アカエイについて
アカエイはトビエイ目アカエイ科に属する魚。食用とされ、主にヒレを揚げたものや、煮付けにされて食べられています。
尾には毒棘があり、刺されると激痛に襲われ、その痛みは数週間続くことや、アレルギー体質の方は、アナフィラキシーショックにより死亡してしまうこともあります。
特徴
アカエイは、普段は背面にある目と噴水孔、尾を砂の上に出し、体は砂に浅く潜っています。座布団のような平たい菱形で長い尾があり、全長は1メートル前後、大きなものでは2メートル近くになります。ウロコがなく体表は粘膜質で覆われており、背面の色は海底の色と同じ色に擬態しています。
生息域
日本では、北海道南部から沖縄の沿岸域に広く分布し、浅い海の砂泥底に生息。河口・汽水域まで侵入することもあり、弱った個体は砂浜に打ち上げられていることもあります。
名の由来・地方名
アカエイの名の由来は、裏側が赤く桝の柄のように長い尾とされていることや、アイヌ語で棘を『アイ』と呼ぶことが変化し、エイとなったなどとされています。
アカエイは、エイやエエと呼ばれる他、エブタ、エイガンチョ、アカエ、イエタン、エエノウオ、カタホリ、カマンタ、ベタベタ、マンドウなどと呼ぶ地域があります。
顔文字みたい!?
アカエイの裏側を見ると、思わず笑ってしまいそうな顔が! しかし目のように見えるのは実は鼻孔。そのすぐ下に口がありまるで顔のように見えます。水族館で泳いでいるアカエイを見ていると、裏側の様子がよく分かります。機会がありましたら、観察してみてください。
アカエイの強力な毒魚
アカエイには、尾の付け根から少し離れたところに、硬く大きな棘があります。この棘には釣り針のように『カエシ』があり、刺されると抜くことは困難。保有する毒は“タンパク質毒”と言われ、細胞を破壊し炎症を起こします。
刺された場合
アカエイの棘に刺された場合、引き抜こうとすると、カエシが喰い込み傷口が広がります。タンパク質性の毒は熱に弱いとされていますが、無理な応急手当は、誤った対処法となる場合がありますので、急いで医療機関を受診してください。
時間が経つにつれ毒が回り、重症となった場合、命を落とす危険があります。
対処方法
刺されないための対処方法は、エイが接岸する季節には、浅瀬に近づかないことです。特に海水温が上昇する5月ごろから、エサを求めて接岸してきます。
同時期は、潮干狩りや釣りの季節にもなります。浜辺を歩く際は、打ち上げられたエイに触れないよう、ご自身の足元、お子さまの行動に十分注意しましょう。
釣りなどで入水する場合は、杖となる棒などを持参し、進行方向にエイがいないか、底を突きながら注意して進みます。しかし安全のために、エイが多く見られる場所での入水は、安全のため安易に行わない方が良いでしょう。
アカエイの料理
アカエイはクセのない繊維質の白身が美味しい魚で、アカエイが獲れる地域では洗いにして食べられています。火を通してもかたくならないため、煮つけや唐揚げ、フライ、ムニエルなど色々な調理法で美味しく食べられます。洗いやお刺身は活け締めにしたものを使い、時間の経過につれて体内の尿素が発酵しアンモニア臭が出るので鮮度が良いうちに食べましょう。
エイのから揚げ
アカエイのから揚げは鶏肉のようにぷりぷりしてあっさりと食べやすく、骨は軟骨で小さいものならそのまま食べられるので子どもにも人気の調理法です。軟骨だけを揚げておつまみにするのもおすすめです。
エイの煮付け
アカエイの一般的な食べ方が煮付けです。しっとりとした白身が甘辛い煮付けによく合います。ゼラチン質が多いので冷やすと煮こごりになり、煮こごりのために煮つけを作る人もいるほど美味しいです。
エイのムニエル
アカエイのクセのない白身はムニエルにもおすすめです。ゆっくりと火を通して表面はカリッと焼くと香ばしく、中はしっとりと仕上がります。ヒレ先の軟骨は柔らかく一緒に美味しく食べられます。
アカエイの釣り方
アカエイは昨今では漁獲されることが少なくなっていますが、漁師さんが定置網や底引き網で食用として漁獲しています。安価に出回っており、家庭で食用にされる他、ヒレを干物にしたり魚肉製品に使用されます。
アカエイの仕掛け
アカエイは肉食で貝類、甲殻類、小魚など幅広く捕食します。獲物に覆いかぶさってから歯でゆっくりと噛み砕いて食べます。このため魚の切り身やエビなどをエサとして釣ることができます。大物を釣り上げるにはイシダイやコイ用の竿を流用し、リールは大型のものを使いましょう。初夏から秋は夜にエサを追って活発になるため夜釣りがおすすめです。
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アカエイに注意をしよう!
浜辺を歩いていると、打ち寄せられたエイを見ることや、大きなアカエイが釣れることもああります。大きな魚体は、思った以上に力強く、安易に触れてしまうと、思わぬ事故に繋がる危険性があります。海で遊ばれる際は、エイに十分注意して、楽しいひと時を過ごしましょう。