ダンゴ(紀州)釣りとは
ダンゴ(紀州)釣りとはウキを使用した餌釣りの一種で、主にチヌ(黒鯛)などを狙う釣法になります。一見すると大きすぎるようにも思えるそのダンゴ餌は、実は外側から本当の餌(付け餌)を包み込んでいる撒き餌を固めたものになります。集魚効果とエサ取りにサシエを取られない役割を担います。
ダンゴ(紀州)釣りの仕掛けと必要な道具
ダンゴ釣りは基本的に護岸や堤防、磯場などを中心に、外洋や港湾部など細かい釣り場の条件を問わず手軽に始めることが出来るのが大きな魅力!ここでは、ダンゴ釣りに使われるタックルや仕掛け、必要な道具をご紹介します。
タックル
使用されるタックルは主にしなりの良く、遠方への釣りにも対応することの出来る磯竿を使用します。リールは大型のチヌが掛かった際に力負けしないようなドラグ力が強いスピニングリールを使用するようにしましょう。
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多くのシーンで重宝される安定感の高さを
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仕掛け
仕掛けはアタリを取るための棒ウキとハリス、ハリというとてもシンプルな構造になりますが、シンプルであるからこそ、細かい部分で釣果に大きな差が出るのがダンゴ釣りの仕掛けです。使い勝手がよく、丈夫な仕掛けを選ぶことが重要です。
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その他の道具
釣り方に適したタックルや仕掛けを準備するという事はもちろんですが、ダンゴ釣りという釣り方の特性上、必須となる様々な道具についても合わせてご紹介します。
狙った場所にしっかりと飛ばすために
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最大4本のロッドスタンドが便利!
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釣り上げたチヌを確実にキャッチ!
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長期戦のウキ釣りも楽々楽しめる!
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ダンゴ餌で使われる素材の役割とは
ダンゴ釣りでは、ダンゴ餌の出来で釣果を左右すると行っても過言ではありません。主にぬか、砂、そして色々な成分を持つ集魚剤を混ぜ合わせることによりダンゴ餌を作りますが、それぞれの素材には釣果を上げるための大きな意味を持ちます。
米ぬか
ダンゴ餌のベースとなる素材が米ぬかであり、餌の粘性と海中の濁りを演出する最も重要な材料です。チヌは警戒心がとても強く、濁りをとても好む習性を持っているため、ぬかの濁りによってチヌの警戒心を解き、本命のサシエを食わせます。
砂
砂自体には魚を集めるような成分は含まれていないのですが、ダンゴ餌の重量を増し手早く底に沈めるため、そして粘性を持つダンゴ餌を効率的に崩すために重要な材料の一つです。粒子の大きさによってダンゴのまとまりや拡散具合が大きく変わるので、最初は出来るだけ粒子の細かい砂を使用すると効率的です。
さなぎ粉
ダンゴ餌に含まれている集魚効果を持つ素材の代表として、サナギを乾燥させ砕いたさなぎ粉が用いられています。チヌの好物であるサナギの臭いを海中に拡散し、周囲の魚の活性を高めます。細びきはまとまりがよく、荒びきはバラケ性能が高まるという特徴がある為、当日のタナや潮流の具合で調節することが可能です。
押し麦
海中に拡散すると白っぽい濁りを生み出す押し麦は、やはり警戒心の強いチヌを安心させるための要素として使用されていますが、実はチヌの習性を取ってみても押し麦も好んで食べるような食性を持っており、周囲の魚を集めるような効果も併せ持っています。
集魚剤
こういった材料の他にも、魚の好物を混ぜ合わせることにより、一層集魚効果を高めた集魚剤も使用されています。チヌの習性を理解し、適切なアミノ酸を配合してダンゴ餌の臭いを更に高めるような配合を施した集魚剤は、広範囲のチヌをおびき寄せてくれます。
ダンゴ釣りで使う付け餌
針に掛けるまでが難しいと言われるチヌ釣りですが、チヌは常に餌を探しているような貪欲な食性をもっています。そのため、その日のチヌの食いに合わせてサシエが選べるように定番から意外なものまで様々な種類のサシエが使用されています。
オキアミ
ダンゴ釣りにおいて最も一般的に使用されているのがオキアミです。丸まった体のラインに沿って針を通せば外れにくく、チヌが食った際の掛かりもフォローできます。まずはオキアミから試してみましょう。
ボケ餌
オキアミの他に、チヌの好物として使用されているボケ餌は小型のシャコの一種であり、殻が柔らかく非常に食いの良い餌として使用されています。しかし、時期によって供給量や価格にばらつきがあるという特徴があるため、事前に釣り具店などに在庫の確認をするようにしましょう。
コーン
身近な食材であるトウモロコシもまた、餌取りが多く釣りにならないような状況で最も威力を発揮するサシエとして使用されています。針を隠すように2~3粒を重ねて刺すような使い方が主ですが、オキアミを刺した針の先端にコーンを刺したり、事前に集魚剤に漬けたコーンを使用したりと、バリエーション多く使えるのが特徴です。
サナギ
活性が上がる要素としてダンゴの素材で無くてはならないサナギですが、サナギ自体をサシエとして使用する機会も多いです。チヌの好物であるオキアミやボケ餌を使用してもどうにも反応が弱い時などに、チヌの目先を変えるという意味合いでサナギを使用してみると途端に食い付いてきたという事も少なくありません。
ダンゴ釣りの釣り方のコツ
ダンゴ釣りでは、着水したら速やかに海底に沈ませ、底でしっかりとダンゴが割れるようにする事が重要になります。ダンゴの扱いやタナの取り方までダンゴ釣りをする上で注意すべき重要なコツをご紹介します。
ダンゴの握り方
ウキを観察することによってダンゴが割れたタイミングを視認することが出来ます。ウキの動きをしっかりと確認し、あまりに割れるのが早い場合などは少々海水を含ませたりと、理想のタイミングでダンゴが割れるように握りで固さを調節しましょう。
付け餌をローテーション
チヌは、貪欲な食性とは逆に非常に警戒心の強い魚です。生息地はもちろんの事、その日の気温や潮の流れ、釣り人の数によって興味を示す餌が全く異なるという事も少なくありません。その日の食いパターンによって最適な付け餌を選ぶことが出来るように、様々な種類の付け餌を持って行く事がチヌの釣果に繋がります。
這わせ幅を大きくする
ダンゴ釣りの仕掛けは潮で流されやすく「思っているポイントから仕掛けが流されてしまった。」という問題が度々生じることがあります。潮の流れが速いような場所でのダンゴ釣りでは、ウキ下を水深より深く取り、仕掛けが流されないように対策するようにしましょう。
ダンゴ釣りで遠投をする
岸壁や足元でなかなかアタリが取れない場合は遠投してみるのもとても効果的です。竿での遠投ではダンゴが割れてしまいますが、ダンゴを柄杓に乗せて投げればキャスティングがきれいに決まります。柄杓での遠投の際はあまりスナップを効かせずに押し出すような感覚で投げるのがコツです。
ダンゴ釣りは魅力がいっぱい
身近な堤防などで気軽に楽しむことの出来るダンゴ釣りですが、釣るまでの工程はウキや仕掛けの選択はもちろん、ダンゴの素材や配合、固さ、更には食わせるためのサシエまでと多くの事を考えながら試行錯誤する必要があります。しかし、色々と悩みながらやっと食わせたチヌの重みのある引きはダンゴ釣りでしか味わうことが出来ない醍醐味で、その奥深さに更に釣りの魅力を発見させてくれます。