スケトウダラってどんな魚?
スケトウダラ(介党鱈)はタラ目タラ科に属する魚で、日本の食卓にお馴染みのタラコやかまぼこの原料として、重要な水産資源として重宝されています。スケトウダラ漁には人手がかかることから「助っ人鱈」と言われたのが名前の由来とも言われ、別名スケソウダラ(介宗鱈・助惣鱈)とも呼ばれます。
生息域・分布
北海道沿岸、太平洋沿岸では青森から和歌山白浜まで、日本海沿岸では青森県から山口県まで分布しています。表層から中層域が主な遊泳層と言われており、水温は10度以下で、2~5度の海域を好みます。
特徴と生態
スケトウダラの体長は70センチ前後にまで成長します。タラ科の魚特有の細長い身体に、下顎が上顎よりも出ている特徴があります。海域によって異なりますが、産卵期は12月から3月にかけて行われ、分離沈性卵を産卵します。稚魚は春先に孵化し、成長すると沖合の深い海域へと移動していきます。肉食性で貝類、甲殻類、小魚等の様々な小動物を好んで捕食します。
マダラとスケトウダラの違い
マダラとスケトウダラは体色が同じで外見もよく似ています。マダラの特徴の一つであるヒゲで見分ける事が出来る他、マダラは上顎が出ているという特徴があります。
スケトウダラが主原料の食品
スケトウダラの身は煮崩れしやすいため煮付け、焼き魚にする際は工夫が必要になります。鮮魚と白子は汁物、揚げ物、煮物、ソテーなどに、卵巣は煮付けや塩焼きとして身近な様々な食品に用いられています。スケトウダラの魚肉は鮮度が落ちやすいためあまり重宝されなかったのですが、1960年頃に冷凍すり身を作る方法が確立されてから、かまぼこなどの練り製品の原料として広く使われるようになりました。
タラコ・明太子
家庭でもお馴染みのタラコはスケトウダラの卵巣から作ります。煮ても焼いても美味でご飯のお供に食されています。タラコは大正時代に岩内で塩漬けして赤く着色されたことで生まれたもので、明太子は塩漬けした卵巣を唐辛子のきいた調味料に漬け込んだものになります。
かまぼこ、ちくわ
スケトウダラの身は主にちくわなどの練り製品の主原料ともなります。しかし現在、スケトウダラの漁獲量が一時の3分の一まで落ち込みを見せており、水産資源の保全が叫ばれています。
カニカマ
スケトウダラの冷凍すり身はカニカマの主原料ともなっています。臭いや味にクセがないため、かに風味かまぼこの製造に適しています。そのままでも美味しいですが、サラダや炒め物、あんかけといった様々な料理に使うと更に美味しく食べることができます。
スケトウダラの釣り方
北海道や東北ではスケトウダラを船からの探り釣りで狙えます。胴付き仕掛けを用い、専用タックルも販売されています。水深100~500メートル付近の海底を狙うため、予想外の大物と出会える可能性も高いです。
スケトウダラを狙うタックル
竿は深海釣り用のもの、リールは大型電動リール、道糸はPE7~10号程度のもの、ハリスはフロロの20号前後のものが標準的な仕掛けになります。鈎はムツ20号程度またはネムリバリ20号程度のものを枝スで3本ほど付け、オモリは水深や潮流に合わせ250~300号前後のものを準備しましょう。 エサはイカやサバの切り身を使用します。
ダイワ ゴウイン ブル STD HH-175
シマノ 電動丸 4000プレイズ
高強度PEライン 1000m 5色マルチカラー
ラパラ ショックリーダー ラピノヴァ フロロカーボン 20m 5.0号
景山 下オモリ 200号 3本入り
がまかつ 管付ムツ 20号
釣り方
仕掛けを落とし、着底したところからハリスの長さくらい浮かせてアタリを待ちましょう。海底をオモリでノックするように誘いを入れ、アタリがあっても直ぐにアワセを入れず、聞きアワセを入れるのがコツです。マダラほど大きくないものの、強烈な引き味を味わえます。
狙いたいシーズン
スケトウダラの釣りに適した時期は、真夏以外はいつでも楽しむことができます。冬はタラコを持っており、真夏は身に脂が回るので寒さはしみますが秋から冬にかけて狙いたい釣りものです。
タラコを作ってみよう!
一般にスーパーなどで売られているタラコは、アメリカやロシアなどで漁獲された卵を冷凍して作ったものが流通しています。スケトウダラを釣る事が出来たら、一度タラコを作ってみてはいかがでしょうか。
タラコを取り出して洗う
タラコをお腹から出したら水できれいに洗いましょう。ゴシゴシするとタマゴがポロポロ落ちるので、優しく洗います。タラコの皮の太い血管は目立つので、少し傷をつけて血をきれいに抜くと見栄えが良くなります。その後、食紅を大さじ3のぬるま湯で解いて、タラコにかけ色味を出します。
塩を振り寝かせる
塩の量の目安はタラコの大きさの5〜6パーセントになります。塩をして1時間たったらそーっとひっくり返し、さらに1時間たったらもう一度ひっくり返しましょう。そのまま常温で8時間寝かせ、寝かせた後は、水で洗います。寝かせる事で、タラコの水気を出し、旨味を閉じ込める事ができます。
熟成
水洗いをした後、ラップをかけて約9時間程そのままにして水を切ります。その後、3日間冷蔵庫で寝かせて熟成させたら完成です。作りたてのタラコは化学調味料も使わなくてよく、ご飯と食べると最高です。また焼きタラコにしても絶品です。
釣りたてスケトウダラでタラコをつくろう!
釣りたて新鮮のスケトウダラのタラコは普段口にするものとは違い、味わい深くとても美味しいです。魚肉も煮物、揚げ物、ソテー、汁物として美味しく食べることができスケトウダラは余すところなく食べることができます。またマス釣りの外道と言われることもありますが、スケトウダラ釣りは意外と引きが強く面白いことも魅力の一つですね。タラコ作りは簡単にできるので、一度自前の絶品タラコをつくってみてください!