ヒラスズキの下ごしらえ

先ずは下ごしらえ。美味しく食べるためにはここが一番大切です。
ヒラスズキは30〜65cm程度がアベレージかと思いますが、今回捌くのはランカーサイズの80cm。
肉厚な太さはシーバスのソレとは比べ物になりません。

ランカーサイズに限らず、ヒラスズキは骨太で捌くのが大変。よく切れる出刃包丁やウロコ取り、砥石などの魚を捌くための道具は一式持っておくのがオススメです。

三枚におろし、水分を抜きながら寝かせます。この寝かせ具合は好みと料理によるところですが、寝かせた方が旨味成分が出るのは皆さんご存知の通り。
この状態なら一週間寝かせても腐ることはありませんので、寝かせ具合でそれぞれの料理を楽しむのもアリです。
おすすめ料理① 刺身

先ずはなんと言っても刺身。ヒラスズキの味をダイレクトに味わうなら絶対に食べたい料理です。
シーバスの場合は臭みを取るために洗いで食べられることが多いと思いますが、ヒラスズキは臭みがありませんので、わざわざ洗いにする必要はありません。

今回の個体は良い具合の肝を持っていたので、軽く湯通しして肝醤油でいただくことに。
肝醤油ほど刺身を美味しくいただけるモノはない! と思っているほど、ボクの好きな食べ方でして、これも釣り人の特権です。

わさびと肝醤油でいただきます。コレが美味しくないわけがありません。
ヒラスズキの味の方向性は、真鯛ほど身がしまっていない白身というと分かりやすいかもしれません。ほんのり旨味と脂の甘味があります。脂は時問わずのっている印象がありますね。
そして意外かもしれませんが、ヒラスズキの身は柔らかいので、寝かせるとだらしなくなります。刺身は釣ったその日が一番食感が楽しめます。
余ったらしゃぶしゃぶ、お茶漬けにしても楽しめますよ。
おすすめ料理② タタキ

二品目はタタキ。以前釣った際に試しにやってみたところ、めちゃめちゃ美味しくてびっくりした一品です。
ヒラスズキのタタキなんてお店でも食べる機会はなかなかありませんよね。釣り人ならではな料理ではないでしょうか。

タタキは大量のポン酢とネギでいただくのがオススメ。紅葉おろしがなかったのが残念(泣)。

皮のパリパリ感と香ばしい香り、身の柔らかさ、そしてポン酢との相性が最高!
海苔やごま油、ごまを追加してタタキ丼として食べても最高に美味しいですよ。
タタキの注意点として、ヒラスズキの皮はかなり分厚いため、強めに炙らないと固くて食べられたモノではありません。しっかりと強めの炙りをオススメします。
おすすめ料理③ にぎり

三品目はにぎり。ヒラスズキのお寿司です。
上等な柵が用意できるなら、にぎりも絶対に食べておきたい一品です。

にぎりを作ったことがないと面倒と感じることもあるかもしれませんが、作ってみると意外に簡単。
お米にすし酢をかけてシャリを用意。この時、木のまな板を使うとシャリがいい感じに水分を吸ってくれます。
因みにボクは白米は食べずにいつも玄米を食べています。なのでヒラスズキの玄米にぎりです。

あとは見様見真似で適当ににぎるだけ(笑)で、意外にもそれっぽくできてしまいます。
ヒラスズキは大葉との相性が良いので大葉乗せで。

お寿司屋さんでもなかなか味わえないにぎり。しかも玄米で。思った以上に美味しく握れて大満足です。
ヒラスズキ釣りは複数人で行くことも多いと思いますが、釣りの後の仲間との晩酌のアテにもにぎりは最高の一品となるのではないでしょうか。
おすすめ料理④ カマの味噌汁

大きなヒラスズキならアラも一品の料理として成立します。今回は頭は大きすぎたのでカマのみを使います。

軽く塩を振って余分な水分を飛ばしながら焼いて、お湯に入れて少し煮込み、味噌を入れて味噌汁に。

にぎりのお供にと思い、味噌汁を作りました。ひと手間かけることで香ばしさがまして美味しくなるのです。
そしてヒラスズキの出汁がよく出ます!…と言いたいところですが、味噌汁にしたらヒラスズキの出汁はよく分かりません(笑)。なのでいつものように別で出汁を取るのがオススメです。
おすすめ料理⑤ カルパッチョ

カルパッチョとは要は刺身にオリーブオイル等をかけた料理。ということでカルパッチョソースはその日の気分と好みに合わせて自作です。
この日は醤油、塩、胡椒、砂糖、酢をオリーブオイルに入れたモノ。簡単ですね。

刺身とカルパッチョの楽しみ方の大きな違いは食感でしょうか?
カルパッチョは刺身ほどシビアに食感を楽しむ料理ではないため、ヒラスズキの身がある程度柔らかくなってしまっても美味しく食べられる一品としてオススメです。

カルパッチョを余らせてしまった場合には火を通してパスタなどにも応用できます。白ワインでソースを作っても良いですし、この日はトマトを混ぜたパスタでいただきました。
火を通した料理も◎

と、火を通していないヒラスズキ料理をオススメしてきましたが、もちろんヒラスズキは火を通しても美味しくいただけます。
ただ折角釣ってきたなら釣り人ならではの料理をという事で、今回は生料理を中心にしてみました。
上の写真の料理は米粉をまぶした腹身をニンニクオリーブオイルで皮面をカリッと焼いたポアレ。塩コショウとレモンでいただきましたがもう最高!
これほど臭みのない旨味のある白身はヒラスズキならでは。
釣れた時には思いっきり手をかけて

釣れるエリアが限られていることもあって簡単に釣れる魚ではありませんが、釣れた時には思いっきり手をかけて美味しくいただくことをおすすめします。
セビーチェやムニエル、ソテーなど、まだまだ多くのおすすめ料理がありますが、ヒラスズキが釣れた際には先ずは上のおすすめ料理からお試しあれ。