メガネモチノウオはどんな魚?
メガネモチノウオとはベラ科の魚。特徴のある体型をしており、水族館やダイビングでの鑑賞に非常に人気のある魚です。ベラ科の魚の中では最も大きくなり体長は2メートル前後まで成長し、体重は200キロを超える個体もいます。
メガネモチノウオの別名は?
メガネモチノウオは、通称『ナポレオンフィッシュ』とも呼ばれています。ナポレオンフィッシュと呼ばれる所以は、大きく成長したメガネモチノウオの固体の前頭部が大きく張り出しコブがナポレオンの被っていた帽子に見えることが、由来とされています。
特徴
メガネモチノウオの特徴はメガネモチノウオと言う和名が示すとおり、目の後方から目を通り口にかけて黒い帯状の模様がメガネを掛けているように見えることに由来します。大きく突き出した分厚い唇と張り出した前頭部と相まってユーモラスな風貌に見えます。
メガネモチノウオは性転換するの?
メガネモチノウオは他のベラ科の魚同様、雌性先熟の性転換をします。雄なった固体は色彩が鮮やかになり縄張り意識を持ち始めます。
生息域
メガネモチノウオは中央アメリカ西岸からアフリカ東岸までの太平洋・インド洋の熱帯海域に生息し日本では南西諸島や和歌山県沖などで見る事ができます。
メガネモチノウオはコブダイ?
コブダイとメガネモチノウオは、姿が似ており同じベラ科の魚ですがコブダイはキタベラ亜科に属する魚。コブダイの生息域は、日本南部の太平洋、東シナ海、南シナ海となっています。メガネモチノウオが2メートルを超える大きさに成長するのに対し、コブダイは80センチ~1メートルほどの大きさに成長します。
▼コブダイの味や釣り方を紹介している記事です。
アオブダイとも似てる?
アオブダイもメガネモチノウオと似ており、生息域もメガネモチノウオに近く東京湾、朝鮮半島以南からフィリピンまでの西太平洋の熱帯から温帯に生息しています。しかしアオブダイは、ベラ亜目ブダイ科の魚でベラ科のメガネモチウオとは違う科の魚。アオブダイその物には毒はありませんが、毒を持つイソギンチャクや貝などを捕食するため体内に毒を蓄積している事が多く食中毒を起こす危険があります。
▼アオブダイについて紹介している記事です。
メガネモチノウオは絶滅危惧種
メガネモチノウオは、海洋開発による棲家であるサンゴ礁の破壊や食用・観賞用にと乱獲され、30年間で50パーセントも生息数が減り、現在では絶滅危惧種1B類に指定されています。国際自然保護連合によると、この種は保護活動が進めば個体数の回復を見込めるとしていますが、一貫的な拘束力のある海域的漁業規制が行われていないのが現状です。
飼う事はできる?
メガネモチノウオは、自然界では年々数を減らしている魚ですが、観賞用としてペットショップで売られていることもあります。普通の海水魚と同じように水槽で飼う事が出来き、ユーモラスな風貌で人気の魚種ではありますが、大型化する魚種ですので120センチ以上の大きさの水槽が必要になってきます。
食べられてもいた?
香港をはじめ中国では蘇眉(ソウメイ)と呼ばれ、高級食材として人気があり、長寿を意味する縁起の良い魚とされてきました。身は白身で幼魚は蒸魚にするととろみが出るほど柔らかくなります。しかし21世紀に入ってからは、絶滅危惧種に入った事もあり主な生産地の香港でも食用にしないように呼びかけられています。
優雅に泳ぐメガネモチノウオを見よう!
メガネモチノウオは、ユーモラスな風貌に大きな巨体をしており、水族館でも人気の魚です。環境破壊や密漁で年々数を減らし、絶滅危惧種にリストアップされていますが、環境改善や固体の保護が進めば数が増えると言われている魚。個人個人が自然保護の意識を持ち、メガネモチノウオが増えるような海に環境改善できるといいですね。