目次
はじめに

ゴミを捨てない、立ち入り禁止の場所に入らない、迷惑駐車をしない、といった当然の事柄だけでなく「周囲への配慮」が出来る釣り人になりたいものです。
今回は、今一度気をつけたい釣り人マナーについて、「とある声」を交えてご紹介します。
朝も早よから「バン!バン!バン!」

釣り人の出す騒音で目を覚ます日々
私の家の前には釣りで有名な河川があり、釣りシーズンともなるとひっきりなしに釣り人がやってきます。周りは民家しかありませんので、夜中は静かなものなのですが、明け方となると釣り人が車を河川敷の脇道に横付けする音で目を覚まします。
ドアの開閉音にウンザリ
車が砂利を踏む音、カーステレオから流れる大音量の音楽、何度もドアを開閉する音、何時間もアイドリングする音、そして釣れた時のバカ騒ぎ。折角の休日くらいゆっくり寝させて欲しいものです。茨城県在住 Aさん
もしも、自分の家の前が釣りのポイントだったら

釣り人の出す騒音によって静かな生活が脅かされ、ノイローゼになってしまう人がいるかもしれません。
今一度、近隣住民の気持ちになり、車ドアの開閉音、アイドリング音、カーステレオ音など、極力騒音を出さないよう気を付けて行きたいものです。
深夜2時の恐怖の川・嘆きのヌルヌル幽霊現る!

真っ暗な川から幽霊の声が……
B市の住宅街を流れる川。毎年、夏の丑三つ時になるとその幽霊は現れます。「ビュン!ポチャ!カシャカシャカシャ……」と明け方まで不気味な音を発し続け、怪談話のお菊の皿ではないですが、「のらない……のらない……」と、ほの暗い水の底から嘆く幽霊の声が聞こえます。
なんでわざわざ深夜に釣りをするの?
ある夜、その正体を確かめるべく、川を覗き込んでみると、全身真っ黒の幽霊がこちらをジッと見ているではありませんか!と思いきや、なんとそれは釣り人で、どうやらこの川に住むナマズを狙っているとの事でした。そもそもこんな汚い川で釣りをする人がいる事にも驚きですし、なんでわざわざ深夜に釣りをするのでしょうか?釣りと分かっていても怖いです。神奈川県 Bさん
傍から見れば不審者かも
ただでさえ不審者への注意が叫ばれる昨今。単なる夜釣りと思っている行為が、近隣住民の迷惑となったり、怖い思いをさせているかもしれません。住宅街の近い釣り場で夜釣りをする際は、いつも以上に配慮が必要です。また、日没から日の出の間の釣りを禁止している水域も多いので、夜釣りをする際は、必ず漁協や管轄機関への確認を徹底しましょう。
近すぎる!その距離感「友達」レベル

「釣れる」と知った対岸の釣り人がやって来て
ルアー釣りをしていて爆釣タイムに突入していた私。すると後ろから足音が聞こえてきました。振り返ってみると、先ほどは対岸にいた釣り人の方が、私の釣れぶりを見てコチラに移動してきたようでした。
釣果を横取りされた気持ちに
その場所は一人しか入れないような岬の先端。一体どうするつもりだろうと思った次の瞬間、なんとその釣り人は、私から2メートルも離れていない場所でルアーをキャスト始めたのです。私は思わず「それ友達の距離感ーーー!」とツッコみたくなりました。案の定、その人は魚を釣り上げ、私は釣果を横取りされた気持ちになりました。佐賀県在住 Tさん
先行者の気持ちになろう

実際に、数メートル間隔で釣りをしなければいけない釣り場、それが当たり前の釣り場もあるでしょう。
ですが、自分の当たり前を一方的に突きつけるのではなく、「自分の距離感が先行者に嫌な思いをさせているかもしれないな」と考えられる釣り人でありたいものです。
普通の感覚、麻痺していませんか?

彼氏に連れられ海釣りに行きました。ある時、私の竿にエイが掛かりました。彼は「大物だ!がんばれー」と笑うばかりで助けてくれず、結局糸が切れてしまいました。その時は大物がかかった興奮で、なんとも思わなかったのですが、糸が切れたって事は、まだエイの口には針が刺さっている訳ですよね?また、釣りの最中にも針が底に引っかかったり、オモリが引っかかったりしたのですが、彼はコレが普通かのごとくブチブチと糸を切っていました。コレが普通なのだとしたら、水中や魚の口に針を残す釣りというのは、好きにはなれないなと思いました。大阪府在住 Eさん
ラインブレイクは仕方のない事ではありません

ですが、これは仕方のない事ではありません。実際、鉛のオモリを海底に残せば、有毒物質の出るゴミを捨てた事と同じです。
また、魚とファイト中にワームがとれ、それを水中に残してしまえば、「自然に分解されないプラスチックのゴミを捨てた」事と同じです。
水の中(で苦しんでる生き物)は見えない

つまり、陸地にゴミをポイ捨てするだけでなく、根がかりやファイト中のライングレイクも「水辺の生物の命を奪う」危険性の高いゴミを捨てたと同じ事になるのです。
水中にゴミを残してしまったら

つまり、釣りをする以上、釣り人である以上、100%ゴミを出さない事は不可能なのです。そして、ラインブレイクなど、自分の出したゴミを、拾いたくても拾えないといった状況もあるでしょう。
「過去・将来の自分のゴミ」を拾おう

水中に1つ残してしまったら、陸にある2つを持ち帰る。全く残してなくても、来週に残してしまうかもしれない分を持ち帰る。
釣り場には、他人のゴミではなく「過去・将来の自分のゴミ」というものも、意外と落ちているものなのです。
最後に
今回、本記事内でご紹介した様々な「とある声」は、編集部が実際にあり得るだろうなという状況を想像して創作したフィクションです。ですが、これらはどんな人にも、どんな場所にも起こりえる事だと思います。
実際にこんな事が起こらないように、人の心、水辺の生き物の生活を想像して、行動していきたいですね。