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フロリダバスの体

フロリダバスとは一体?日本で釣れるのは純血か混血か……

ラージマウスバスの中でも特に大きくなる『フロリダバス』。10LBを超える魚も夢ではありません。今回は、国内外含め『フロリダバス』の生態や見分け方から、筆者がこれまでの経験の中で実績が高かった釣り方まで解説していきます。

目次

10LBも夢じゃない!バサーの憧れ『フロリダバス』

フロリダバス
☝️【65cm/5kgオーバー】筆者がメキシコで釣った10LBオーバーの純血フロリダバス。

夢の10LB(テンポンド/4.5kg)オーバー。

ラージマウスバスの中でも特に大きくなる『フロリダバス』。10LBを超える魚も夢ではありません。

今回は、国内外含め『フロリダバス』の生態や見分け方から、筆者がこれまでの経験の中で実績が高かった釣り方まで解説していきます。

フロリダバスってどんな魚?

フロリダバスは名前の通りフロリダ半島が原産の魚です。巨大化するため、バスフィッシングのターゲットとして高い人気を誇ります。

70cmを越える個体が釣り上げられることは珍しくなく、世界記録は10kgを超えます。

また、口の中にフックが掛かっていなかったのでIGFA世界記録には認められていませんが、11キロの個体も釣り上げられているようです。

分布域

フロリダバスの分布域

本来はフロリダ半島のみに生息しているバスでしたが、ゲームフィッシングのために各地に放流されていて、北米やメキシコ、日本も含めて各地に移入されています。

フロリダバスとノーザンバスの外見・生態的な違い

▼ ノーザンラージマウスバス

ノーザンラージマウスバス

▼ フロリダバス

フロリダバス

私たち日本人が”ブラックバス”と呼んでいる魚はオオクチバス(ラージマウスバス)です。

そのオオクチバスには『ノーザンラージマウスバス(オオクチバス)』『フロリダバス』との2種類がいます

この両者の違いは側線有孔鱗数(側線の上にある鱗の数)であり、ノーザンバスでは68枚以下であるのに対して、フロリダバスでは70枚以上という違いがあります。

また、体の側の縦帯(黒い模様)が、ノーザンバスではハッキリと明確で連続した帯であるのに対して、フロリダバスではこれがハッキリしておらず、途切れたり、ガタついていたりします。

ノーザンバスと混血も可能

ノーザンバスと混血
琵琶湖で釣れた65cm、4800g。フロリダバスとの混血である可能性が非常に高いです

フロリダバスとノーザンラージマウスバスは容易に混雑(両者の間で産卵)します。

そのためこの記事ではノーザンラージマウスバスをノーザンバス(日本に広く生息しているブラックバス)、純血なフロリダバスをフロリダバス(フロリダ)、混血は混血バスと呼ぶことにします。

フロリダバスとノーザンバスの釣り方は大きく違う!

フロリダバスの釣果

フロリダバスはノーザンバスと外見や最大サイズが違うという説明をしましたが、有効な釣り方もノーザンバスとは異なります。

ビックリマンが経験した中でフロリダバスに効く釣り方を解説します。

フロリダバスの基本はスローなアクションが効く

フロリダバス釣りで最も重要な事は”ポーズをしっかりとること”です。

例えばポッパーならしっかり止めて見せる必要がありますし、ワームならシェイクの間にステイを長めに入れます。

丁寧にスローに攻めることがフロリダバス攻略のカギになります。

日中はディープを攻める必要がある

実釣イメージ

フロリダバスは朝と夕、特に薄暗い時間帯にシャローに回遊して餌を捕食します。トップやハードプラグの釣りはマズメ時に有効です。

朝夕の回遊性はノーザンよりもフロリダバスのほうが高いと言えます。

その反面、日中のディープへの依存度はとても大きく、8~10mでスローの釣りがメインになることが多いです。

もちろんノーザンバスも近い傾向がみられますが、フロリダバスのほうがより顕著にマズメと日中の行動の差がみられます。

フロリダバスは日本でも釣れるの?

ポイントのイメージ
出典:PIXTA

フロリダバスは1988年に奈良県池原ダムに移入されたので日本にも生息しています。

1990年代後半には池原ダムで巨大なフロリダバスが沢山釣れるということで池原ダムブームが起こりました。

当時の写真を見ると、純血のフロリダバスが池原ダムで釣られていましたが今、純血のフロリダバスを釣ることは難しいかもしれません。

ほとんどのフロリダバスはノーザンバスと混血バスになっている可能性がある

フロリダバスの釣果写真
琵琶湖で釣れた60UP。フロリダバスとノーザンバスの特徴を兼ね備えています

琵琶湖でも2000年代以降、フロリダバス系統の遺伝子が確認されています。2005年日本水産増殖学会誌に記載された論文によると、当時においても多くのバスが、フロリダバスとノーザンバスの混血バスであることが確認されています。

池原ダムや琵琶湖などで釣れている巨大な60UPや70UPは、ほとんどがフロリダバスとノーザンバスの混血バスといっても過言ではありません。

また月日の経過からしても、少なくとも池原ダム・琵琶湖においてはほとんどのバスが混血で、純粋なノーザンバスやフロリダバスの個体数は極度に低いと考えるのが自然でしょう。

※一時期、琵琶湖で釣れている巨大なバスは”三倍体”(人工的に生殖機能を失わせた個体)という噂も流れましたが、噂の時期と寿命を考えるとその可能性は低いと推測できます。

