太刀魚について
太刀魚は、スズキ目タチウオ科の魚。銀白色の細長く帯状の魚体は、1メートル前後から、最大で2メートルを越す個体もいます。
特徴
太刀魚の特徴は、鋭く発達した歯、左右に平たい魚体、後頭部から尾までの長い背ビレがあり、尾ビレと腹ビレはありません。また鱗がなく、代わりにグアニンという銀粉状の物質に体表面が覆われています。
生息域
太刀魚は、北海道から九州南岸に分布。泳ぎが得意でない魚のため、比較的に潮流が穏やかな沿岸域の、表層から400メートル程度の深さで群れをなして生息しています。
漁獲される地域は、大分県、長崎県、広島県、愛媛県、徳島県など、関西以南で多く水揚げされています。
生態
太刀魚の成魚と幼魚は、別の行動パターンで生活をしています。成魚は基本的に、夜は深場で生活をし日中になると上方へと移動します。また朝・夕マズメには、エサを求めて水面付近まで上がってきます。
幼魚は成魚とは逆になり、夜に上方へ移動し日中は深場で生活をします。
産卵期は6~10月頃。食の旬となる時期も近く、7~11月頃とされています。
名の由来と地方名
魚体が太刀に似ていることから『太刀魚』(タチウオ)と名づけられたという説が一般的です。他には、立ち泳ぎをしてエサを狙う姿から『立ち魚』(タチウオ)と名づけられたという説もあります。
今では太刀魚の名で親しまれていますが、福岡県大川市では『タチノウオ』、その他にも、カタナや、タチ、タツ、サワベル、カトラス、ハクナギなどと呼ぶ地域もあります。
間違えられる種?
外見が良く似ており、同じスズキ目タチウオ科の魚『テンジクタチ』がいます。市場入荷では太刀魚とされますが、背ビレが黄色く太刀魚よりも体高があり、クチの中が淡い色合いをしています。気が付かない人が多い魚です。