村上晴彦氏監修のPE専用遠投スプール

今回紹介するのは、issei x SLP WORKSのダブルネームで発売された「36mm HLC PEスプールG1」!
かなりマニアックなアイテムです(笑)
これはスティーズ A TW HLC専用として発売されたアフターパーツ。
限定的に販売されていて、現状は入手が困難なのですが、なかなかの逸品だったのでご紹介いたします。
なおと
「絶対に手放せない」というぐらい気に入っております!
仕様について

このスプールは、スティーズ A TW HLCでPEラインを用い、遠投することを目的に設計されています。
そのため、スティーズA TW HLC専用となっており、他の機種に流用することはできません。
旧ジリオン TW HLCのスプールも36mm径ですが、幅が違うので取り付けは不可です。
推奨はされていませんが、TDジリオン HLC(通称ハマジリオン)には装着できるようです。
スペック
自重(ベアリングを除く):14g
標準巻糸量(PE):1.5号-250m、2号-180m
スプール径:36mm
素材:G1ジュラルミン
ブレーキ::MAG-Z BOOST PEチューン
対応機種:STEEZ A TW HLCシリーズ(スプール径:36mm、スプール幅:24.0mm)
純正スプールとの違い

純正スプールとの大きな違いは、インダクトローターの厚みです。純正が約0.9mmなのに対し、約0.4mmまで薄くされています。
ナイロンやフロロラインの使用を前提とした純正スプールは、ラインの重みによってスプール総重量が重くなるため、それを制御する強いブレーキ力が必要。つまり、インダクトローターの厚みによってブレーキ力を稼いでいるわけです。
ところが、PEラインを巻くとスプール総重量が軽くなるため、純正スプールでは必要以上にブレーキをかけてしまいます。
そこで、インダクトローターを薄くしてPEに最適なブレーキ力に調整したのが、isseiスプールということです。
純正スプールと飛距離を比較してみた

どれぐらい飛距離が違うのよ!?
ってことで、完全に使いこなせるようになったタイミングで、純正スプールとの飛距離比較を行いました。
メカニカルはゼロ設定にしておき、マグダイヤルを20から2まで2段階ずつ落とし、それぞれのブレーキセッティングで5回投げた平均飛距離を算出します。
タックル&環境
- ルアー:サムライジグR 30g
- ロッド:セブンセンスSR MSB-902SR
- ライン:PE2号+リーダー20lb 2ヒロ
- 状況:横風3m/s
結果発表
20 | 18 | 16 | 14 | 12 | 10 | 8 | 6 | 4 | 2 | |
isseiスプール | 60.9m | 64.7m | 65.2m | 66.6m | 68.4m | 71.9m | 77.5m | 80.1m | 83.3m | 89.1m |
純正スプール | 44.8m | 46.2m | 49.8m | 53.3m | 57.8m | 59.7m | 64.3m | 68.2m | 75.0m | 89.8m |
検証結果を見ると、純正スプールの10がisseiスプールの20に相当していることがわかります。
純正の1〜10の領域を20段階に細かく刻んだようなセッティングですね。
つまり、純正の11〜20に相当する使い物にならない領域(ブレーキが効き過ぎる領域)を捨て、実用領域でのセッティング幅を広げているということ。
なおと
“PEライン限定”という制約を設けた代わりに、緻密なブレーキセッティングが可能になったわけです!
キャストフィールについて

やはりジグやバイブレーション、シンキングペンシルなどの遠投系ルアーのキャストフィールは最高です。
純正スプールだと前半にブレーキが掛かり過ぎていましたが、それが無く、その分飛距離が伸びます。
インダクトローターの戻るタイミングも丁度良く、後半にブレーキが抜けた際のバックラッシュも少ないです。
純正に比べて細かいブレーキ調節ができるため、ルアー交換が非常に多い筆者としては使い勝手が格段に良くなりました。
なおと
はじめはブレーキの感覚を掴むのが難しかったですが、慣れれば最高です!
ブレーキセッティングのコツ

純正スプールとは違ってマグダイヤル20の段階でもブレーキが弱いので、初使用のルアーは20からスタートし、徐々に下げながらベストポジションを見つけるようにしましょう。
ざっくり分けると、ミノーや空気抵抗の大きなプラグは20〜10くらい、ジグやバイブレーションは10以下でキャストすることが多いですね。
なおと
ロッドの長さや硬さ、ラインの号数、ラインの巻量によってもベストな設定は変わるので、大遠投するにはこまめな調節が大切です!
PE使いの方には超オススメ!

発売されるタイミングも少なく、現在は終売のような状態になっていますが、中古等で見つけたらぜひ検討してみてください。
「本当に買って良かった!」と思えるスプールでしたよ!
画像提供:ちゃったTV なおと