とある日の雑談中の一幕
編集部たなか
最近、釣れてます〜?
ビックリマン高田
ぼちぼちですね〜、たなかさんは釣れてます?
編集部たなか
ん〜〜って感じ(笑)
去年、クランクでめっちゃ釣れたタイミングがあって、今年も同じ時期に同じ場所に入ってみたんですけど、完全にスカしましたね(泣)
ビックリマン高田
あ〜やってますね〜(笑)
良い思いをした記憶があると、どうしてもその成功体験に引っ張られるんですよね……その気持ち、わかります。
編集部たなか
とりあえず一通りクランクを巻いてみたものの、何もなく……結局その場所では「何したらいいんだろう?」って完全に釣り方迷子になっちゃいましたね。
ビックリマン高田
「前はこの場所でこのルアーで釣れたんだから今日も釣れるだろう」って……僕もそういう思考になっちゃうこと、結構あります。
でも、過去の記憶に引っ張られずに、今を釣る方法を導き出すことが大事ですね!
過去の栄光にすがるな

2025年の夏にハマったビッグベイトの釣りも、2026年は不発でした。
釣りでは日常茶飯事です。
去年釣れたルアー、去年釣れた場所、去年釣れたタイミング。
釣りを長く続けるほど、こうした「過去の栄光」は増えていきます。なかでも、爆発的に釣れた経験は強く記憶に残るもの。
「あそこで去年デカいのを釣ったな」「あの時期はこのルアーだったな」
こうした経験は、釣り人にとって大切な財産です。
ただし、その成功体験が強すぎるあまり、目の前にいる今年の魚が見えなくなってしまうことがあります。
去年の魚を釣ることはできません。釣らなければいけないのは、今そこにいる魚です。
ビックリマン高田
過去の栄光にすがるあまり、今の状況にアジャストできず、気づけば一日が終わっていた……。そんな経験があるのではないでしょうか。
そんな一日を避けるために必要な心得をご紹介します。
前提として、過去の経験は使っていい

勘違いしてほしくないのは、過去の経験を捨てろという話ではありません。むしろ、それを起点に釣りを組み立てることが大切です。
経験を重ねるほど、その時期や状況から、ある程度の答えを予測できるようになります。それは、経験を積んだアングラーだからこそ持てる大きな武器です。
ただし、ここで重要なのは、経験から導き出した答えを正解だと決めつけないことです。
あくまで最初の仮説です。
ただし、毎年同じ状況になるとは限らない

去年の6月にクランクで釣れた。だから、今年の6月もクランクで——。
一見すると正しそうです。
でも、自然はカレンダー通りには動いてくれません。
ビックリマン高田
去年と今年では、雨量や気温、水温、水位が異なり、ベイトの状態も変化します。
当然、バスも同じ状態とは限りません。
過去よりも今が大事
まずは、「今」どういう状況なのかを知る

過去の経験から釣りをスタートする。
そして実際にフィールドへ出たら、まず確認してほしいのが「今どうなっているのか」です。
水温や水位、水の濁りを確認し、魚が浮いているのか、ベイトがどこにいるのかを観察します。実際にルアーを投げ、魚からの反応も確かめましょう。
そこで違和感を覚えたら、去年のパターンに固執してはいけません。
「去年と何が違うんだろう?」
ここから今年の魚を探していきます。
“日付”ではなく“状況”で考える

去年と同じ日付だからといって、季節の進み方まで同じとは限りません
暖冬だったり、春の訪れが遅かったり、雨の多い年だったりと、自然条件によって魚の季節感は簡単に前後します。
そのため、日付だけで判断せず、その年の季節の進み具合も頭に入れておきましょう。
例えば、今年の季節進行が去年より2週間遅れているとします。
それなのに去年と同じ日付の釣果を参考にしても、魚の状態が違うのは当然です。
そんなときは、去年の2週間前にしていた釣りを思い出してみましょう。反対に、今年の季節進行が早ければ、去年の少し先の釣りを参考にします。
ビックリマン高田
過去の経験を使うなら、「去年の今日、何で釣れたのか」ではなく、「今の状況に近いとき、何で釣れたのか」と考えるほうが、はるかに活かしやすくなります。
釣れたら“覚えておくべき”確認事項
まず確認したいのは“天候”

