エツについて
エツはニシン目カタクチイワシ科の魚。全長は大きいもので40センチ程に成長します。中国・朝鮮半島にも亜種が生息していますが、日本のエツは基亜種に該当します。
有明海の限られた場所にしか生息しておらず、環境省レッドリストに登録されている希少な魚です。エツがどこに住み、どのような料理を堪能できるのかなど紹介していきます。
エツの分布・生息域
エツは東シナ海・渤海・黄海に分布。亜種は中国・朝鮮半島に広く分布していますが、基亜種は日本の筑後川河口~有明海の一部に生息する日本の固有種です。
主に淡水と海水が交わる、汽水域に生息しており、筑後川上流の筑後大堰まで遡上し産卵を行います。
筑後川だけの希少種
日本にいるエツは基亜種で、佐賀県・福岡県にある筑後川~有明海の汽水域に分布。食用として流通していますが、有明海周辺の市場でしか手に入りません。
また資源保護のためエツ漁は短く、漁が行われるのは例年5月1日~7月20日まで。エツは生息地・期間も限定された超希少種なんですね!
エツの料理レシピ
超希少なエツですが、その味は絶品だとか。エツは小骨が多い魚なので、骨切りといった手間がかかりますが、おすすめのレシピは素材そのものの味がわかる刺身や、焼き・煮付け・唐揚げで味わうのがおすすめ。
有明海・筑後川周辺の佐賀・福岡ではエツ料理を堪能できる割烹料亭などがあるので、味の参考のためにプロが作る料理を確かめてみるのもいいかもしれませんね!
刺身
エツそのもののを味わうなら刺身がおすすめです。サンマなどの小型魚をさばく要領で、腹開きにして中骨・腹骨・尻ビレを取り除きます。刺身の場合は骨切りが最終工程の細切りと同時に行われているので、骨切りの処理はいりません。
腹開きの処理を終えたら、細切りにして盛り付ければ完成です。醤油・お好みの薬味を付けて頂きましょう!
塩焼き
エツ料理を堪能するには塩焼きも忘れてはいけませんね。刺身では骨切りといった手間はかからないのですが、姿のままエツを調理するには骨切りが必要。飾り包丁のように、細かい間隔で斜めに包丁を入れ骨を断ち切ります。
両面の骨切りを終えたら、捌かずに塩を振り、姿のまま焼いたらレモンや大根おろしを添えて完成です。
煮付け
エツ料理を美味しく頂くには煮付けも欠かせません。塩焼きと同じ工程で骨切りが必要です。醤油・砂糖・みりん・水・酒・生姜・ネギなどお好みの調味料・野菜を煮立たせて落とし蓋をして煮付けます。
全行程で20分以内と意外と簡単にできるので是非チャレンジしてください。晩御飯のおかずや酒の肴としてもおすすめですよ!
唐揚げ
エツ子と呼ばれる小さなエツは唐揚げがおすすめ。成魚でも唐揚げにして食べれますが骨切りは忘れずに行いましょう。ワタを取り、下処理(エツ子の場合はそのままでも可)を終えたら塩コショウ少々・小麦粉を軽めに振ります。
美味しく揚げるコツは中温で揚げること。4~5分と少々長めに揚げたら完成です。お好みでレモンや調味料を付けてお召し上がりください!