日本で釣れたバスをフロリダバスとノーザンバスに見分ける方法

どちらかわからないバス

側線有孔鱗数の数(側線の上にある鱗の数)で数えるのが確実で正しい見分け方ですが、パッと見で正確に判断するのは難しいでしょう

さらに混血バスになってしてしまえばそれぞれの外見的特徴が混じり、DNAを観察するほか見分ける方法はないと言えます。

筆者なりの簡単な見分け方

確実ではありませんが、日本で筆者が大まかにノーザンバスとフロリダバスを現場で見分ける方法があるのでお伝えします。

混血バスであった場合にもフロリダバスの遺伝子が入っているかどうか簡潔に判断する材料としても有効です。

※確実に見分けるためはDNAを観察するしかありません。あくまで大まかな基準としてご理解ください

▼  縦帯(黒い模様)の形が違う

体の側の縦帯(黒い模様)の形……特に尻ビレの後方から尾ビレの付け根にかけての違いが顕著です。

ノーザンバスではハッキリと明確で連続した帯であるのに対して、フロリダバスではこれが不明確かつ途切れたり、ガタついていたりする傾向があります。

また、これを見ることで、ノーザンバスとフロリダバスが混血しているかどうか、混血しているならフロリダの血がどの程度濃いかがわかります。

▼  純血ノーザンバス(アメリカシカゴ)の場合

純血ノーザンバス

黒い縦線が明確で連続した帯となっています。

純血ノーザンバス

特に尾びれに近い部分はキレイな直線になっています。

▼  純血フロリダバス(メキシコ)の場合

純血フロリダバス

縦線が斑点のように見えます。ノーザンバスと比較して縦線は途切れています。

純血フロリダバス

特に尾びれ付近。断続的かつガタツキがあることがわかります。

上記の写真は純血の個体なのではっきりとその差が見て取れますが日本の個体ではどうでしょうか。

▼  ノーザンバス(日本)の場合

日本のノーザンバス。地域的・特徴的にフロリダバスの混入が薄いと思われる個体を2枚ご紹介します。

ノーザンバス(日本)
ノーザンバス(日本)

▼  混血バス(琵琶湖)の場合

対して琵琶湖のバスを2匹ご紹介します。尾ビレの側の縦帯がフロリダバスにとても近いのが見て取れます。

あくまでもDNA観察をしないと判断はできませんが、混血バスである可能性が非常に高いでしょう。

混血バス(琵琶湖)
混血バス(琵琶湖)

経験上”フロリダ度”が高いバスはいる

フロリダ度が高いバス

混血バスながらフロリダ度(フロリダバスの血の濃さ)が高い魚がいるのではないかと予想しています。

特に筆者が見た、60cmを超えるバスの多くはノーザンバスよりもフロリダバスの特徴を濃くもっている魚が多いです。

▼ 釣り方も純潔に近くなる可能性もある

上記の判断材料から多くのロクマルバスの実物、写真を見てきた自身の統計上でのデータによるものなので参考程度に留めていただきたいのですが、

外見がフロリダバスに寄った特徴を持っているという事は、行動もフロリダバスに近くなる可能性も否定できません。フロリダバスの釣り方が日本の巨大バスにも通用する可能性は大いにあります。

関東・九州にもフロリダバスの遺伝子を持ったバスが居る?

関東・九州にもフロリダバスの遺伝子を持ったバス

関東の霞ヶ浦や亀山ダム、河口湖であったり、九州でも福岡にもフロリダバスの遺伝子を持った混血魚がいると噂されています。

真実はDNAを観察しないことにはハッキリしませんが、60cmを超えるバスが釣れていたり、上記の基準から判断するにフロリダ系統と思われる特徴をもつ魚も釣れているので、可能性は十分にあるでしょう。

フロリダバスに効く釣り方・ルアー

筆者が純血のフロリダバスを狙った中で、良く釣れたルアーや使い方をご紹介します。

ポッパーのストップ&ゴー

ポッパーの釣果

朝や夕方の時間帯に岸近くをストップ&ゴーで狙います。群れでエサを捕食しているフロリダバスに有効な釣り方です。

クランクベイト・ミノーの岸撃ち

クランクベイト・ミノーの釣果

同じく朝夕にシャローを回遊するフロリダバスを狙う釣り方です。ただ巻きでも釣れますが、ポーズを入れてやることでチャンスが倍増すると考えています。浮き上がってくるアクションに強烈な反応を示します。

ワームのジグヘッドリグのミドスト・ボトムシェイク

ワームの釣果

日が昇り、深い場所にフロリダバスが沈んだ時にはソフトベイトが有効です。ゆっくりめのアクションが基本になります。きっちりポーズをいれながら誘いましょう。

筆者は水深の深いダム(岸近くでも水深が90mあるような)のみフロリダバスの経験があるのでジグヘッドを使いますが、水深の浅い湖やダムであればノーシンカーワームのフォールも有効でしょう。

高比重ビッグワームのフリーリグ

高比重ビッグワームの釣果

筆者が釣りをしていて、最もフロリダバスを釣るのに効果的だと思うのが高比重ビッグワームのフリーリグです。シンカーの重さは1.75~3.5gの軽いものを使います。デスアダー5インチやカットテール6.5インチなどをボトムでシェイクすると大きなフロリダバスの反応がすこぶるよいです。

フロリダバスはバサーの憧れ

フロリダバスの釣果写真

ブラックバスの中でも巨大化するフロリダバス。バサーにとっては憧れと言える種類のバスでしょう。夢の10LB(テンポンド/4.5kg)オーバーと言われるサイズもフロリダバスでは珍しくありません。

アメリカやメキシコに純血フロリダバスを追うのもよし、日本でフロリダ系統のビッグバスを狙うのもよし。

自己記録を超えるようなフロリダバスを狙うのはバス釣りにおいての究極の楽しみかもしれません。

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