はじめに(注意事項)
本記事はTSURI HACKが独自で行った短期的な検証結果と個人の印象であり
釣具のメンテナンスにおいてハンドクリームの使用を推奨するものではありません。
ハンドクリームを釣具に使用する場合は、あくまでも自己責任においてお試しください。
釣具のメンテナンスにハンドクリームは使えないか!?
釣具はロッドやリールだけでなく、メンテナンス用品もお値段が高いですよね。
とくに、メンテナンス用品は消耗品なので、なるべく出費を抑え、浮いたお金で釣行回数を増やしたいところ。
そこで、日用品(身近・安価・簡単に手に入る)という条件の元、代用できるものはないか? と考えた結果……
ハンドクリームにたどり着きました
水辺で使うことが前提の釣具ですが、釣具に起こる不具合やトラブルの原因の多くは水分(塩分)による、サビなどが原因。
サビを防止するには、撥水加工が一番効果的な解決策。ここで最初に思いつくのが、グリスなどの工業用油脂やシリコンスプレーだと思います。
しかし、工業用油脂やシリコンスプレーの中には有機溶剤が含まれているものもあるので、ロッドのグリップのコルクを痛めてしまったり、塗装面を痛めてしまうことがあります。
そこで思いついたのがハンドクリームというわけです。
実際に使ってみた!
使い方は至って簡単。目的の箇所に、メガネ拭きやティッシュにハンドクリームを少量付け、擦り込むように、なるべく薄く塗ります。
厚く塗ってしまうと、ハンドクリームの色が残った状態でパーツの隙間などに入ってしまいます。
薄く塗るのは、それを避ける為でもありますが、薄く塗るだけでも十分に撥水効果が見て取れました。
ロッドのコーティングに
ハンドクリームを塗る前のブランクに水を吹きかけてみると、一つ一つの水滴が大きいことがわかります。
フカセ釣りなど、ラインをフリーにする釣りではロッドが濡れたり、コマセや塩のベタつきでラインがロッドに張り付いてしまい、うまく仕掛けを送り出すことが難しくなります。
ハンドクリームを塗った後のブランクス。付着した水滴が小さく、水滴と接している面の角度が大きくなっていることがわかります。(撥水性が確認できたということ)
これは、ブランクスだけでなく、コルクの変色や腐敗の防止にも応用できるのではないでしょうか?
リールのハンドルに
リールのハンドルに使われているEVAは水と劣化によてベタベタとした物質が発生する加水分解が起こることが知られています。
加水分解は水と反応して別の化合物ができる反応。EVAでは水と反応することで粘性があるポリビニルアルコールが発生します。
水が原因で起こるので、なるべく水に触れさせなければ解決できると思われます。
僕の手元には加水分解が起こってしまったリールしかなかったので、ハンドクリームでベタベタ感がどこまで解決できるか検証してみました。
実際に塗ってみると全体的に色むらがなくなり、ベタベタ感はほとんど無くなってしっとりとした触り心地が復活しました。
ハサミやプライヤーの固着防止に
錆が浮いてしまったプライヤー。その可動部に塗って検証しました。金属面にハンドクリームが定着しにくいので、多めに塗り込んだほうが良いです。
目で見での撥水性の変化を感じることはできませんでしたが、使用後も錆が浮いたり動きが渋くなることはありませんでした。
ハンドクリームを使えば安価なプライヤーでも長持ちさせることができそうです。
ジッパーの固着防止に
ジッパーは、ライフジャケットやバッカン、小物ケースなど、釣具にも以外と使われています。
塩やエサがつまることがあり、普通の衣類のジッパーよりもトラブルが多いのは確かです。
ハンドクリームを塗ると周りの布の部分にほとんど染み込まなくなり、ジッパー本体につく水滴も小さくなって水切れが良くなりました。
釣具だけでなく、普段の衣服にも十分に使えると思います。
どんなハンドクリーム良いのか
今回はたまたま家にあったニベアで試してみました。釣具はどうしても水があるところで使うので、撥水性を強調していてネットリと油分が多いハンドクリームが良いと思います。
柑橘系の香りがするハンドクリームにはリモネンと言う柑橘系の果実の皮由来の溶剤が含まれている場合があり、塗装面を溶かしてしまうことがあるので避けましょう。