B65M・B65MHをインプレ
まずは、オバマリグで使ったベイトモデルのB65MとB65MHの使用感を紹介します。
3万円分の目感度と手感度
ソリッドティップには並並ならぬこだわりを持つがまかつなだけあって、ティップはイカの繊細なアタリを十分に表現してくれます。
しなやかでよく動くので荷重変化がわかりやすく、ティップが振動するようなモゾモゾ系のアタリもしっかり感知できました。
また、荷重変化を手感度としても伝えてくれるのが秀逸ですね。
目を逸らした時(集中力を切らした時にやりがち)にも気付けるアタリが多いので、とくに初心者や中級者の方は助けられると思います。
さすがに「ハイエンド並み」とは言えませんが、3万円台のロッドとも比肩するか、上回っているくらいのレベルだと感じました。
初めての1本としては少々高めですが、1万円代のロッドと感度が全然違うので、プラス1万円奮発する価値は十分あると思います。
また、既にエントリークラスのロッドをお持ちの方は、感度の違いをより明確に体感するはずです。
「スピードメタルSの感度に満足できない」という感度マニアの方は、ハイエンド系ロッド(がまかつならスピードメタルR)しか選択肢はなさそうです。
どんなアクションにも高いレベルで対応してくれる
ブランクが軽くてシャープなので、誘い上げや誘い下げ、ジャーク、シェイク、ステイなど、どのアクションもスムーズに行えます。
シェイク等の激しいアクションをしても、ステイに移行した直後の竿ブレが少なく、メリハリをつけてピタッとステイさせるのも簡単です。
ステイ時に不用意に動かないのでアタリも出やすく、アクション直後のアタリも取りやすいため、強め・速めの誘いでもアタリを見極められます。
また、糸フケが多く出るアクションも試しましたが、糸絡みはほとんど無く、ビギナーの方でも快適に釣りができるでしょう。
MとMHの使い分け
B65Mは15〜20号のスッテを扱いやすく、日本海の丹後や小浜、敦賀で1本選ぶとするとB65Mで決まりです。
B65MHは“B65M+5号”のイメージで、25号の使用頻度が高まる状況(潮が速い時や水深80m以上)に適していますね。
15号・20号での感度を重視するとM、潮が速いエリア(但馬・山陰など)も含めた汎用性となるとMH、といったところです。
また、MHの方が同じ重さのスッテでもキビキビと動かせ、フッキングスピードも速い(深くなるほど差が大きくなる)ため、スッテの重さ+釣り方でも使い分けられます。
とはいえ、MHで気持ちよく扱えるのは25号までなので、30号を常用する山陰方面などをメインに釣行する方にはB65Hをおすすめします。
S610MHをインプレ
最後にオモリグ用スピニングロッドのS610MHをインプレッションします。
必要十分な飛距離を稼げる
アンダーハンドでフルキャストする場合、25号までがベストウエイトだと感じました。
30号も問題なく投げられましたが、キャスト時の曲がりが大きくなるので、人によっては少し投げにくく感じるかもしれません。
また、必要十分な距離を飛ばせますが、キャスティング性能を重視したティップまで張りの強いロッドと比較すると、少し物足りなさを感じてしまいました。
とはいえ、キャスティング重視のロッドは感度が低いものが多く、飛距離と感度はトレードオフの関係にあると筆者は捉えています。
ティップを見ても、スピードメタルSは感度も重視して設計されていることがわかるので、船上で飛距離番長になるのは少し難しいかもしれません。
ロッドの全長的には、1.5m程度のハリスまでなら十分投げられます。
「これ以上はいらない」と思わせてくれる感度
オモリグロッドの中でも繊細なカーボンソリッドを搭載しているので、ティップがアタリを大きく表現してくれます。
ロッドの重心バランスが優れているのか、手元への荷重変化の伝わり方もかなり明確でした。
「今まで獲れなかったアタリが!」と言うと少しお大袈裟ですが、アタリがよりクリアに伝わる印象。
そもそもオモリグは仕掛けの構造上、イカがシンカーを引っ張ってようやくアタリが出るので、どんなロッドを使ったとしてもすべてのアタリを取ることはできません。
実際にハイエンドロッドを使っても、オバマリグほどロッドの感度がアタリの数に直結するわけでは無く、“中オモリ仕掛けの限界”を感じさせられます。
とはいえ、ティップの表現力が弱いロッドを使うと、アタリが取りにくいのも間違いありません。
これらの経験を踏まえると、「“費用対感度”の頂点」と言って良いロッドだと感じさせられました。
もちろんロッドの感度はハイエンドが勝りますが、「どれぐらい釣果が伸びるのか?」と考えると、スピードメタルS S610MHの感度はめちゃくちゃコスパが良いと思うわけです。
水深80mで30号を難なくシャクれる
ティップが繊細な一方、バットは強靭なので深場にもしっかりとアクションを伝えてくれます。
実釣時は水深80mで、30号までのシンカーをシャクりましたが、非常に快適でした。
ただし、スペック上は40号まで対応することになっていますが、個人的には30号を超えるとダルさを感じます。
また、ベリー部分は標準よりもやや柔らかめの仕様で、イカが掛かった後は十分なクッション性を発揮。
適度なスピードで巻くと、程よい曲がりしろを残しながらイカを回収できるので、イカの身切れを防げます。
竿頭になれるはず!
竿頭を取れる・取れないは、もちろん技術や運にも左右されますが、“ハイエンドロッドを食える”ほどのポテンシャルには驚かされました。
釣り場に合わせてB65MかB65MHを選び、お財布に余裕があるならS610MHも用意すれば、かなり良い釣果を望めるはず。
イカメタルはロッドで釣果と楽しさが変わるので、気になった方はぜひスピードメタルSを手にとってみてくださいね!
がまかつ ラグゼ スピードメタルS B65ML
がまかつ ラグゼ スピードメタルS B65M
がまかつ ラグゼ スピードメタルS B65MH
がまかつ ラグゼ スピードメタルS B65H
がまかつ ラグゼ スピードメタルS S610MH