楽しかった釣行の代償は、重たい身体

最高の釣果に恵まれた帰り道、あるいはボウズを喫して心身ともに疲れ果てた帰路、ふと自分の身体の重さに気づく瞬間があります。
キャスティングを繰り返した肩、重いタックルを支え続けた腕、そして不安定な足場で踏ん張り続けた腰。これらは知らず知らずのうちに限界近くまで酷使されています。
良い魚が釣れた日には「心地よい疲れ」として片付けてしまいがちですが、放置された筋肉の強張りは翌朝のバキバキとした痛みや、慢性的な凝りへと姿を変えていきます。
「明日も仕事だ!」「連日の釣行を楽しみたい!」そんな忙しいアングラーのために、今回の記事では身体を整える習慣を提案します。
なぜ釣り人の身体は硬くなってしまうのか?

釣りの動作は地味ながらもじつは非常に過酷です。
ルアーフィッシングにおける繰り返しの動作は特定の筋肉にのみ負荷をかけ続け、呼吸は浅く、動いているようでまったく動いていません。
エサ釣りであれば、待機時間は静的な姿勢が続くことで血流を滞らせます。
この強張った状態を放置して運転や帰宅後の片付けに入ってしまうと、疲労物質は排出されず筋肉に留まり続けます。
これが日々の激しい倦怠感や関節の痛みの正体となるわけです。
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つまり、釣りが終わった直後の「温まっている状態」で筋肉を伸ばしてあげることが、最も効率的なリカバリー方法と言えるのです。
5分間でできる簡単ストレッチ

ストレッチと言っても、なにも難しいことはひとつもありませんし、やり方よりも習慣化することがなにより大切です。
また、それぞれの身体の状況に合わせて柔軟に対応すべきだと思うので、やり方は人それぞれで問題ありません。
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以下動画は「僕はこんな感じでやっています」といった参考程度に。
上半身は腕を中心に
まずは最も酷使する腕と肩周辺からアプローチを開始します。
キャスティングやリーリングで緊張し続けた前腕、同じ体勢や動作で凝り固まった肩の可動域を取り戻すイメージで、よく使っている部位・使っていない部位を意識しながら腕を伸ばしたり、肩を回したりすると良いように感じます。
肩周りの血流が改善されると、重く感じていた首筋までスッと軽くなるのを実感できるはずです。
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人によって使っている部位が違うと思うので、このあたりは自分の身体に聞きながらストレッチするのがおすすめです。
腰へのケア
不安定な船上や磯場でバランスを取り続けた腰は、釣り人にとって最もトラブルが多い部位ではないでしょうか? 僕も25年間、腰痛と付き合っているため気が抜けません。
立ったまま片足を一歩前に出し、後ろに残した足の付け根をじっくり伸ばすなど、こちらも使っている部位・使っていない部位を意識しながらストレッチしてみましょう。
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使っていない腰の部位まで動かせると簡単な筋トレにもなり、翌日筋肉痛にもなりますよ。
見落としがちな下半身の強張り
「歩いていないから足は疲れていない」というのは大きな誤解です。
立ちっぱなしの釣りは足裏やふくらはぎに多大な負荷をかけており、第二の心臓と呼ばれるふくらはぎのポンプ機能が低下しています。
カカトを上下させるだけでも、下半身に溜まった血液を全身へ送り返すことができます。
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下半身の血流が良くなると、全身に温かさが戻り、釣行後の冷え対策にも有効です。
軽くジョギングも◎

「疲れているのに走るなんて無理だ」と思われるかもしれません。
でも、ここで提案したいのはトレーニングとしてのランニングではなく、身体の隅々に酸素を届けるための「スロージョギング」です。
距離やタイムを気にする必要はまったくありません。ストレッチでほぐれた筋肉に、深い呼吸とともに新鮮な酸素を送り込んであげるイメージです。
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軽く足を動かすだけで停滞していた血流が改善され、身体が内側からポカポカと再起動していくのを実感できるはずです。
合わせて深呼吸も忘れずに

ストレッチ中、つい息を止めて「ぐーっ」と力を入れてしまうこともありますが、じつは、呼吸を深く続けることで筋肉の緊張が解け、ストレッチの効果は格段に上がります。
コツは筋肉が伸びて“気持ちいい”と感じる瞬間に、「ふぅーっ」と長く息を吐き出すこと。
新鮮な酸素が身体の隅々まで行き渡り、溜まった疲れを外へ押し流してくれるようなイメージです。呼吸と動きを合わせるだけで、身体が芯からリフレッシュされる感覚を味わえるはずです。
ヨガも「呼吸」と言われるほど、呼吸が重要視されています。
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これはストレッチも全く同じで、形を整えること以上に、呼吸を止めないことが何より大切です。
釣りを始める前もおすすめ

こうしたストレッチは、納竿後だけでなく釣りを始める前のルーティンとしても非常に有効です。
多くの釣り場は遠方にあり、到着するまでに数時間のロングドライブが必要なことも珍しくありません。
長時間同じ姿勢でハンドルを握り続けた身体は、腰や股関節が固まり、いわば「眠った」状態になっています。
その状態でいきなりフルキャストしたり、不安定な足場へ踏み出すのは、怪我のリスクを上げるだけでなく、身体のキレを損なう原因にもなります。
ロッドを振る前にまずは5分。固まった身体をゼロの状態に戻してあげましょう。
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血流がスムーズになり、一投目からイメージ通りの弾道を描けるはずです。
身体のメンテナンスこそ、長く釣りを楽しむためのコツ

釣具の手入れを入念にするアングラーは多いですが、最大の資本である「自分の身体」の手入れを忘れてはいけません。
今回紹介したストレッチは、特別な道具も広いスペースも必要ありません。釣行の一部としてこの5分間をルーティンに組み込んでみてください。
バキバキな身体と決別し、翌朝も軽やかな足取りで目覚めることができれば、次の釣りへの意欲も自然と湧いてくるはずです。
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いつまでも元気にフィールドへ立ち続けるために、今日から納竿後の新習慣を始めてみてはいかがでしょうか。
撮影:DAISUKE KOBAYASHI
本記事で使用されている一部の画像は、画像生成AIを使用して生成されたものでありフィクションです。登場する人物、団体、名称、場所などはすべて架空のものであり、実在するものとは一切関係ありません。
