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3Dプリンターでルアーを作ろう!かなり低コストで楽しめます

みなさんは「ルアーは買う物」だと思っていませんか?

でも、これからは「ルアーを作る」という時代がやってきます。

……というか、もうその時代がやって来ているんです!

3DCADと3Dプリンターを用いたルアー作るについてご紹介します!

本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

目次

3Dプリンターでルアーが作れるってホント?  

このルアー達、どこからどう見ても釣具屋さんで売っているルアーに見えますよね。

でもじつは、全部自分で作ったオリジナルのルアーなんです!

「でも、凄い技術や知識、高価な設備が必要なんでしょ?」なんて思ったそこのあなた。

斉藤

これぐらいのルアーなら、誰でも手軽に作れるんですよ!

それを可能にしてくれるのが……

3DCADと3Dプリンターです!

3DCADと3Dプリンターの普及により、誰でも気軽に自分だけのオリジナルルアーを作成できるようになってきたんです。

斉藤

本記事では、3DCADと3Dプリンターで5年以上ルアーを作ってきた筆者が、簡単にオリジナルルアーを作る方法を伝授します!

3Dプリンターでルアーを作るメリットとデメリット

デザインの自由度が非常に高い

3DCADを使うと好きな形のルアーを思い通りに作成することができます。

もちろんバルサやウッドでもいろいろな形を作れますが、一度削ってしまうと元に戻すのは困難。

その点パソコンの画面上で作成する3DCADは、いくらでもやり直しができちゃいます!

一番の悩みどころ、リップの角度やサイズも自由に調整可能です。

クランクやミノーはリップが命。角度、形状、位置をミリ単位でコントロールできます

もちろんサイズ調整も無限大

例えば、バス用に作ったミノーをエリア用にサイズダウンしたり、青物用にサイズアップするのも簡単です。

理想のルアーを数値で追及できるのは3DCADならでは。

斉藤

このような……一般的に存在しない形状やカスタム要素を追加し、まったく新しいルアーを作ることもできます!

初期コストは意外と低い?

以前は数百万円していた3Dプリンターですが……

昨今は部品の小型化や性能向上による製造コストの削減、特許の開放によって競争が激化したため、家庭用のプリンターであれば3万円位から買えるようになりました!

ちなみに僕が使っているのも5万円位です。

斉藤

3DCADも一昔前は非常に高価でしたが、個人利用可能なCADソフトが出てきたおかげで導入コストはほぼゼロなんです!

市販ルアーよりコスパが良い場合も

市販のルアーは、金型を作る必要があるため、製品化までに多額の費用がかかります。

金型代は数十万円から数百万円単位となり、その費用を回収して利益を出すにはたくさん販売しなければなりません。

一方の3Dプリンターは、金型を作る必要がないので比較的安価に収まります。

3Dプリンターで用いるPLAフィラメントという素材は、1kg当たり2,000円~5,000円程度なので、例えば50mm程度のルアーであれば1個あたりの材料費は数十円から数百円です。

斉藤

ただし、3Dプリンターは大量生産には向かないため、たくさん作ってたくさん売ることには適しません。

デザインや操作の習得に時間が必要   

私が使っている3DCADは、オートデスクのFusionというソフトです。

このソフトは直感的な操作が可能で、小学生でも使いこなせるほど操作が簡単

親子向けにセミナーを開催したことがあるのですが、小学生でもルアーを作れていましたよ!

ちなみに、私がこのソフトをある程度使いこなすまでに要した時間は、たったの1週間程度

まずはFusionのセミナーで基礎を学び、あとは独学で少しずつ機能を覚えていきました。

もちろん、より高度なモデリング技術を習得するには、継続的な学習が不可欠ですが……

作りたいルアーがたくさんあると、学ぶモチベーションが湧いてきますし、学び自体も楽しいプロセスなのです!

斉藤

少しコストはかかりますが、はじめに講習を受けるのが一番の早道だと思います。

耐久性はインジェクションに劣る

3Dプリンターで作ったルアーの弱点は、積層構造による強度不足

写真は実釣中に壊してしまったルアー達。ほとんど橋脚に当てて壊しています(笑)

斉藤

強度不足を補うために肉厚を増やすわけですが、そうするとアクションにも影響が出てしまうため、両立を目指して頑張って設計します。

そもそも、3Dプリンターはソフトクリームのような要領で、下からぐるぐる積み重ねて形を作り出します

層を積み重ねるため、積層面は接着剤のような役割を果たすのですが、この接着部分が衝撃を受けると剥がれて壊れてしまうわけです。

また、3Dプリンターで用いるPLAやABSなどのフィラメント(素材)は、インジェクション成形品のそれに比べて強度が劣るという事情もあります。

フィラメントの種類や、印刷設定によっても強度が大きく変わるのも特性です。

インジェクション成形品との比較

  • インジェクション成形品:高温で溶かした樹脂を金型に流し込んで成形するため、分子レベルで結合しており、非常に高強度。
  • 3Dプリント品:層状構造のため、インジェクションのような均一な強度を得るのが難しい。

