2002年 アカメが高知の絶滅危惧種に
アカメは2002年に発効された高知県レッドデータブックの絶滅危惧IA類Critically (CR)に記載されました。
これはごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの。という評価です。これによって禁漁区など保護水域や禁漁期の設定と罰則の制定による保護、また、種の天然記念物指定などが検討されていました。
アカメ釣りの実質的禁止が現実味を帯びてきた出来事だったといえるでしょう。
そもそもレッドデータブック記載種とは
高知県が設定するレッドデータブックカテゴリーとは1994年のIUCNのRDBカテゴリー(環境庁(現環境省)、1997)に準拠しています。
このカテゴリーの特徴として“今までの定性的な要件とは異なり、絶滅確率等の数値基準による客観的な評価基準を採用していること”を前提に動物の場合は、定量的要件または定容的要件を用いてカテゴリー分けし、該当すると判断された生物はレッドブックに記載されます。
2006年 いよいよ高知県で捕獲禁止の兆しか
2006年、いよいよ高知のアカメを捕獲禁止とする見通しが現実味を帯びてきました。
宮崎県で捕獲が禁止となる
高知と並んで主なアカメの生息地である宮崎県では、2006年に指定希少野生動植物にアカメが指定されました。
これにより現在もアカメの捕獲等が禁止されています。偶然釣れてしまった場合には罰則等がありませんが、アカメを狙った釣り自体が禁止されています。
この流れが高知にも波及するのではないかと話題になり、アカメ釣りを愛する人々が立ち上がるきっかけとなったのです。
待ったをかけたのは地元有識者や釣り人
釣り人に夢を与え続けていたアカメ釣りに訪れた、県指定希少野生動植物指定案という危機。
そこで「アカメと自然を豊かにする会」を中心に個人の有志や釣り具店、研究者などが協力し立ち上がりました。
実際は明日にも消えうる絶滅危惧種のようではなく、県内では頻繁に見ることが出来るほど個体数がいるというデータを集め、レッドデータブックの絶滅危惧種としての指定から、アカメを外すための運動をはじめたのです。
野外調査が開始される
高知県下においてアカメは絶滅危惧種とする判断は、現実から大きくかけ離れている。
それを証明するため、標識放流調査・生態解明の為の野外調査を中心に、アカメの生息数の実態を伝えるためのデータ収集活動が行われました。
2007年より約9年間、「アカメと自然を豊かにする会」が主導でアカメ釣り大会とアカメフォーラムなどを行い、高知県にアカメに関する現状を伝え続けたのです。