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あら!魚のアラを強火で炊いたら、とんでもない出汁になった

あら!魚のアラを強火で炊いたら、とんでもない出汁になった

釣った魚を、できるだけ余すことなく使いたい。

そう考えたときに取り入れたいのが、アラで取る魚出汁です。

下処理や火加減を変えることで、澄んだやさしい出汁にも、白濁した濃厚なパイタンにも仕上げられます。

目次

魚のアラはうまい出汁になる

アジのアラ

魚を捌いたあとに残るアラも、扱い方次第でおいしい出汁に生まれ変わります。

使える魚種は幅広く、釣った魚を余すことなく楽しめるのも魅力です。

本記事では、元料理人の筆者が魚出汁の基本的な取り方を解説します。

山下

釣った魚を最後まで楽しむひとつの方法として、ぜひ試してみてください。

魚種を問わず出汁が取れる

アラから出汁を取る様子

魚出汁は、白身魚から青魚まで、さまざまな魚のアラから取れます。

筆者はこれまで、シロギスやアジといった身近な魚から、ヒラメやアカムツまで、さまざまな魚のアラで出汁を取ってきました。

魚種によって風味は異なりますが、いずれも料理に使いやすい出汁に仕上がりました。

まずは魚種を意識しすぎず、手元にあるアラで試してみるのがおすすめです。

下処理の仕方は2パターン

下処理

魚出汁の仕上がりを左右するのが、下処理の工程。

ここで手を抜くと臭みや雑味が出やすくなるため、頭を使う場合は、あらかじめエラを取り外しておきましょう。

基本となるのは、余分な汚れを落とす「霜降り」と、香ばしさを加える「焼きアラ」の2つです。

山下

焼きアラにする場合でも、ヌメリが多い魚や、釣ってから時間が経っている魚は、状態に応じて先に霜降りしてから焼くことがあります。

霜降り

霜降り

霜降りとは、魚のアラに残った血やヌメリ、ウロコを落とす下処理のこと。

まずアラに軽く塩を振り、30分ほど置いて余分な水分を出します。急ぐ場合、この工程は省略しても問題ありません。

続いて80℃ほどの湯にアラを入れ、表面が白くなったらすぐに取り出して冷水へ。残った血やヌメリ、ウロコなどを洗い流しましょう。

焼きアラ

焼きアラ

焼きアラとは、アラに焼き目を付けてから出汁を取る下処理のこと。

バーナーや魚焼きグリルを使い、表面に軽く焼き色が付くまで加熱します。

焦げると苦味が出やすいため、黒くなるまで焼かないよう注意しましょう。

山下

魚出汁は、火加減や炊き方によって、澄んだ「すまし」と白濁した「パイタン」の2種類に仕上げられます。

霜降りと焼きアラはどちらの出汁にも使えるため、すっきりと仕上げたい場合は霜降り、香ばしさやコクを加えたい場合は焼きアラと、目指す味わいに合わせて選びましょう。

基本の魚出汁(すまし)の取り方

材料と分量

すまし向けの材料と分量

使うのは、下処理をした魚のアラと水だけ。

分量は、水500mlに対してアラ75gが目安です。

すましに仕上げる場合はアラの量を控えめにするのがポイントで、量を抑えるほど雑味の出にくい澄んだ出汁になります。

火加減と時間

極弱火

鍋にアラと水を入れ、火にかけたら極弱火にします。

表面が揺れない程度を保ち、沸かさないことが重要です。

アクを取る

加熱の初期に浮いてくるアクだけを取り除きます。

その後に出てくる細かなアクは、無理に取らなくて構いません。

火にかける時間は20〜30分ほど。旨味を静かに引き出すことで、やさしい味わいに仕上がります。

山下

火を止めたらアラを取り出し、ザルやキッチンペーパーなどで静かに濾しましょう。

アラを押すと濁りや雑味が出やすいため、自然に落ちる出汁だけを受けます。

仕上がりの目安

すましの完成

出汁が澄み、ほんのり魚の香りが立っていれば完成。

濁りが強い場合は火が強すぎた可能性があり、味見をしたときに角のない旨味が感じられるのが理想です。

えぐみや生臭さがあれば、下処理が不十分だったと考えられます。

濃厚魚パイタンの取り方

材料と分量

パイタンの材料と分量

使うのは、下処理をした魚のアラと水。分量は、水500mlに対してアラ125gが目安です。

すましより多めにアラを使い、濃厚でコクのある出汁に仕上げます。

火加減と時間

パイタンの火加減

鍋にアラと水を入れ、最初から強めの火にかけます。

最初のアクを取る

沸騰した状態を保ち、初期に出たアクを取り除いてしっかりと炊き続けましょう。

水分量が半分

炊く時間は20分ほどが目安。短時間でも、強火で炊くことで白濁した出汁に仕上がります。

火を止めたらザルで濾し、骨や崩れたアラを取り除きましょう。

仕上がりの目安

パイタン

水分量が加熱前のおおよそ半分になった状態が、ひとつの目安です。

鍋の中が白く濁り、魚の香りが立ち、味に厚みが出ていれば完成です。

煮詰めるほど、出汁の味わいは濃厚になります。

山下

反対に、水分を多めに残せば、軽く仕上がります。

用途や好みに合わせて、水分量を調整しながら仕上げるのもひとつの方法でしょう。

すましとパイタンの使い分け

すまし汁

すまし向けの魚出汁は、魚の香りをやさしく活かしたい料理向き

吸い物や魚のつみれ汁、煮物など、素材の味を引き立てたい料理に使いやすいでしょう。

パイタンラーメン
鍋

一方、パイタンはコクと厚みのある味わいが特徴で、鍋やラーメンなど、出汁そのものを主役にした料理によく合います。

山下

同じ魚のアラでも、火加減や炊き方で仕上がりは大きく変わります。

魚の風味をやさしく活かしたい場合はすまし、濃厚な出汁そのものを味わいたい場合はパイタン。

この基準で使い分けると、選びやすくなります。

特別な技術なしで楽しめる魚出汁

特別な技術がなくても楽しめる

下処理と火加減のポイントを押さえれば、家庭でも本格的な魚出汁を取れます。

すましとパイタンを使い分けることで、同じ魚でも料理の幅はさらに豊かに。次に魚を捌いたときは、アラを捨てずに出汁を取ってみてください。

魚の楽しみ方が、またひとつ増えるはずです。

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