ドライブビーバーマグナムとは?
スモラバやリアクションダウンショットのお共として申し分ない働きを見せる3インチ。
あらゆるフィールド・リグでパフォーマンスを発揮する3.5インチ。
そしてテキサス・フリーリグ、リーダーレスダウンショットなどに無類の適正を示し、筆者がもっとも愛用する4インチ。
隙のないサイズ展開に、“完成されたシステムベイト”としての美しささえ感じられる「ドライブビーバーシリーズ」。
スペック
「手のひらサイズ」の意味を間違えているサイズ感
全長 | 7in クラス |
自重 | 約42g |
入数 | 3 |
価格 | 1,980円(税込)※エコトーナメント対応モデル |
驚くべきはその自重。なんと約42g! となれば当然タックルチョイスがシビアになってくるのですが、それはまた後半で。
ちなみに価格は税込1,980円。つまり1本660円と、値段もマグナム級。とはいえ、デカバスを騙すためなら安い投資です。
ドライブビーバーマグナムの特徴
そのサイズ感たるや、まさにバケモノ
デカいデカいと言われるNZクローラー(jr.じゃないほう)といい勝負である
ジャイアントベイトや10インチを超えるロングワームが流行し、以前よりもデカいルアーに見慣れてしまった昨今。“7インチクラス”という言葉だけではもはや眉ひとつ動かさないアングラーがほとんどです。
ですが問題はその造形。エビなのかザリガニなのか、はたまたカンブリア紀の古代生物なのか。バケモノじみた姿がより一層存在感を強調し、見慣れないうちは無闇にデカく見えてしまいます。
「こんなので本当に釣れるの?」と思ってしまうのも無理はありませんが、安心してください。ドライブビーバーマグナムは、デカいからこそ釣れるワームです。
ただそこにあるだけで無視できない存在感を放つルアーは、魚に見つけさせるプロセスを省略できるため、決着が早いというわけです。
往年のバサロパドルもマグナム化
メタルワサビー(ノリーズのメタルジグ)よりもデカいパドル
ドライブビーバーシリーズを象徴するアクション、『ギュンギュンバサロ』はもちろん健在。
特大のパーツが繰り出す大ぶりなバサロアクションを一度見てしまうと、往年の通常サイズが「もはや動いていない」と錯覚するほど。
ここまでツメが強調されると、「ホグ系っていうかむしろクロー系だよね?」って気がしなくもないですが、そんな野暮なツッコミはまったく無意味。
ともかく細かな分類が意味をなさない『マグナムベイト』です。
自発的アクションを生むパーツ類
デフォルメされた触覚や脚がいかにも釣れそう
ただ気づかせるのと、実際にルアーを口に運ばせるのとでは別な話。放っておいても水を掴み、勝手にアクションしてくれる豊富なパーツ類は、バスの気を散らせるのに一役買いそうです。
むしろギルベイトを彷彿とさせる扁平ボディ
扁平している姿はギルワームのようでもあります
ついついパーツにばかり目が行きがちですが、じつは筆者がもっとも注目している要素がこれ。
従来のサイズと比較すると一目瞭然ですが、ボディの形状がまったく異なり、薄っぺらの扁平ボディとなっています。
この新設計ボディによってもたらされる唯一無二の特性が、ズバリ垂直方向に対する強烈な水押し。
ドライブビーバーマグナムのおすすめリグと使い方
フリーリグばかりがフォーカスされるのには納得がいきません
さて、このバケモノワームを手にとって、おそらく初めに躓くのがリギング。
正直にメーカー推奨のリグをおすすめしてもいいのですが、それではわざわざ気合を入れてインプレする意味がありません。
ここではドライブビーバーマグナムの強烈な水押しを生かすことに着目しつつ、筆者がよく使うリグ&パーツを紹介します。
フットボールヘッドを使ったスイミングリグ
フットボールヘッドを使ったスト系スイミングリグ。中層のタダ巻きもよし。シェイクしながら移動距離を抑える、いわゆる“ミドスト系”の使い方もよし
デカくて重いわりに、扁平ボディによってオリジナルサイズよりも水の抵抗を受けやすいことから、横方向の釣りに対する適正がすこぶる高いドラビマグナム。
この特性をもっとも生かせるリグは? と問われれば、フットボールヘッドしかありません。
シンカーウェイトは3/16〜3/8オンスが使いやすく、攻めたい水深と巻き寄せるスピードによってチョイスしています。
フックはリューギのリミット#6/0がベターといったところ。しかし、より艶かしいバサロアクションを意識するなら、その限りではありません。
イチカワフィッシングのSPフック#5/0が個人的にはおすすめです。
撃つ釣りにはリーダーレスダウンショットリグ
水を強く受ける扁平ボディで、なおかつ重心がパドル方向に位置するドライブビーバーマグナム。垂直方向に落とし込むのが思いのほか難しいワームです
テキサスリグやフリーリグでは、シンカーのウェイトによってはワームを引っ張る力が足りず、意図しないスライドフォールを誘発してしまい、狙いのスポットに落とせない、または薄いカバーすら貫通しないのが難点。
その点リーダーレスダウンショットリグなら、軽いシンカーでもワームを真下に引っ張ることができるため、オペレーションの難易度がグッと下がります。
筆者の場合はフットボールヘッドと同様、イチカワフィッシングのSPフックを使用しますが、サイズはひとまわり大きめの#7/0を推奨。
マグナムサイズならではのノーシンカー
マグナムサイズだからこそ実現したノーシンカーリグ
アップサイジングに伴う形状の扁平化と自重の大幅UPによって、強烈に水をグリップするドラビマグナム。ここで新たに実現したのが、ノーシンカーによるアプローチです。
サブサーフェイスをバサロさせるのももちろんいいのですが、筆者が注目しているのはフォールベイトとしてのノーシンカーリグ。ポイントは、やや後方、つまりパドル方向に重心があるということ。
ラインを少し張り気味にしておくことで水平姿勢を維持したまま、ゆっくり時間をかけてフォールさせることができます。
ブルフラットのようなギル型フォールベイトとも違う、ファットイカのようなバックスライドフォールベイトとも違う、これまでにない存在感がバスを誘います。
イチカワフィッシング SP フック #7/0
ドライブビーバーマグナムのタックル
おすすめしたいのはボトムを感じることに長け、なおかつデカいオフセットフックをフックアップできるバチバチのファストアクション
単体で42gというマグナムクラスの自重に加え、しっかりアクションさせてやるために、十分な重さのシンカーを併用します。
なおかつシェイクやピッチングを多用するため、いくら長くとも7フィートが限界。となれば、いわゆる普通のジグ・テキサスロッドをオーバーウェイトで運用することとなります。
リグウェイトはあっという間に2オンス近くまで達しますが、かと言ってビッグベイトタックルを持ち出すのはベターではありません。
ライターのタックル
普段愛用しているテキサスロッド(ファクト HFAC-70HST)では、「いくらなんでも無理!」ということで、専用に引っ張り出してきたのが下記タックルです。
ロッド:テムジンガンスリンジャー TMJC-610H
リール:21ジリオン SV TW 1000XHLまたは20ジリオン10.0L SV TW
ライン:フロロ16〜18lb
まとめ
令和のバスフィッシングは、『マグナムorフィネス』という流れになっていることは明確
近年の頻出ワード“タフ化”が意味するところは、難しくなったというよりも、普通のことでは釣りにくくなったということ。
実際問題、「アラバマにビッグベイト」だとか「クローラーベイトを2つ繋げて」だとか、多くの人が「そんなので釣れるはずがない!」と感じるようなことでアッサリ釣れてしまうのがブラックバスという魚。