必要な機材と準備するもの

3Dプリンター本体

3Dプリンターはさまざまな種類がありますが、ルアー作り入門者の方におすすめしたいのは、FDM方式と呼ばれるフィラメントを溶かしながら積層していくタイプ。

FDM方式は比較的安価で扱いやすく、幅広い素材に対応するので入門にぴったりですよ。

また、マシントラブルやプリンターの設定など、いざという時に問い合わせ窓口があると助かりますので、できる限りサポートのあるメーカーが良いでしょう。

斉藤

具体的なおすすめ機種を3つピックアップしたので参考にしてくださいね。

    Adventurer 5M

    プリント方式FFF(熱溶解積層法)方式
    対応樹脂PLA / PETG
    ※0.6/0.8mmノズル推奨:TPU / PLA-CF / PETG-CF
    造形サイズ220×220×220mm

    使い方が簡単で、値段の割に仕上がりもきれいなプリンター。

    ちなみに、僕が使っているAdventurer3の後継モデルです。

      Bambu Lab Bambu Lab A1 mini 3D プリンター

      プリント方式FDM
      対応樹脂PLA/PETG/TPU/PVA
      造形サイズ180×180×180mm

      安価で高性能な入門機として人気があります。

        Creality Ender3 V3 SE Ender3 V3 SE

        プリント方式FDM
        対応樹脂PLA/PETG
        TPU(95A)
        造形サイズ220x220x250mm

        価格と性能のバランスが良く、初心者から上級者まで幅広く支持されています。

        3Dモデリング用ソフト

        3Dモデルを作成するためには、3Dモデリングソフト(3DCAD)が必要です。

        斉藤

        初心者の方におすすめできる、無料ソフトを3つ紹介します。

        Fusion 360(AutodeskFusion)

        オートデスクが提供する無料の3Dモデリングソフトです。直感的な操作で、ルアーのような有機的な形状も作りやすいです。※法人利用は有料です。

        Tinkercad

        ブラウザ上で動作するシンプルな3Dモデリングツールです。初心者でも簡単に形状を作成できます。

        Blender

        高機能な無料の3DCGモデリングソフト。より高度なモデリングに挑戦したい方におすすめです。

        CGソフトなので寸法でのコントロールには不向きですが、スカルプトモードを使うと細かい造形ができるのがメリット。

        フィラメント

        フィラメントは、ルアーの素材となる糸状のプラスチックです。ルアーに適した素材を選ぶことが重要です。

        斉藤

        代表的なフィラメントを3種類紹介します。

        ABS

        耐熱性と強度が高く、ルアーのボディ部分に適しています。

        プリント後に研磨しやすい反面、対応しているプリンターは少し高めです。

        PLA

        生分解性で環境に優しく、扱いやすいですが、耐熱性が低いので高温になる部分には不向きです。

        融解温度が低いので低価格なプリンターにも対応します。ABSに比べて研磨しにくいですが、安定したプリントができるので初心者の方におおススメです。

        PETG

        ABSとPLAの中間的な特性を持ち、強度と柔軟性を兼ね備えています。

        ルアーに適した素材を選ぶ際のポイント

        • 強度:ルアーは使用中に衝撃を受けるため、ある程度の強度が必要です。
        • 耐水性:水に長時間触れるため、耐水性も重要です。
        • 耐薬品性:塗装やコーティング剤との相性を考慮する必要があります。

        3Dプリントルアーの作成手順

        1.モデリングソフトを使ってルアーのデータを作成する   

        作りたいルアーの形を考えて簡単なスケッチを作成します。

        画像をモデリングソフト(3DCAD)に読み込み、イラストに合わせてカタチを整えます。

        内部をくりぬいてから部品を配置します。

        ちなみに、強度を確保するために肉厚は1mm以上にしておくと安心です。

        内部を作り込んで完成!

        2.3Dプリント

        作ったデータはプリント用データに変換する必要があります。

        その後、3Dプリント設定するためのスライサーソフトに読み込んで積層の設定をします。

        設定ができたらあとはボタンを押すだけ。

        勝手にルアーができ上がっていきます!

        3.ヒートンやウエイト等を取り付けて下地処理

        プリントしたボディにヒートンやウエイト等の部品を取り付けます。部品勘合部やヒートンの差込口から浸水しないようしっかりと接着しましょう。

        その後、表面をサンドペーパーで研磨したら、セルロースセメントのどぶ漬けを繰り返して下地を作ります。

        塗装はエアブラシを使えたらベストですが、マジックなどでもOKです!

        仕上げにウレタン等でコーティングをしておくと安心ですが、自分で使う分にはそのままでも大丈夫でしょう。

        斉藤

        初めのうちは難しいことを考えず、とりあえず形にして投げてみましょう!

        釣りライフがさらに充実するはず!   

        ルアー作りは気軽にチャレンジできる一方で、自分だけのデザインやアクションが楽しめる奥深い世界です。

        3Dプリンターを使ってオリジナルルアーを作れば、釣りの楽しさがより一層広がると思います。

        オリジナルルアーで釣れると感動するはずですよ!

        撮影:斉藤弘太

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