海に起こる潮の干満

浜辺や港に海水が満ちる時もあれば、潮が引いて海底の砂地が露呈するような時もあります。
これは海が毎日、潮の満ち引きを繰り返しているからです。潮が満ちた状況を「満潮」、潮が引いた状況を「干潮」と呼んでいます。
なぜ海は満潮や干潮を繰り返すのでしょうか?
今回は、潮の満ち引きの仕組みを詳しくご紹介します。
海が満潮になるのは何故?

海が満潮になるのは、どういう時なのでしょうか?
まずは、潮が満ちる仕組みについてご紹介します!
海が月の引力で引っ張られる

月は地球の周りを回っていおり、月に面した海は、月の重力によって海水が吸い上げられる現象が起こります。
「月が上がったら満潮」と考えがちですが、しかし殆どの場合、満潮となるのは月が真上にある時ではないようです。
月の位置だけでなく、海流や水温、気圧など様々な要因によって満潮時刻が決まります。
地球の自転の“遠心力”も関係

月が上空に浮かんでいなくても、満潮は起こります。
地球が自転していることによる遠心力の働きで、月に面した海の反対側(地球の裏側)も同様に潮が満ちます。
海が干潮になるのは何故?

海が干潮を迎えるのは、どういう時なのでしょうか?
続いて、潮が引く仕組みについてご紹介します!
月の引力の影響が少ない時

月に面している海と、その地球の裏側以外の場所では潮が引いて、干潮となります。
月の引力が弱まっているのと、地球の自転の遠心力による作用によるものです。
単純に、海の一部が盛り上がれば、その他の場所の海水量はその分減少します。
例えば、水の入ったバケツを傾けて、深くなる場所と浅くなる場所ができるのと一緒です。
満潮と干潮は、1日に2回繰り返す!

月は1日のうち、地球を1週します。
そのため、月が面しているときと、月の反対側に位置する時の1日2回満潮を迎えます。同様に、干潮も1日2回訪れます。
釣りと潮汐の関係

一般的に、潮の干満差が大きいほうが、潮が良く動き魚が釣れると言われます。
しかし実際は、潮の動きが大きければ大きいほど良いと言うわけでもありません。
釣行日の釣り場の干満の差が何センチかを把握しておくと、今後の釣りの指標となるかもしれません。
潮の干満の差は、潮汐率と呼ばれていることもあります。
地域によって満ち引きの大きさが違う?

潮の満ち引きの大きさは均一ではなく、地域によって差があります。一言では言い表せないような様々な物理的な要因が重なって、差異を生じています。
太平洋と日本海で比較
日本の沿岸では、太平洋側と日本海側で干満の差が異なります。
太平洋側は、満潮と干潮の潮位の差が1.5~2メートルあるのに対して、日本海側では数十センチしかありません。
また、有明海は干満の差が日本一大きい場所と言われており、大潮の日は干満差が2メートルを越えます。
世界規模で見てみると
世界規模で見ると、もっと干満の差が大きな地域もあります。
なかでも、15~17メートルもの潮位差が生じることがあるカナダのファンディ湾が有名です。
また、観光地としても有名なフランスのモン・サン・ミッシェルも、15メートルもの干満の差が生じる場所です。
釣りに詳しい人は、科学にも詳しい!?

釣りを知る人は、潮汐を知っています。釣行日の干満差の数値や、釣果などを記録している釣り人は、もはや研究者さながらでしょう。
釣りに「絶対」はありませんが、魚を釣るということは、科学することと似ているのかもしれません!?