去年との違いを考えるなら、まず分かりやすいのが天候です。
今年は雨が多いのか、少ないのか。気温は高いのか、低いのか。直前に大雨が降ったのか、晴天が何日も続いているのか。
こうした条件が違えば、当然水の中も変わります。
釣れたルアーより“釣れた理由”を覚える

過去の経験を生かすうえで、大切なのが「釣れた理由」まで振り返ることです。
「去年はクランクで釣れた」という記憶だけでは、情報として十分ではありません。
なぜ、そのときクランクで釣れたのでしょうか。
雨で濁っていたからなのか。風が吹いていたからなのか。ベイトを追っていたのか。それとも、魚がシャローへ入っていたのか。
そこまで覚えていれば、今年も同じ条件がそろっているかを確認できます。
ビックリマン高田
覚えておくべきなのは、釣れたルアーではありません。
そのルアーで釣れた理由です。
毎年変わる?“ベイト”の状態

釣りを組み立てるうえで、ベイトの状態は欠かせない情報です。
ところが、「去年はこのルアーで釣れた」という記憶が強いほど、目の前のベイトを意外と見落としてしまいます。

バスが今年も去年と同じエサを食べているとは限りません。
去年はシャローに小魚が大量にいたのに、今年はまったく見当たらない。
去年は表層でベイトを追っていたのに、今年はボトムのエサを意識している。これだけでも、有効な釣り方は大きく変わります。
大切なのは、去年クランクで釣れたからクランクを投げるのではなく、今バスが何を食べているのかを先に見ることです。
そのうえで、クランクが合っているならクランクを、ワームが合っているならワームを選ぶ。
ビックリマン高田
ルアーから考えるのではなく、ベイトから考える。
この順番を逆にしないことが大切です。
ルアーのトレンドも変わっている

もう一つ忘れてはいけないのが、アングラー側の変化です。
魚の状態だけに注目していると、そのフィールドで何が流行しているのかを見落としてしまいます。
去年までほとんど使われていなかったルアーや釣り方が、今年になって大流行する。バスフィッシングでは珍しいことではありません。
新しい釣り方は、登場した当初に驚くほど釣れることがあります。しかし、多くのアングラーが使い始めれば、魚も同じルアーを何度も目にするようになります。
去年まで効いていたルアーが今年は効かないのも、季節や魚のポジションが変わったからではなく、単純に見慣れられていることが原因かもしれません。
反対に、一昔前に流行し、今では誰も投げなくなったルアーが再び効くこともあります。
ビックリマン高田
「去年釣れたから」という理由だけで選ぶのではなく、今そのフィールドで何が投げられているのかまで考える。
そうすれば、その日の正解も見えやすくなります。
釣れないなら過去を疑う

経験が少ない頃は、分からないことが多い分、目の前の状況を必死に観察します。
しかし、経験を重ねるにつれて、「この時期ならこれ」「この場所ならこれ」と、自分なりの答えをいくつも持つようになります。
それは釣りが上達した証しである一方、その答えに縛られてしまうこともあります。

去年も釣れた。一昨年も釣れた。だから、今日も釣れるはず。
そう思い込むほど、見切るタイミングを失っていきます。
あと一投だけ。もう一流しだけ。もう少し待てば、条件が変わるかもしれない……。
気付けば一日中、目の前の魚ではなく、過去に釣れた魚を追いかけていた。
ビックリマン高田
これは、経験があるからこそ陥る「釣り方迷子」です。
そんなときこそ、一度立ち止まり、過去の成功体験を疑ってみてください。
過去ではなく「今」を釣る

過去の経験は、間違いなく武器です。
釣りを長く続けるほど選択肢は増えていきますが、毎回同じものを使う必要はありません。
まずは経験から仮説を立て、フィールドへ出たら目の前の状況を確認します。去年との違いを考えながら、季節の進行や天候、ベイト、アングラーのトレンドまで見ていきましょう。
そして、最初に立てた仮説と違うと感じたら、過去の成功体験を捨てる。
過去の経験は使う。でも、過去の栄光にはすがらない。
去年クランクで釣った魚は、もう過去の魚です。今年釣るべきなのは、今年そこにいる魚です。
ビックリマン高田
バスフィッシングで大切なのは、「去年何で釣れたか」ではなく、「今、何をすれば釣れるのか」という視点です。
過去を参考にしながらも今を釣りましょう。
撮影:ビックリマン高田
