腸炎ビブリオとは?

魚介類が原因となる食中毒の原因菌のひとつに、腸炎ビブリオがあります。
腸炎ビブリオは塩分を好むという特徴があり、魚介類を食べたことが原因で食中毒に陥るというケースが非常に多い傾向があります。
魚介類に付着している!

魚介類に腸炎ビブリオの付着が多いのは、海の塩分濃度や水温が腸炎ビブリオの発育や増殖に最適だからと考えられます。
魚介類だけでなく、魚介類の加工品なども食中毒の原因食品となります。
腸炎ビブリオに汚染された水や調理器具、食器などで食中毒を起こしてしまう二次汚染が原因になることも。
何故食中毒が起きる?

腸炎ビブリオが増殖した魚介類を生のまま食べることで、食中毒が起こります。
さらに、加熱や加工されたものでも、前述したような二次汚染が起きている場合は食中毒の危険性が。
具体的には、魚の調理に使った器具をそのまま他の調理に使用したり、魚の調理後、手を洗わずに他の調理・食事をすることで食中毒のリスクが高まるのです。
それ、腸炎ビブリオ食中毒かもしれません
腸炎ビブリオを原因とする食中毒は、食後8~24時間後に症状が現れます。
回復するまでに3日程度を要する場合もあり、重症化すると命にも関わる可能性のある食中毒です。具体的にはどんな症状が出るのでしょうか?
激しい腹痛・下痢

腸炎ビブリオ食中毒の主症状として、非常に強烈な腹痛があります。
また、体内から腸炎ビブリオを排出するために、一日に数回~十数回の下痢が起こります。稀に血便となるケースもあるようです。
発熱

全ての人とは限りませんが、37~38度ほどの発熱を起こす場合もあります。
吐き気・嘔吐
中には、下痢だけでなく、吐き気や嘔吐を起こしてしまう人もいるようです。
重症の場合……

高齢の方が低血圧と心電図異常に陥り、亡くなってしまったケースもあります。
複数の下痢や嘔吐によって体内の水分やミネラルなどが一気に失われてしまうため、ご高齢の方やお子様、体が弱い人などは要注意です。
腸炎ビブリオ食中毒の対策方法
辛い腹痛や気持ち悪さに苛まれてしまう食中毒。対策をするに越したことはありません。
食中毒を起こさないために、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
魚介類を常温放置しない

ビブリオは10度以下では発育できないことが分かっています。
生で食べる魚介類は常温に放置せず、しっかりと冷えたクーラーボックスや冷蔵庫などで保管をしましょう。
他の食材と分けた保管・調理がオススメ!

魚介類は、保管する際にラップで包んでから保存バッグに入れるなど、他の食材に直接触れないように注意します。
調理の際も、まな板の表と裏を使い分けたり、可能であれば専用のものを使うのがオススメ。
また、魚介類の調理に使用した包丁やバット、ボウルなどは、他の食材の調理をする前に、洗浄しておくと安心です。
小まめな手洗いを!

腸炎ビブリオなどの食中毒の原因となる菌は、人の手を介して他の食材に付着してしまうことが往々にしてあります。
衛生的な調理を心がける現場には「いち作業いち手洗い」という言葉があり、作業から作業に移る際、小まめに手洗いをして食中毒の原因となる細菌が食材や食器などに付着することを防いでいます。
小まめな手洗いを心がけましょう!
まな板・包丁を十分に洗浄しよう

魚介類の調理に使用した調理器具は、しっかり洗浄するようにしてください。
とくに、まな板は表面に傷がついているので、その溝の中に細菌が残ってしまいがちです。
「キッチン泡ハイター」など、塩素系のキッチン用品を使えば、お手軽かつ食中毒のリスクをかなり低下させるためオススメです。
魚介類を真水でよく洗おう

腸炎ビブリオは真水を嫌います。そのため、魚介類を真水でよく洗い流すことが肝心です。
魚介類の表面のヌメリやエラ・殻の内側などをしっかり洗い流してから、まな板に載せてください。
ビブリオは加熱にも弱い

さらに、腸炎ビブリオは熱に弱い性質を持っています。
75度1分以上の加熱で死滅するため、しっかり過熱調理された料理に生きた腸炎ビブリオが残っていることはほぼありません。
安全で楽しい食卓を!

釣り人に身近な魚介類が原因となる、腸炎ビブリオによる食中毒。
釣った魚の保存や調理の際にしっかり気をつけていれば、辛い思いをせずに済みそうです。
腸炎ビブリオの食中毒を防ぐ方法を知っているだけで、ほかの細菌による食中毒を防ぐことにも繋がります。是非、安全で美味しい食事を楽しんで下さいね!