接ポイントを照らしたりはしません。
インタビューから考える“ヘッドライトマナー”
魚は逃げる…けれども魚種によっても異なる

今回、インタビュー回答者の全員が共通して答えたのは魚は照らすと逃げるという回答。
魚種によって照らすことによる釣果への影響は様々なようですが、照らすことでマイナスの効果が生まれるのは共通概念としてあるようです。
ヘッドライトを照らすと不快に思う人が多い

”照らすことで魚が逃げる”と考えるアングラーの為であったり、単純に眩しいと感じるアングラーの為、仮に自分がライトをつける時でも、水面に背を向けるなどの配慮が見られました。
安全の確保は必要

最後の共通認識は、“足元を照らさないのは危険”ということ。
移動中の安全の確保のためのライトは必要と言えます。水面を照らさないように気をつけながらも必要なところでは使っていきたいですね。
赤ライトについては諸説ありますが、物理的に赤い光は吸収されやすいので、通常のライトより与えるプレッシャーは低いという説があります。
その知識がある方前提ですが、赤色を使うことで「周りのアングラーにも気を使っています」といった意思表示にも繋がるかもしれません。
気持ちよく、安全に楽しむ為に

※本記事は、あくまでも各個人の見解(感覚の共有)であり、「魚が逃げるか否か、釣れなくなるか否か」といった、真偽を確定するものではありません。
しかし、他のアングラーが、ヘッドライトの光・マナーについてどう考えているかを知るだけでも、十分に意味のある事だと思います。
誰だって釣りは、気持ちよく、安全に楽しみたいもの。
アングラー同士がお互いに気持ちよく釣りをする為にはどうすべきか
近隣住民に迷惑をかけない為にはどうすべきか
自分自身の安全を確保する為にはどうすべきか
考えるキッカケとなれば嬉しいです。
夜釣りの関連商品
ヘッドライト

筆者にとっては時に命を預けると言っても過言ではないアイテムのヘッドライト。いいものを選びたいので数多くのヘッドライトを試して比べてきました。
ゼクサス ZX-350は日常の夜釣りから海外の奥地まで釣り歩く私が信頼を寄せるヘッドライトです。
冨士灯器 ヘッドライト ゼクサス ZX-350
明るさ:約350ルーメン
点灯時間:(アルカリ電池使用時)メインLED:約12時間〜50時間(100%〜10%) サブLED:約20時間
視認距離:約160m(100%時)
使用光源: SUPER LED 白色 × 1 高輝度Φ5mm LED 電球色 × 2 高輝度Φ5mm LED 赤色 × 2
使用電池:単3形アルカリ電池 × 3(ニッケル水素充電池対応)
質量:約165g(電池別)
防水性能: IPX6相当
点灯時間:(アルカリ電池使用時)メインLED:約12時間〜50時間(100%〜10%) サブLED:約20時間
視認距離:約160m(100%時)
使用光源: SUPER LED 白色 × 1 高輝度Φ5mm LED 電球色 × 2 高輝度Φ5mm LED 赤色 × 2
使用電池:単3形アルカリ電池 × 3(ニッケル水素充電池対応)
質量:約165g(電池別)
防水性能: IPX6相当
安全灯(フラッシャー)

冨士灯器 ゼクサス LEDライト FLASHER ZX-130は、夜釣りにおける後方からの安全確保用として開発されたライト。
ライフジャケットの背面に装着するのが一般的で、トラブルを未然に防いだり、カラーセレクトモード搭載であれば仲間の居場所認識にも役立ちます。
冨士灯器 ゼクサス LEDライト FLASHER ZX-130
使用電池:単4アルカリ電池×1本(別売)
電池寿命:約72時間
本体サイズ:約 幅23×高さ72×奥行23mm
質量:約16g(電池別)
明るさ:約10ルーメン
防水性能:水深2m防水 ( IPX7相当 )
電池寿命:約72時間
本体サイズ:約 幅23×高さ72×奥行23mm
質量:約16g(電池別)
明るさ:約10ルーメン
防水性能:水深2m防水 ( IPX7相当 )
ライタープロフィール
Always had high hopes.
2019:5100g
I wanted Monsters,I want Monsters…
Put my past Trophy’s .I vie for new Trophy’s.
2020:5110g
2008:4800g
2019:4600g#sences#transcendencejp pic.twitter.com/DbNIWc6LNH
— ビックリマン高田雄介 (@bikkurimantkd) April 7, 2020
海外釣行ツアーChillTrip所属のプロガイドであり、Transcendenceのロッドデザイナー。年間釣行日数は300日ほど。GTから近所の小魚まで淡水海水問わずになんでも釣ります。
国内での釣行はバスフィッシングがメイン。琵琶湖のモンスターバスフィッシングが得意分野です。
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