シマノのスプール編
シマノのスプールはダイワのそれとは異なり、近年はエントリーモデルからハイエンドモデルまで一貫して金属素材が用いられています。
しかし、その形状などに大きな特徴があります。
AR-Cスプール
AR-Cスプールとは、前つば部分を広げた形状のスプールで、近年のシマノ製リールのアイコンともいえるでしょう。
傾斜がついた前つばに対して糸巻き部分がオフセットされることで、糸の放出と整流を両立し、トラブルの少なさと飛距離の向上を実現。
2007年に登場したAR-Cスプールは2020年時点でも大きな形状の変更はなく、その完成度の高さを物語っています。そして今や、一部の投げリールなどを除き、低価格帯からハイエンドまでほとんどのリールに搭載されています。
スプールリングは、上位機種からチタン、ステンレス、アルミの順で差別化されています。
ロングストロークスプール
ロングストロークスプールは従来よりも全長が長くなったスプールで、14ステラに初搭載されました。C3000番サイズ比では、従来のスプールよりも飛距離が5%程度向上しています。
2018年まではステラにしか搭載されていませんでしたが、2019年にヴァンキッシュ・ストラディックにも採用されて大きな話題となりました。
AR-Cスプールと同様に、今後はシマノ製スピニングリールの標準的なスペックとなるかもしれません。
スプール大好き!
普段釣りをしているとあまりスプールのことなんて考えないかもしれませんが、こうして改めて見直すと各社の設計思想などが反映されていて興味深いですよね。
10年後、20年後にはどんなスプールが登場しているのでしょうか。考えるだけでワクワクします!
筆者について
佐藤稜真
某リールチューンメーカー在籍時、Facebook・Instagram運営を手がけながら全国のイベントで年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つ。
中学生の頃からカタログのスペックを暗記するほどのリール好き。関東のフィールドでのエリアトラウト・シーバスフィッシングをメインにしている。